急転落。

 

それは突然やってきました。

 

それでは続きをお読みください。

 

 

 

【満たされLIFEを手にするまでの物語|目次】■プロローグ:右矢印満たされLIFE最初の伏線■第1章:右矢印黄金の働きウーマン期■第2章:右矢印人生のどん底期■第3章:右矢印依存からの脱却■第4章:右矢印神様が与えた修行期間■第5章:右矢印幸せの鉄則に気づく■エピローグ:右矢印自分の価値を社会に活かす

 

 

 

第2章:人生のどん底期

 

 

 

私が企画の仕事に充実感を感じていた、

とても重要なポイントがありました。

 

それが、文化を扱っているということでした。

 

学生時代は日本史学を専攻しており、

文化財の研究を行い、解説のアルバイトもしていました。

 

就職したホテルチェーンの「京都の事業所」でも、

その知識に期待が寄せられていました。

 

 

入社の年にスタートした京都検定では、

ベテランのチーフコンシェルジュを差し置いて

社内でただ一人初年度最上級の2級に合格しました。

 

 

※それまで暇な学生期間で好きなことに

どっぷり浸っていたのだから当然ですね

チーフコンシェルジュはお仕事しながらで

検定対策に時間は割けなかったと思います…

と今ならわかりますが当時は鼻高々でした

 

 

 

そのため伝統芸能関連のイベントは私が担当。

総支配人が力を入れていた文化事業も

私の担当になりました。

 

 

ただ、文化事業というものは

往々にして収益化が難しいものです。

 

 

認められ、応援され、ファンを得て、

黒字転換できるまでには

とても時間がかかる事業だと思います。

 

 

社内でも関心を寄せている社員はほとんどおらず、

営業担当が動いてくれることもなく、

 

 

「赤字でもやるんだよ!」

 

 

という総支配人の言葉通りの結果になっていました。

 

 

 

■突然いなくなってしまった強力な後ろ盾


 

 

 

しかしそんな事業を本社が認め続けるはずもなく、

総支配人は異動となり、文化事業は軒並み削減。

 

私の最大の理解者であり庇護者が、

突然いなくなってしまったのです。

 

 

新しく赴任した総支配人は私にこう言いました。

 

 

「俺は文化なんてややしいこと言わないからさ。」

 

 

新総支配人はきっと私のことを

旧総支配人に振り回されていた可哀そうな社員

という風に認識していたのでしょうね。

 

善かれと思って発した言葉だったのだと

今なら理解できます。

 

 

でも、、、

 

私は全く反対のメッセージとして

受け取ってしまいました。

 

 

当時の私はこう思っていたのです。

 

 

これまでの人生の中で、

 

これほどまでにプライドを傷つけられた言葉はない、と。

 

 

 

日本人にこそ日本の文化を伝えたいとの思いで、

仕事に取り組んでいた私の心は、

ずたずたに引き裂かれました。

 

 

 

ほどなくして私は宿泊予約へと異動になりました。

 

 

 

■さらなる悲運がやってきた


 

 

 

それでも私はまだ希望を捨ててはいませんでした。

 

というのも、

一人二役三役こなさなければならないご時世、

 

私は予約業務と合わせて

宿泊に特化した企画業務も兼務するという

辞令だったのです。

 

宿泊予約の最若年スタッフでありながら、

予約業務より企画業務を優先できる状況にありました。

 

 

しかし二束のわらじを履いた私は、

じわじわとその業務内容を転換せざるを得なくなったのです。

 

 

そして決定的となったのが、

宿泊予約の先輩からの一言でした。

 

「あなたには宿泊予約の主要業務を任せようと思っている」

 

仕事を任されることはとても嬉しいことのはずなのに

私は全ての希望を失ってしまったのです。

 

 

スキルアップできるチャンス

とはとても思えず、

 

聞いていた話と違う・・・

私が今までやってきたことって何だったんだろう?

これまで生きてきた価値はどこにあるんだろう?

 

 

と絶望感を抱いてしまったのです。

 

そして私は早々に転職を決めました。

 

 

 

■天職を断念することになった結婚・出産


 

 

 

新たな仕事はツアーディレクター。

大手旅行会社の子会社に就職しました。

 

研修を終えて一人でツアーに出るようになって、

 

これこそ私の天職だ!

