去る5月26日、特別天然記念物に指定されている「アポイ岳高山植物群落」の回復試験現場を、調査のお手伝いがてら見学してきました。
ユネスコ世界ジオパークのアポイ岳では、アポイ固有種のエゾコウゾリナやアポイクワガタなどの高山植物が、ハイマツの増加によって分布域を狭められ、将来、絶滅する可能性が指摘されていました。そこで、2019年にハイマツを試験的に除去する事業が行われ、モニタリングが続けられていました。
このハイマツと高山植物の関係は、現在、阿寒湖で起こっている水草の増加によるマリモの衰退とよく似ています。そこで今回、調査を主導する佐藤謙先生(北海学園大学名誉教授)にお願いして現場にご案内いただき、2024年までの5年間で目標に近いレベルまで回復した高山植物の様子を見ることができました。
すべき対策をきちんと実行すれば目指す植物の復活はできる・・・この体験を衰退著しいマリモの保全活動にもしっかり活かして行きたいと思います。
アポイクワガタ.
試験地の様子.伐採されたハイマツの基部と調査のための方形枠.