『男はつらいよ』シリーズ


私が本格的に映画が好きになった1976年!

ハナ垂れ・くそガキが、、何かに目覚めたこの年。。いいことばかりでは無かったと思うが、何故かこの昭和の時代に戻りたいと思ってしまう、、、その意味が少し分かるのが、
この『男はつらいよ』の空気感なのかも知れません。。

東京とは言え、其ほど整備も進んでいなかった1970年代の葛飾界隈のあの頃の情景がフラッシュバックする。。

駄菓子屋・はらっぱ・光化学スモッグ・寂れたボーリング場・すえた臭い(?)のする映画館、
家は長屋で雨漏り・風呂なし・ぼっとん便所…隣の酒屋のオヤジはヨイヨイで、毎晩ドンチャカ喧嘩が始まる。。@@ 
火事で焼けた天井に空いた穴から覗く月・星を眺めて寝た。。
秀才と評判の姉基準で見られる、不出来な弟。

(⬆全てノンフィクション)

環境的には決して良いとは言えませんでしたが、思い出すと何故か落ち着く。。

現実逃避なのは重々承知、、
『男はつらいよ』で、もう少しの間、
ノスタルジーに浸らせて下さい。。m(__)m

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今回は、1976年公開の第十七・十八作を紹介致しますm(__)m

まだまだ道半ば、、残り30本あります!

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『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』

◇ 1976年8月公開
ゲスト出演 : 太地 喜和子、宇野 重吉、岡田 嘉子、寺尾 聰、


〈簡単なあらすじ〉

季節は春、満男が小学校に入学し、「とらや」もお祝いで賑わっている。
そこに久し振りに帰郷した寅次郎だが、
学校で満男が、寅次郎の甥という事で父兄に笑いモノにされたらしく、、怒った寅次郎に笑われる自分が悪いとおいちゃんに説教され、一悶着。。直ぐ様、寅次郎は家を飛び出した。
その夜、寅次郎は酒場で出会った無銭飲食する老人(宇野 重吉)を不憫に思い「とらや」に連れて帰って来た。その朝、旅館と勘違いした老人は贅沢三昧我が儘を言って家族に散々迷惑を掛けた。
これまでの無礼を反省した老人がお詫びにと、いきなり紙に絵を書き、これを神田の古本屋に持って行けば多少の金になると言われた寅次郎は、半信半疑ながらも店に持って行くと、店主から七万円もの値を付けられた。
この老人、実は名画家・池ノ内 青観であったのだ。。

それから数日後、青観は故郷・兵庫県龍野に招待され帰郷した所に偶然、寅次郎と再会して、青観に同行する事に。。

宴席にも呼ばれた寅次郎は、そこで気立てのいい芸者・ぼたん(太地 喜和子)と、すっかり意気投合して、いつもの通り惚れてしまう。。

その後、ぼたんは寅次郎のいる柴又を訪れた。
昔、二百万円を貸して音信不通になっていた男(佐野 浅夫)が、東京に居ることを突き止めて、返済を求めて男に会いに来たのであった。。

寅次郎は惚れた女の為に何が出来るのか?

………………

本作は『相合い傘』と並び、名作との評価が高い作品です!

いきなりオープニングの夢コーナーは、当時ブームだった、、あの『ジョーズ』のパロディですが、、シリーズ随一のグロテスクさ(-。-;)
 源ちゃん・さくらが可哀想過ぎる………

…夢コーナーは、正直最悪でした、、
しかし、物語は評判通りでした!

前半は、寅さんと青観先生とのやりとりが実に面白く、、とんでもない爺さん扱いをして説教する寅さん。。それを、のほほんと聞き入れる青観先生。。笑い通しでした!
そのあと、青観先生の作品を持って行った、古本屋「大雅堂」の店主役【大滝 秀治】さんと値踏みするシーンは、寅さんの思った金額とは全く違う解釈をされる所等、、流石上手いなぁ❗と感じた。

その後「とらや」に帰ると、先生はもう帰ってしまっていた。。
寅さんも調子に乗って、青観先生の絵を頼りに道楽生活をしようと、さくらに勧める所は、、金に目が眩んだ寅さんの悪い所、、これも後半に必要な伏線になっていますが。。

意外や意外なのが、、
寅さんとマドンナ以上にロマンチックなシーンを演じた、青観先生と若い頃、訳ありだったのであろう、志乃【岡田 嘉子】さんとの再会、、

ここで名言が生まれます。
「人生に後悔はつきもの……すればよかったなぁという後悔と、もうひとつは、どうしてあんなことしてしまったのだろう、という後悔…」
この年になっても、心に響く名言です。。
私はどれだけ、そんな後悔を繰り返して来たのか?・・・ホント情けなくなります。。(/o\)

青観先生の作品で、ぼたんへのお金を工面しようとする、寅さんは、浅はかであるが、、自分にはどうすることも出来ない事が分かっている人間が思い付き、出来る事はこの方法位しかない、、侘しいですね…

しかし、青観先生は、金の為に絵を書くことを拒み、、寅さんは青観先生に散々文句をいい別れる。。

その後、寅さんがぼたんの元へ行ってみると、、予想外の展開が、、?
『男はつらいよ』史上最高に洒落たオチに、、一本取られました!m(__)m

青観先生は、しなかった後悔を避けるべく、
筆を取られたのだろうか。。

「価値の分かる女(!)」ぼたんの最後の台詞も潔く素敵だった!

