(1) 培養実験
マリモ単藻培養株の糸状体先端部を用いた培養実験(舘脇 1990, 1991)で得られている至適な栽培条件の概要は以下のとおりである。また、同じく単藻培養株では、1/16に希釈した天然海水に栄養強化混液のPESを加えた培地(若菜 1994)、もしくは後述する人工合成培地(未発表)でも良好な生長が得られる。対照的に、蒸留水やミネラル濃度の低い水道水だと、PESを加えても糸状体が白化したり、場合によっては枯死する場合がある。
- 温度: 18~22℃(10℃以下ではほとんど育たない。培養実験の最高温度は22℃であったので高温域での応答は不明だが、高温域の影響を調べた別の実験(照本 1965)では、30℃を超えると細胞の生存率が下がる結果が得られている)
- pH: 6.8~7.2(pH 5以下、および9以上で 阻害)
- 光強度: 3000 lux
- 主要元素:
- 微量金属: BとFeを要求

培養によって得られた塊状の緩集団(舘脇 1991).左は2年間,右は1年間培養したもの.
静置培養しているため,糸状体が徒長あるいは横臥している.
- マリモ単藻培養のための合成培地の組成
(2) 光合成実験
酸素電極を使った糸状体の光合成測定(若菜 2003)では、20℃で酸素発生(光合成)速度が最大となり、30℃になると酸素発生速度・呼吸速度ともに大きく減少する結果が得られている。
- 温度: 20℃(25℃以上で阻害)
- 光強度: 20~100 μmol/m2/sec(20~25℃)


