Marc のぷーたろー日記 -55ページ目

連続ドラマW「完全無罪」('24)

 

大門剛明さんの同名小説を原作とし、21年前に起きた少女誘拐殺人事件の再審請求の行方を描いたミステリードラマシリーズ全5話です。主演は広瀬アリスさん、共演は北村有起哉さん、奥田瑛二さん、風間俊介さん、鶴見辰吾さん、財前直見さん、音尾琢真さん、堀部圭亮さん他。

 

Wikipedia「完全無罪」

 

事件当事者がその事件に弁護士として関わることなんて現実的にあり得るんだろうかとの疑問を抱きながら観ていましたが、最後まで観て納得。

 

確かに現実的にはあり得ない、とまでは言わないまでも、滅多にないことだと思うのですが、その設定がなければ、物語としてあまりに救いがない…。最後に明らかになる真相は、ただただ辛い話ですから。

「BLOWBACK ブロウバック」('22)

 

銀行襲撃計画を成功させたものの、仲間に裏切られて瀕死の重傷を負った男の復讐劇を描いたサスペンスアクションです。主演はカム・ジガンディ、共演はランディ・クートゥア、クリス・マー、ルイス・マンディロア、ライアン・M・ショウ、ラファエル・カブレラ、ミシェル・プライア他。

 

元格闘技チャンピオンのアクション俳優ランディ・クートゥアが極悪非道な悪役を演じることを売りにしているアクション映画ですが、その肝心のランディ・クートゥアはほとんど全く活躍しないし、見せ場も全くない。

 

この映画を作った人たちは完成したものを観て本当に面白いと思ったんでしょうか?

 

とにかく、アクション映画なのに肝心のアクションは大したことないし、クライマックスで盛り上がるはずのアクションシーンがめっちゃしょぼい上に、思いっきりバカバカしい呆気ない終わり方 orz

 

これ、どういうつもりで作ったんでしょ?

 

ところで、ランディ・クートゥアって確かに見た目は厳つくて強面ですが、少しタレ目なせいもあって、極悪非道な悪役はあまり似合わないような気がします。「一見強面だけれど、気は優しくて力持ち」みたいタイプの役の方がはるかに合っていると思います。

「ルージュ」('87)

 

一緒に心中したはずの恋人を捜すため、幽霊となって現世に戻ってきた芸妓の切ない恋心を描いた香港の恋愛ファンタジー映画です。主演はアニタ・ムイ、共演はレスリー・チャン、アレックス・マン、エミリー・チュウ他。

 

Wikipedia「ルージュ (1987年の映画)」

 

とても美しい、東アジアらしい幽霊譚。

 

が、ヒロインのルックスもキャラクターも全く魅力的に見えなかったために、全てに説得力を感じられず、最後の最後まで全く乗れず…。

 

こういう浮世離れしたラブストーリーというのは、本当にこんな些細な「好み」の問題でハマれるか否かが決まるんだなぁと改めて気付かされた気分。

 

映画の出来云々ではないです。

「青いカフタンの仕立て屋」('22)

 

モロッコの伝統衣装の仕立て屋を営む夫婦と、若い職人の男女3人が織り成す愛情を描いたドラマ映画です。出演はルブナ・アザバル、サレ・バクリ、アイユーブ・ミシウィ他。

 

「モロッコ、彼女たちの朝」('19) で、イスラム圏としては比較的世俗的とされるモロッコでも今も根強く残る女性差別の問題を描いた、モロッコの女性監督マリヤム・トゥザニが、本作では「生きづらい立場にいる男性」を女性の立場から描いています。

 

前作では官能的な表現を控えめな映像で見せていましたが、本作ではもう少し踏み込んだ映像で官能を表現しているのが印象的。

 

主人公である妻は夫の全てを知った上で自らプロポーズして結婚し、夫を深く愛する妻であり続けたのだと思いますが、そんな彼女の生き方をどう考えるかで、この映画に対する印象も相当に変わるのではないかと思います。