 

と感じました。

 

 

朝は早く、ツアー中は走り回ったり大声を出す時もあり、

一人のお客様も迷子にならないように、

不快にならないようにと気を遣い続け、

帰宅時間も深夜近くになる時もあるハードな仕事でしたが、

楽しさが勝っていました。

 

また添乗員の采配によって

ツアー自体の満足度も左右するため

やりがいも感じ、充実感を得ていました。

 

 

 

ところが、

そんな充実した日々もわずか2か月で終わりを迎えました。

 

夫となるパートナーの東京転勤が決まったのです。

 

「お前、いつ東京来る?」

 

電話越しに言われたこの言葉が、

実質的なプロポーズとなりました。

 

 

迷いましたが、お互いに結婚を意識していたこともあり、

東京に行って落ち着いてからツアーに復帰することを考え、

一時的なお休みのつもりで添乗員の職を辞しました。

 

 

この時の選択が運命の分かれ道でした。

入籍後ほどなくして、第一子を授かったのです。

 

添乗員は家にいないことが仕事です。

土日・祝日、夜間勤務。

子どもの預け先が充実してきているとはいえ、

とても続けることが難しいと感じました。

 

 

後ろ髪をひかれながら

天職だと感じた仕事を手放すことを決断しました。

 

 

正直な思いはここでも、

 

悔しい

 

でした。

 

 

子育てと仕事の両立に理解が進んでいるとはいえ、

まだまだ保育環境はカレンダー通りの営業がほとんど。

 

夜間勤務や土日勤務には対応できていないのです。

 

ホスピタリティ産業で活躍している女性が一定数いて、

社会的にも観光産業を盛り上げていこうという

気運であるにも関わらず。

 

振り返って考えてみれば、

ホテルで役職についていた女性は多かったですが、

その中に子育て中の女性はほとんどいませんでした。

 

ツアーディレクターの中でも皆無。

結婚前の女性か、

子育てを一段落させた年配の女性かに偏っていました。

 

 

結婚して子どももいる男性のホテルスタッフや添乗員が

たくさんいるにも関わらず、です。

 

 

ステレオタイプな保育環境や病児保育施設の少なさに、

「仕事ができればなんでもいいだろう」

という無言の圧力を感じました。

 

 

そうじゃない。そうじゃないんです!

 

 

大切なことは

 

☑自分が望む仕事を

☑自分らしく輝ける仕事を

 

ママであっても続けることができること。

 

☑何歳からでも無理なく

 

再就職やキャリアデザインができること。

 

 

これが本当の男女同権なのではないのかと、

天職を断念するしかなかった悔しさは

憤りへと変わっていきました。

 

 

■夫の退職。そして無収入へ・・・


 

 

 

そんな想いを抱えながらも、

文化も言葉も違う慣れない土地、

頼れる親も友人も近くにいない環境で、

夫婦二人で(実際は私一人で)育児をスタートさせました。

 

 

再就職の可能性を模索しながら。

 

 

大学に再入学し、

ライフデザインや人口減少社会の問題点など

学びを深めていきながら。

 

 

しかしまたもや人生の分岐点がやってきました。

それが東日本大震災です。

 

営業に出ていた夫は、土地勘のない東京の街を、

青看板(案内標識)だけを頼りに

3時間かけて徒歩で帰社したそうです。

 

 

でもそんな夫が一番心配したのは、

まだ生まれたての赤ちゃんの健康でした。

 

慣れない土地に慣れない子育て、

余震も頻発し、さらには原発事故の情報が難解で、

状況がわからず食品や水質の不安がありました。

 

 

そんな折、

会社では経営状況の悪化にともない

早期退職者の募集が始まりました。

 

 

夫は悩んだ末に退職を決断し、

住み慣れた京都へと

帰ることにしたのです。

 

 

こうして私たち夫婦は、

乳児一人を抱えながら無収入の生活をスタートすることとなったのでした。

 

 

 

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さて、不安しかない新生活。

 

この先どうなっていったのかは

第3章へお進みくださいw

 

 

満たされLIFEを手にする鍵⑤
私はなぜ企画業務に執着したのか

満たされLIFEを手にする鍵⑥
私はなぜ添乗員を天職だと感じたのか

満たされLIFEを手にする鍵⑦
なぜ私は学び続けたのか

 

 

 

 

 

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