帰れない山
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イタリアの作家パオロ・コニェッティの同名ベストセラー小説を原作とし、2人の対照的な青年の友情と成長を雄大な山岳風景とともに描いたドラマ映画です。主演はルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ、共演はフィリッポ・ティーミ、エレナ・リエッティ他。
切ない話だったなぁ…。
観る前は対照的な2人の青年の友情を2人の視点から描いているのかと思いきや、主人公は街育ちの青年ピエトロであり、基本的に彼の一人称の物語だったのはちょっと意外でした。
また、2人の関係も単なる親友というよりも、血はつながらないものの「同じ父親を持つ兄弟」のような関係で、同い年とは言え、心身ともに逞しい村育ちのブルーノの方が実質的に兄であり、ピエトロはそんな「兄」に憧れているようなイメージ。とにかく、ピエトロの父が、出番は少ないにもかかわらず、最後まで影のようにピエトロとブルーノの間に存在しているように感じられました。
そんな「兄弟」の関係が終盤で逆転、とまでは言わないまでも、大きく変わっていくのは、時代の流れもあるにしても、とても切ない…。
先祖代々受け継いできた昔ながらの酪農を続けたいだけのブルーノの素朴な思いが今の時代では受け入れられなくなっているのは仕方のないことではありますし、ピエトロが側にいればどうにかなる話でもないんですけどね…。
終盤の展開はただただ切なく、予想通りの結末で、物語自体に驚きや新鮮味は特にないのですが、美しく雄大な自然の中で描かれる切ない物語に、観終わった後にじわっと胸に迫ってくる映画でした。
スコットランド警察に新設された「海上殺人捜査班(MHU)」が、海・川・湖などの水に関連する事件に挑む姿を描いたイギリスの刑事ドラマシリーズの第1、第2シリーズ全12話です。主演はニコラ・ウォーカー、共演はジェイミー・シーヴェス、ウクウェリ・ローチ、ケイティ・ルング、シルヴィー・フルノー、ケイト・ディッキー、ヴァラダ・セス他。
1話完結で気楽に観られるし、主人公の「ダジャレ好きおばさん」キャラのおかげで重すぎず、軽妙なタッチになっているのも![]()
ちょっと新鮮なのは、主人公が1人の時はカメラ目線で心情などをモノローグのように吐露するという変わった演出。こういう演出自体は過去の作品でも稀に見られたものの、明らかに「変」。ところが、主人公の若干落ち着きのないキャラクターのおかげでギリギリ破綻せず、独自の世界観を構築しています。
明らかに第3シーズンがある終わり方だったので今から続きが楽しみです♪
ただ、捜査チーム唯一の若手男性としてアクションを担当していた刑事が昇進で転出してしまったのだけはちょっと残念。演じるウクウェリ・ローチは「WOLF -殺人鬼の狂宴-」('23) に主演するなど、役柄同様に本人も役者として「出世」しちゃったので仕方ないとは思いますけどね。
代わりに加入したインド系(?)の女性刑事がワイルドで逞しいタイプでアクションもこなしているので、期待はしていますけど、捜査チームが上司を含めて女性ばかりで男性はベテランのおじさん刑事1人のみというのもまた新鮮ではあります。
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詐欺や金庫破りなどの犯罪のプロの女性が最後の大仕事に挑む姿を描いた犯罪コメディです。主演はオム・ジョンファさん、共演はパン・ミナさん、ソン・セビョクさん、パク・ホサンさん他。
う〜ん…。
この手の映画って、緻密で痛快な犯罪計画が肝だと思うのだけれど、あえてそうせず、杜撰な犯罪計画と韓国映画的御涙頂戴で強引に乗り切っちゃうってのはどうなんですかね…。
それにしても、オム・ジョンファさんの「不自然なルックス」は歳を重ねて一段と「不自然」になり、それが気になって仕方ありませんでした (^^;;;
学生時代のラグビー部のマネジャーが経営するデイハウスが存続の危機に直面し、元キャプテンや仲間たちがゲートボール大会で奮闘する姿を描いたスポーツコメディです。主演は藤竜也さん、共演は石倉三郎さん、大門正明さん、森次晃嗣さん、小倉一郎さん、田中美里さん、本田望結さん、山口果林さん他。
全てが予想通りにしか展開しないし、あまりにも都合良く簡単に上手く行きすぎる上に、現実の厳しさや残酷さを一切直視しない綺麗事の世界に「ちょっとなぁ」とは思います。
それでも、漫画的なキャラクター造形や演技が示すように、これは「ファンタジー」なのです。
それを受け入れられない人は観てはいけない映画なのでしょう。
ジェームス三木さんの小説「危険なパーティー」を原作とし、落ち目の映画監督が訳あってスター女優である妻の代役として若い新人女優を雇ったことから起きるエイプリルフールの騒動を描いた、大林宣彦監督によるコメディ映画です。主演は高橋幸宏さん、共演は今日かの子さん、赤座美代子さん、丹波哲郎さん、入江若葉さん、三宅裕司さん、泉谷しげるさん他。