 

とにかく、主人公を含めたメインの登場人物3人の心情をセリフではなく、役者の演技と演出で丁寧に描いていて、ただただ切ない…。

 

終盤のクライマックスシーンは映画的映像表現の「映え」を意識しすぎた過剰な演出に、ちょっとシラけちゃったのですが、イスラム圏でこういう映画が作られるようになったことに時代の変化を強く感じました。

 

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「トラップ・ゲーム」('18)

 

巨額の負債を返済するために、さまざまな超能力者たちを集めてドリームチームを結成した詐欺師の青年を待ち受ける運命を映画いたロシアの冒険ファンタジー映画です。主演はミロシュ・ビコヴィッチ、共演はアントニオ・バンデラス、ルボフ・アクショノーヴァ、セルゲイ・アスタホフ、ユーリ・チュールシン他。

 

アイデアは悪くない。

 

超能力者たちの脳内イメージを具現化した映像も印象的。日本の漫画やアニメの影響が感じられます。

 

が、物語としての体をなしていないダウン

 

作り手にはいろいろと思い入れやこだわりもあるんでしょうけど、それがストーリーとして全くまとまっていないので、意味不明で支離滅裂。

 

登場人物たちのキャラクター造形も凡庸で古臭いし。

 

とにかく、映像だけはいいので、単なる映像作品と割り切ればいいんでしょう。

「EO イーオー」('22)

 

運命のいたずらで多くの人の手に渡りながら数奇な道を歩むことになったロバのEOと、彼を取り巻く人々が織り成す不思議な人間模様を斬新な音響と映像で描いた、イエジー・スコリモフスキ監督によるドラマ映画です。出演はサンドラ・ドルジマルスカ、ロレンツォ・ズルゾロ、マテウシュ・コシチュキェヴィチ、イザベル・ユペール他。

 

Wikipedia「EO イーオー」

 

元ネタとされる「バルタザールどこへ行く」('66) を観ていたら、感想は相当に変わってくるのではないかと思いますが、そちらを観ていないので本作だけを観ての感想としては、

 

切ない…。

 

この手の動物を主人公にした物語の場合、主人公の心の声をナレーションやモノローグで表現することが多いと思うのですが、そういった「小細工」は一切なし。主人公のロバの心情は観る人が想像するしかないように作られているのは思い切りがいいなと思います。

 

ただ、好みを言えば、完全にロバの目線のみで描いて欲しかったなぁという気も。明らかにロバからは見えないところで行われていることまで見せているのは、映画として成立させるためなのはわかりますが、ちょっと「反則」に思えてシラけちゃうんですよね。

 

また、ご都合主義な展開も気になるし、映像もチカチカしすぎて見辛かったし。

 

それでも観終わった後には、ただただ切ない気持ちでいっぱいになってしまいました。

「ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ」('18-'23)

 

 

 

ニューヨークに実在する米国最古の公立病院を改革したエリック・マンハイマーの回顧録を原案とし、公立病院を大胆な手法で改革する医師たちの姿を描いた医療群像ドラマ全5シーズン全89話です。主演はライアン・エッゴールド、共演はジャネット・モンゴメリー、フリーマ・アジェマン、ジョッコ・シムズ、タイラー・ラビーン、アヌパム・カー、サンドラ・メイ・フランク他。

 

Wikipedia「ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ」

 

はじめのうちは面白かったのだけれど、シーズンが進むにつれて左派的説教くささが鼻についてきてつまらなくなっていき、最後は惰性で観てた感じ。

 

とにかく、主人公のキャラクターが最後まで好きになれなかった…。青臭い正義感を振りかざして周囲を振り回すだけ振り回し、それでも最後まで自分の仕事を全うするならともかく、あっさりと自分の個人的な事情を優先して仕事を放り出すなんてありえないし、社会人としてはクズとしか思えず。

