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夏休みの郊外の団地を舞台に、不思議な力に目覚めた子どもたちの間で展開されるサイキックバトルを描いたサスペンススリラーです。主演はラーケル・レノーラ・フレットゥム、共演はアルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ、サム・アシュラフ、ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム、エレン・ドリト・ピーターセン他。
ハリウッド映画的派手な演出や派手なCGを一切使わずに「もし子供たちが不思議な力を持ってしまったら」という設定をシリアス且つリアルに描いていて、不気味さ満点。
最後はちょっとご都合主義だなぁとは思いましたが、しっかり楽しませてもらいました (^^)v
ただ、移民の子で貧しく、家庭にも恵まれていない少年をこういう設定で使うのには抵抗感があるし、しかもそこに救いが全くないのはダメでしょ。
第1次世界大戦後、ロシアでの長い捕虜生活を経て荒廃した故郷のウィーンに戻った元刑事が、猟奇連続殺人事件に直面する姿を描いたサスペンス映画です。主演はムラタン・ムスル、共演はリヴ・リサ・フリース、マックス・フォン・デル・グローベン、マルク・リンパッハ、スタイプ・エルツェッグ、マティアス・シュヴァイクホファー他。
第1次世界大戦後の荒廃したウィーン。
捕虜収容所で起きた悲劇に起因する猟奇連続殺人。
設定はどれも比較的好み。
が、あまりに脚本がしょぼくてミステリとしての面白みは皆無![]()
ただ、全編ブルーバックによる撮影で描いた独特の映像は「興味深い」。
いかにもCGという背景は最初のうちはチープな書割っぽく見えてしまったのですが、荒廃したウィーンを「異世界」のように表現する手法としては「なるほど」と思えます。
特に、傾いた画面やダリの絵画のように歪んだ建物などは、不安定で不気味な世界観をわかりやすく表現しているように感じました。
山田太一さんの1987年の小説「異人たちとの夏」をイギリスを舞台に翻案して映像化したファンタジードラマ映画です。主演はアンドリュー・スコット、共演はポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイ他。
原作は未読ですが、同じ原作を大林宣彦監督が映画化した「異人たちとの夏」('88) は大昔に観たことがあり、終盤のいきなりのホラー描写に唖然としつつも、日本の伝統的な幽霊譚らしいまとめ方のファンタジー映画として心に残る作品ではありました。
ただ、当時は全く気にならなかったのですが、改めて考えてみると、今の時代には物足りないと感じる部分も。
1つ目は、主人公の両親が「主人公にとって都合が良すぎるほど完璧に理想的な両親」として描かれている点。もちろんそれ自体は悪いことではないのですが、現実には亡くなった両親を無邪気に理想化して追憶できる人ばかりではないはず。例えば、親との関係自体は険悪でないものの、親の期待通りの子供でなかったことに罪悪感にも似たわだかまりを抱いている人は少なからずいるはず。完璧に理想化できるのは、そんなわだかまりとは無縁、または気にならないほど充分に幸せな子供時代を過ごせていた人だけなんじゃないでしょうか。
2つ目は、1980年代末のバブル時代の日本ではさほど社会問題になっていたわけではないので仕方ないのかもしれませんが、都会における「孤独死」の描き方があまりにも雑と感じられる点。日本に限らず、イギリスでも社会問題になっている現代ではもっと丁寧に描く必要はあるでしょう。
そんな「異人たちとの夏」に感じた物足りなさを、この映画ではしっかり補っており、原作の発表から30年以上が過ぎた今の時代の翻案としては実に見事。
また、現実と幻が混濁し、ゴーストストーリーとも、単なる主人公の妄想とも、さらに言えば、主人公が執筆している物語とも解釈可能な、意図的に曖昧にしたストーリーを美しく幻想的な映像で描いているのも![]()
ただ、結末の解釈は大きく分かれそう。
永遠に続く絶望的な孤独を描いたバッドエンドだと解釈する人もいれば、猛烈に切なく悲しいけれど救いのあるハッピーエンドだと解釈する人もいるはず。このあたりは観る人の死生観や人生観によって違ってくるのでしょう。そんなところも、この映画の素晴らしい点だと思います。