YMOの高橋幸宏さんがいくつかの映画に「ゲスト出演」していたのは覚えていますが、唯一ではあるものの主演映画があることは知りませんでした (^^;;;
で、これがかなりヘンテコな映画 (^^)
支離滅裂だし、ノリが完全にマンガなので実写だとかなりの違和感。
が、その変なところが何だか面白い (^^)
現実味の全くない世界に、高橋幸宏さんの浮世離れした雰囲気が合っているおかげで、違和感を含めて何となく納得しちゃう (^O^)
いい意味でも悪い意味でも1980年代らしい映画でした (^^)v
米モンタナ州のベアトゥース山脈を舞台に、大金が入ったトランクを巡る武装組織とFSB(ロシア連邦保安庁)の争いに巻き込まれてしまった、シカ狩り中の男女を描いたアクション映画です。主演はリブ・ヒリス、レイチェル・クック、共演はボビー・マキシマス、マーラ・オハラ、マーク・マーフィ、アリ・ノヴァク他。
いくらB級映画とは言え、あまりに捻りのない退屈なストーリーに、これはきっと最後にどんでん返しがあるんだろうと思ったら、予想を悪い方向に裏切るどんでん返し![]()
これはいくらなんでも娯楽映画としてはナシ。
娯楽映画ならもうちょっと面白い方向に捻らなきゃ。
撮影、演出、編集、どれをとっても素人感丸出しでしたが、それ以上に、このあまりにダメすぎるエンディングに視聴に費やした時間を返せと言いたくなる人はきっと多いはず。
性的に奔放なバイセクシャルの女性監察医が、自分が肉体関係を結んだ男女が次々と惨殺される事件の真相に迫る姿を描いたロシア製のエロティックサスペンスです。主演はルケリヤ・イリヤシェンコ、共演はアナスタシア・クフシノヴァ、オレグ・ヴァシリコフ他。
もったいないなぁ…。
題材やオチは陳腐だけれど好みだし、意図的に合成とわかる映像をはじめ、現実と妄想が混濁している世界を表現している映像も印象的だし。
が、細かいところがあまりに雑。雑過ぎて突っ込む気力もなくすレベル orz
もうちょっと丁寧に描いてくれたらなぁ…。残念。
それにしても、バイセクシャルの主人公を単に性的に奔放な人物として描くだけでなく、邪悪な存在として描くあたり、さすが性的少数者への差別を堂々と大っぴらに行なっているロシアらしい映画。とても21世紀と思えないセンスの悪さ。
地球を守る機械生命体軍団の活躍を描いたSFアクションシリーズの第4作です。主演はマーク・ウォールバーグ、共演はニコラ・ペルツ、スタンリー・トゥッチ、ジャック・レイナー、リー・ビンビン他。渡辺謙さんがトランスフォーマーの1体の声を担当しています。
「トランスフォーマー」シリーズは1作も観たことがなく、興味も全くなかったのですが、たまたま機会があったので、前作から5年後を舞台に、キャストが一新された作品ということで観てみました。
確かに前作までを一切知らなくても充分に楽しめる内容 (^O^)
メカのデザインは好みではないし、いろいろ突っ込みたくなるところはあったけれど、これを小学生ぐらいの時に観ていたら、相当にハマっただろうなぁと思えるほどには面白かったです (^^)v
無法地帯となっている西部の小さな町を舞台に、流れ者の凄腕ガンマンが保安官となって町を治める姿を描いたコメディ西部劇です。主演はジェームズ・ガーナー、共演はジョーン・ハケット、ウォルター・ブレナン、ブルース・ダーン、ジャック・イーラム他。
西部劇の定番のネタを使ったパロディ映画。
一瞬たりともシリアスなシーンがなく、徹底してバカバカしいのが潔くていいし、何と言っても、ジェームズ・ガーナーの一貫してすっとぼけたキャラクターの魅力だけで充分に楽しめました (^^)v
元CIAエージェントの活躍を描き、1980年代に全米で人気を博したTVドラマ「ザ・シークレット・ハンター」の映画版「イコライザー」('14) から始まるシリーズ第3弾です。主演はデンゼル・ワシントン、共演はダコタ・ファニング、デヴィッド・デンマン、エウジェニオ・マストランドレア他。
このままイタリアの美しい田舎町でのんびり余生を過ごしそうな終わり方で、シリーズとしては一旦終了、次に作るとしたら前日譚になるとのことですが、これは普通に続編がありそうだし、出来ればそうして欲しい (^O^)
マッコールおじさんが世界中のあちこちに現れて、地元の悪党たちを倒していく、水戸黄門の世直し旅のバイオレンス版みたいな感じで続けてもいいんじゃないかなぁと思ったり (^^)
とは言っても、デンゼル・ワシントンも今年で70歳だし、流石に無理かな (^^;;;
とにかく、そんな期待を抱いちゃうくらい楽しめたということです (^^)v
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