 

シーズン3の最初でベテラン医師役のアヌパム・カーが実生活で妻の看病のために降板してしまったのは大きく、一気にドラマの質が落ちた印象。

 

代わりにシーズン4から登場し、最終シーズンのシーズン5ではレギュラーになった女性医師が主人公以上にうざいキャラなのもダウン

 

なんとか最後まで観られたのは、タイラー・ラビーン扮する精神科医イギー・フロムとアレハンドロ・ヘルナンデス扮するERの敏腕看護師ケイシー・アコスタの2人のキャラクターの魅力に尽きるかな。まぁ、イギーの方はいろいろ拗らせすぎのめんどくさいおじさんではあったけど (^^;;;

「パラサイト 禁断の島」('19)

 

無人島で3泊を1人で過ごす更生プログラムに参加した青年が孤島で見舞われる恐怖体験を描いたサバイバルスリラーです。主演はローガン・ミラー、共演はクリスティン・フロセス、ジョリーン・アンダーソン、ジェリカ・ライ、フォディソ・ディントゥ他。

 

事前にプロが安全性を確認していないような危険な無人島で素人が3夜を過ごす更生プログラムなんていう基本設定自体に無理がある上、主人公をはじめとする登場人物たちが「わざわざ」危険な目に遭うように動くとか、ツッコミどころしかない (^^;;;

 

ま、そういうツッコミを仲間としながら楽しむ映画なんでしょう。

「コンパートメントNo.6」('21)

 

寝台列車の同じ客室に偶然乗り合わせた1組の男女の旅路をオフビートに描いたドラマ映画です。主演はセイディ・ハーラ、ユーリー・ボリソフ、共演はディナーラ・ドルカーロワ、ユリア・アウグ、リディア・コスティナ他。

 

不思議な映画。

 

物語として面白いかと訊かれたら「大して面白くない」としか答えようがないのだけれど、それでも最後まで飽きることなく観られるし、観終わった後の余韻はなんとなく心地よい。初めは魅力的には全く見えなかった主人公の男女を、観終わった後にはちょっと好ましく思えるようになっているし (^^)

 

いわゆる「ボーイ・ミーツ・ガール」的ロマコメの王道なのだけれど、主人公2人の関係は「恋愛関係」とはちょっと違う感じがするし、かと言って互いに恋愛感情が全くないわけではない、本当に微妙な関係。そのあたりの匙加減が絶妙。

 

ただ、ヒロインの完全な一人称の物語なので、ヒロインの心の動きはよくわかるのだけれど、男性の方はちょっと謎。彼もまたいろいろ抱えていそうなんだけれど、そのあたりはほとんど全く語られないし、描かれてもいないので想像するしかなく、おそらく、そこもまた、この映画の重要なポイントなんでしょう。

 

積極的に他人に勧めたくなるような映画ではないですが、観て良かったとは思える映画でした。

「7番房の奇跡」('13)

 

誤解から刑務所に入れられた知的障害者の父親に会いたいと願う6歳の娘に起きた奇跡を描いた韓国のドラマ映画です。主演はリュ・スンリョンさん、カル・ソウォンさん、共演はパク・シネさん、チョン・ジニョンさん、オ・ダルスさん他。

 

輝国山人の韓国映画「7番房の奇跡」

 

ずるいなぁ (^^;;;

 

どう考えても無理がありすぎて現実離れしている話だし、あざとく泣かせようとしているのが見え見えで、シラけちゃう人は多いはず。

 

が、子役のカル・ソウォンちゃんが猛烈に上手いし、もうけ役の刑務所長を演じるチョン・ジニョンさんがいつもながら魅力的なキャラクターを的確に演じていて、もうこれだけで滂沱の涙 (ToT)

 

主演のリュ・スンリョンさん目当てで見たのですが、脇役の充実ぶりに思いっきり泣かされました (^^)v

 

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