一種の「セラピー映画」ではありますが、かなり「荒療治」な内容なので、感情移入しやすい人はちょっと気をつけた方が良いかもしれません (^^;;;
「エクソシスム(悪魔祓い)」を題材にしたオカルト映画「エクソシスト」('73) の正当な続編として、同作の50年後を舞台に、悪魔に憑依された2人の少女が引き起こす恐怖を描いたサスペンスホラーです。主演はレスリー・オドム・Jr、リディア・ジュエット、共演はオリヴィア・オニール、ジェニファー・ネトルズ、ノーバート・レオ・バッツ、アン・ダウド、エレン・バースティン他。
アイデアはいいと思う。
前作が一貫して「キリスト教の悪魔祓い」をシリアスに描いていたのに対し、本作では「邪悪な何かが取り憑くという概念は様々な宗教や文化に存在する」との前提で、キリスト教一色ではなく、むしろキリスト教の無力さの方を印象付けて描いているのは今風の味付け。
が、単純に面白くない…。
前作以降、同様の悪魔祓いを題材にしたホラー映画が数え切れないほど作られている中で、いくら「元祖」の正当な続編と言われても、これ単独で観れば、基本的には凡庸なホラー映画でしかないのです。結末も、意図はわかるのですが、物語としての面白みには欠けますし。
出来が悪いとまでは思わないのですが、ちょっと期待していただけに残念。
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1990年代のニューヨークを舞台に、余命わずかの刑事が殉職して家族に年金などを遺そうと相棒と画策した計画の顛末を描いた異色の犯罪アクション映画です。主演はドミニク・パーセル、ニック・スタール、共演はメル・ギブソン、ケイト・ボスワース、ラッセル・リチャードソン他。
惜しいなぁ…。
犯罪捜査を中心にした刑事映画ではなく、「刑事という特殊な職業の人間」を描いた物語として題材は悪くないし、キャストも概ね合っている。
が、とにかく映像がチープすぎる…。
照明を工夫するなどして頑張っているのはわかるのですが、セットの安っぽさは隠せていないし、とにかく演出が凡庸すぎ![]()
脚本をもうちょっと練って、演出を工夫すれば、そこそこの佳作にはなったかもしれないだけにもったいない。
出演者を17歳以下に限定して大人を演じさせ、禁酒法時代のニューヨークのギャング社会を描いたミュージカルコメディです。出演はスコット・バイオ、フローリー・ダガー、ジョディ・フォスター、ジョン・カッシーシ、マーティン・レフ他。
子供たちの「大人の演技」、特に女の子たちの演技が見事で、ギャング映画のパロディとしてはなかなかの出来![]()
好みで言えば、コミカルなシーンがサイレント映画のドタバタコメディ調なのは、悪くはないんだけれど、ベタすぎるとか、結末で「大人を演じていた子役たちが子供に戻る」のも意図はわかるんだけれど見せ方として雑。そこはもうちょっと工夫して欲しかったなぁ。
それにしても、ボスの情婦を演じたジョディ・フォスターの大人っぽさは、見事を通り越して、ちょっと怖いくらいでした (^^;;;
移動遊園地のオーナーの男性が、謎めいた若い女性と運命の恋に落ちていくさまを描いた恋愛映画です。主演はフィリップ・トレトン、シャルロット・ゲンズブール、共演はアラン・バシュング、フィリップ・デュ・ジャネラン、アーメッド・ゲダイヤ他。
冒頭に結末と思われるシーンを持ってきて、同じパトリス・ルコント監督の「仕立て屋の恋」('89) 同様の「愛する女への献身に身を滅ぼす男」の物語であるかのように観客に思わせながら「実は…」という構成自体は悪くないアイデアではあるのですが、その「実は…」があまりにしょぼくて![]()
思わせぶりに引っ張るだけ引っ張っておきながら、こんなしょぼい終わり方で、ガッカリ以前にビックリしてしまい、一瞬「何か重要なところを見落とした?!」と思っちゃいました。
作り手としては、高い評価を受けた「仕立て屋の恋」へのアンチテーゼの意図があったのかもしれませんが、それにしてももうちょっと何とかならなかったのでしょうか? 本当にガッカリ。
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大スターの人気女優と結婚した平凡な男の気苦労を描いたコメディ映画です。主演はシャルロット・ゲンズブール、イヴァン・アタル、共演はテレンス・スタンプ、ノエミ・ルヴォフスキー、リュディヴィーヌ・サニエ、ローラン・バトー他。
