私とTさんの関係は、悪化したり、安定したりだった。

私とTさんの間には、憎しみや、色々な感情。

そして、どうしても、年の差という、越えられない壁があった。

考え方も違う。

話題も違う。

そして、そこに、愛情もない。

Tさんも、私も、お互いを、どんどん、追い詰めていくだけの関係になっていった。

Tさんからの愛情という名の、「檻」に、私は・・・

「逃げたい」

また、そう、思うようになっていった。

何度、同じ事を繰り返して、失敗して。

そして・・・

それでも。

どうしても。

ふと、高校生の頃の事を、思い出した。

自由。

当たり前のものだと思っていた頃。

もう一度、この手に、つかめるものなら。


Tさんの部屋に入った瞬間、殴られた。

訳もわからないまま、怒鳴られた。

今までの私だったら、きっと、されるままだった。

「何で、イキナリ、殴るの!!」

今までの、私だったら、絶対言えなかっただろう。

Tさんも、驚いていた。

「匂いが違う。男ができたんじゃないのか?」

匂い?

・・・

一瞬、考えてしまった。

だけれど、すぐに、思いついて答えた。

「匂いって、フレグランス?シャンプー?替えたよ。」

「なんでだ?」

「節約に。安いのにしたから。」

言い終わらないうちに、Tさんは、私を駐車場へ連れて行った。

そして、そのまま、買い物へ。

結局、今まで、使っていた物と同じ物を買って来た。

「その匂いが一番いい。」

何だか、素直にお礼が言えなかった。

Tさんの、私への支配はこうやって続いていくのだろう。

そして、そんな私の姿を、希が見る日が来るのだろう。

希は、私を軽蔑するだろうか。

考えていたら、疲れてしまった。

逆らわない私には、Tさんは優しい。

それは、見せかけの優しさだけれど・・・

このままではいけない。

このままでいけたら・・・

2つの異なる気持ちを抱えたままの生活だった。

私は、このまま、一生、Tさんに飼われたままで過ごさなければいけないのだろうか・・・

希が大きくなった時、希まで、Tさんの餌食になったら・・・

私は、眠れなくなっていった。

今までも、これからも、私とTさんは、お互い騙しあい、腹を探り合い、生きていくのだろう。

「裏切るな。」

Tさんは、何度も、そう言うけれど、今までも、これから先も、私は、きっと、Tさんを騙し、裏切っていくだろう。

それでも、続いていくこの関係は何だろう。

また、今までのような関係が始まった。

今までと違うのは、希がいる事。

そして、必ず、家に帰してくれる事。

Tさんの部屋で、汗にまみれ、Tさんに突き上げられている時に、ふっと、快感では無く、意識がフィルターにかかっているような不思議な感覚に襲われた。

その直後に、吐き気がするほどの眩暈。

そして、頭痛。

慌てたTさんが、救急車を呼ぼうとした。

だけれど、それを制止して、しばらく、じっとしていたら、すぐに治まった。

「もう平気だから、続けていいよ。」

ここで行為を中断したら、借りを作るようで嫌だった。

だけれど、Tさんは、裸のままの私に、布団をかけて、シャワーを浴びに行ってしまった。

うとうとして、目が覚めると、私の顔をタバコを吸いながら、私の顔を覗き込んでいるTさんと目が合った。

「もう大丈夫か?」

もうすっかり、眩暈や頭痛は治まっていた。

Tさんは、もう服を着ていた。

「しなくていいの?」

不思議に思って聞いた。

「具合悪い女を抱くほど趣味は悪くない。」

そう言いながら、手は私の身体を弄っていた。

私の呼吸が荒くなってきたのと同時に、あそこに顔を埋めた。

ペチャペチャ、舐めている音がする。

私は、あそこに舌が入れられた瞬間、呆気なく、イッてしまった。

荒い息のまま、目を閉じて、Tさんのものが入ってくるのを待っていた。

だけれど、Tさんは、ひたすら、私のあそこを舐め続けているだけだった。

イッたばかりで、敏感になっていた私の身体を触り、私がビクンと反応する場所を攻め続けた。

長い時間愛撫だけで何度もイカされた。

身体に押し付けられたTさんのものは、すごく硬くなっていた。

だけれど、その日は、それだけだった。





家に帰って来て、希の寝顔を見ていると、また自分が情けなくなってきて、涙が出た。
私に比べて、純粋な希。
その瞳に、私がうつる資格があるのだろうか。
あなたが、幸せで過ごせますように・・・
ただ、それだけが、私の願い。
帰りの車の中、運転しながら、私を見ているTさんと目が合う。
お互い一言も話さなかった。
信号で停まっている時、Tさんが、私の手を掴み、指をくわえ、舐めた。
それだけで、私の身体に電流の様な快感がはしった。
そんな自分の身体が情けなくて涙が出た。
気がついたら、車は、家の前に着いていた。
Tさんは、私にキスをして帰って行った。
私は、ひどく惨めな気持ちだった。

荒い息と、汗ばんだ身体のまま、どう切り抜けようか必死に考えた。

そんな私を、Tさんは、じっと見たままだった。

「ごめんなさい。」

どうせ、私の魂胆なんて全て見通されているはず。

だったら、素直に謝った方がいい。

そう、私は考えた。

「これで最後だ。絶対裏切るな。」

何も答えない私に服を着せて、自分も服を着た。

「希が待ってるだろう。」

そう言い、ホテルを後にした。

やっぱり、私の演技はバレていた。

Tさんは、私の両手を掴み、険しい顔で言った。

「何、考えている?」

「別に。私だって、めちゃめちゃになりたい時だってある。」

ダメだ。

このままじゃ、演技がバレる。

私は、Tさんの服を脱がせた。

Tさんをベットに押し倒し、Tさんの上に乗った。

Tさんは、私の一挙一動を疑いの目のまま、見ていた。

その目から逃れるように、トランクスを脱がし、Tさんのものを咥えた。

咥えながら、Tさんの顔を見る。

Tさんと目が合う。

Tさんの上に跨り、自分で入れていく。

そして、腰を動かした。

それでも、Tさんの表情は変わらない。

私は、Tさんの両手を掴み、腰を振った。

部屋の中に、私の荒い息と淫らな音が響く。

いきなり、Tさんが下から突き上げてきた。

私は、仰け反り、快感の声を上げた。

その瞬間、Tさんのものが抜かれた。

「気がすんだか?」

Tさんは、まだイッてなかった。

「気持ちよくなかった?」

私は、驚きながら聞いた。

「小娘にイカされるほど、馬鹿じゃない。何を企んでる?」

私は、賭けに負けた。




やっぱり、Tさんは、私の事を信じていないようだった。

バスルームから私が出て来ても、身動き一つしない。

私を見つめたままだった。

私は、焦っていた。

Tさんの行動が私の予想したものとは、あまりにも違っていたから。

バスローブをTさんの目の前で脱いで、Tさんの横に座った。

それでも、Tさんは、私の顔を見たままだった。

「シャワーしてきたら?」

「いい。」

それだけの会話の中で、やはり、Tさんは、私の行動を疑っている事が、ハッキリとわかった。

逃げてばかりいた私が、自分から誘うわけがない。

きっと、何かあるだろう、と。

どうする?

私は・・・

自分の手で未来を掴もう。

その決心と、Tさんへ自分からキスした事。

そして、これから、しようとしている事。

私は、愚かだ。

だけれど、それ以外、身を守る術を思いつかなかった。

Tさんの目は、まだ、私を疑っている目だ。

私は、Tさんの前で、服を脱いで、シャワーを浴びに行った。

私の賭けが始まった。