今回は「金と欲」がテーマか、、非常に深い。。

子供心では解釈出来なかった事も、今こうして見返してみると、全く味わいが変わるものなのだと感じました。

まずは、
人は見た目で判断するべからずか……(笑)
★★★★

…………

ホントにチョイ役でしたが、、七作目のマドンナ【榊原 るみ】さんが出演していました👍

好きなシーン☝
本作は比較的コメディシーンは少なかったと思いますが、、 寅さんがぼたんのお金の事ばかりが気になり「とらや」のお客さんに、団子のお代が、200万円だよと言って店を飛び出すと、、今度はおばちゃんが、500円を500万円と言い間違える。。


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『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』

◇ 1976年12月公開
ゲスト出演 : 京マチ子、壇 ふみ、浦部 粂子、永 六輔、


〈簡単なあらすじ〉

満男の家庭訪問の日、担任の先生が産休の為、代行の雅子先生(壇 ふみ)が、やってくるのだが、、もっぱら車家の心配事は、、寅次郎がタイミングよく帰って来たら、、この若くて美人の雅子先生を好きになってしまうのではと、、危惧していた。
そして、皆の心配事が大的中し、寅次郎は帰郷して来た。。
案の定の展開で、雅子先生に一目惚れの寅次郎は、ついついでしゃばり家庭訪問を目茶苦茶にしてしまった。
そしてまた一悶着あり、寅次郎はそのまま旅へ、

数日後、旅先では、昔世話をした旅芸人の一座(吉田 義夫・岡本 茉莉ら)と偶然再会し、調子に乗った寅次郎はその晩、旅館に一座を、もてなし大盛り上がりしてしまうが、、
持ち合わせなどなく、無銭飲食で警察に厄介になってしまった。
警察からの電話を受けた妹のさくらは、寅次郎を引き取る為、旅先・別所温泉へ向かった。

さくらは寅次郎を連れて帰って来たが、、

今度は、あの雅子先生が母親・綾(京 マチ子)を連れて「とらや」を訪れて来た。
実は、綾は寅次郎とは顔馴染みみだったが、病弱だった為、長い間入院生活を送っていたのだった。

病状も落ち着き、退院して来た綾に寅次郎が、想いを寄せてしまう事を、もう誰も止められなかった。。

儚い恋が始まるが、同時に終わりも近づいていた。。

………………………


前半は家族に迷惑を掛け放題する寅さん。。
旅先から寅さんを連れて帰る、さくらは寅さんにあきれ果てている。。。

満男の小学校の産休補助の雅子先生に、一目惚れした事を、さくらに娘程の年の差がある雅子先生を好きになるのはおかしい、
雅子先生の母親位の年頃の人を好きになるなら分かると言うと、、これまたナイスタイミングで雅子先生が母・綾を連れて「とらや」に現れる!
そう言ってしまったさくらはもう寅さんを止められない。。正にコメディの真骨頂で、最高のシーンでした❗

ここまでは、テンポ良く進むが、、

しかし、後半は胸を打つシーンの連続だ。

これまでの『男はつらいよ』では、泣かせるシーンは多々あっても、後をひかせない様に、場面展開を早くしていたと思うが、、こんなに長い時間涙が止まらなかったのは、本作が初めてだった。。

特に、雅子先生から母の容態が悪く、先もそう長くないと聞かされたさくらの、、雅子先生をいたわる気持ちと、兄への複雑な心情が現れる演技は本当に素晴らしく、やるせなくなります。。

そして、最後に寅さんのお見送り、
柴又駅ホームでのさくらとのシーンでは、

「人の一生なんて儚いもんだな……」

綾さんと生前話題にしたが答えが見つからなかった、「病気が治ったらどんな仕事をするか?」で、寅さんが、「花屋」がいい!と無邪気に話す姿を見て、、渇いた筈の瞼から最後の一しずくが溢れ出た。

初めてのマドンナの「死」による「別れ」を扱った、正直重い、こんな結末も初めてでしたが、ラストへの展開等が大変秀逸で、個人的に大感動作品でした★★★★

…………………

それにしても、、初の母娘・ダブルマドンナとなりましたが、ハツラツとした若さの【壇  ふみ】さんと、しっとり大人の色香の大女優【京 マチ子】さんは甲乙付けがたい、、魅力に溢れていましたね!
正に、一粒で二度美味しい❗ってやつですね❗
※ 当時、【壇 ふみ】さんはとても人気があった清純派女優でした、、個人的にはあまり好みでは無かった……m(__)mと記憶してましたが、こうして見返すと、、とても美しく、やはり私の目の方が、節穴だった事が良く分かった次第m(__)m

好きなシーン☝
一言!満男の絵「ぼくのおじさん」

※ 本作では残念ながら、おばちゃんのボケは見られませんでした………( ;∀;)