シャルロット・ゲンズブールとイヴァン・アタルは実生活でも事実婚の夫婦で、イヴァン・アタルは監督と脚本も務めています。
そんなわけで、イヴァン・アタル本人の自虐ネタとしてはそれなりに笑えますし、気楽に観られるので、コメディとしては悪くないです。
ただ、ユダヤ人であるイヴァン・アタルが、ユダヤ人であることに対して微妙な感情を抱いているからなのは理解できるのですが、それにしても「割礼」ネタはあまりにクドすぎてちょっとしらけちゃったかな (^^;;;
ところで、映画の序盤に登場した若い警官、どこかで見たことがある顔だなぁと思って調べてみたら、予想通り、ジル・ルルーシュだった (^^)
確かに若い頃はハンサムだけれど、ただそれだけで、やはり、その後の年を重ねてからの方が個性や魅力があるな (^^)v
フランスの映画スターであるシャルロット・ゲンズブールの初監督作品で、実母である往年の大スター、ジェーン・バーキンに密着し、母娘で率直に語り合うさまを収めたドキュメンタリー映画です。
映画の中では全く何も説明がないので、あらかじめジェーン・バーキンとシャルロット・ゲンズブールの家族関係を把握しておかないと全くわからない内容。
ジェーン・バーキンにはそれぞれ父親の異なる3人の娘がいて、シャルロットは次女であること、その父親は大スターだった故セルジュ・ゲンズブールであること、シャルロットが子供の頃にジェーンが家を出て行ったこと、また異父姉の写真家ケイト・バリー(父親は作曲家の故ジョン・バリー)が2013年に事故とも自殺とも取れる悲劇的な死を遂げていること、異父妹は女優で歌手のルー・ドワイヨン(父親は映画監督のジャック・ドワイヨン)であること、シャルロットには映画監督で俳優のイヴァン・アタルとの間にベン(1997年生)、アリス(2002年生)、ジョー(2011年生)の3人の子がいること。最低でもこれくらいの知識がないと母娘の会話についていけないと思います。ちなみに、この映画にはシャルロットの末娘ジョーが出演しています。
これらを知った上で観ると、母娘の間の、険悪ではないものの、距離のある微妙な関係が理解できるし、奔放に生きたジェーン・バーキンが母親としての後悔の念を吐露するなど、さまざまな対話を通じて2人の距離が少しだけ縮まったように見えるのも、陳腐ではありますが、説得力はあります。
また、ジェーン・バーキンもシャルロット・ゲンズブールもセレブ中のセレブではあるけれども、その生活が質素で素朴なのも、彼女たちのイメージ通りで![]()
ただ、純粋に「映画」として観ると、物足りなさは否めず。
それでも、シャルロット・ゲンズブールが母親とは違い、若くして結婚(事実婚らしい)したイヴァン・アタルとの関係を長く続けているのには何かこだわりがあるんだろうなと思わせるものはありました。
あるプロアメフトチームが、プレーオフ進出の直前に選手たちがストを起こしたために代理選手たちで難局を乗り切ろうとするさまを描いたスポーツコメディです。主演はキアヌ・リーヴス、共演はジーン・ハックマン、ブルック・ラングトン、オーランド・ジョーンズ、ジョン・ファヴロー、ジャック・ウォーデン、ジョン・マッデン他。
スポーツ映画というものの定石通りのストーリーで全てが予想通りにしか展開しない陳腐な内容。
が、そもそもスポーツ映画を好んで観る人たちが期待するのはこういう話なので、そこに変な小細工は不要なんでしょう。その点では充分に「合格」な映画なのだと思います。
何と言っても、ジーン・ハックマンの存在感と説得力は見事ですし。
ただ、今の時代に観ると、どうしても古臭さは否めず。
さすがにこの映画が公開された2000年ともなれば、黒人差別を笑いのネタにすることはなくなっていますが、アジア人差別を笑いのネタにするのは問題なかったらしい…。
当時なら「仕方ないか…」と諦めるしかなかったんでしょうが、今の時代ではありえないし、許せないレベルの酷い差別描写![]()
アジア人差別も黒人差別と同じように許されないものであることがハリウッド映画で当たり前になったのは本当に最近になってからなんだということに改めて気付かされました。
ところで、聴覚障害のある若手選手を演じた俳優が、どこかで見たことがあるような気がするものの、どうしても誰かわからず、観終わった後で調べてみたらデヴィッド・デンマンだった!!
確かに面影はあるけれど、若い頃はこんなに爽やかなイケメンだったんだとちょっとビックリ (@o@)
もちろん、今は今でいい歳の重ね方をして「イケオジ」にはなってますけどね (^^)