意思決定には、見えないものに立ち向かう勇気が必要 ドラッカー氏 | 生命(いのち)を輝かせる言葉の森

意思決定には、見えないものに立ち向かう勇気が必要 ドラッカー氏

『もしドラ』のおかげで、ドラッカー氏の本もベストセラーとなっています。

リーダーとしての心得や、マネジメントにあたっての考え方をコンパクトに読めるのもいいところです。

さて、そのドラッカーからの引用です。

(引用ここから)

【意思決定のポイント】

意思決定には、判断力と同じくらい勇気が必要である。

薬が苦くなければならないという必然的な理由はない。
しかし、一般的に良薬は苦い。

同じく意思決定が苦くなければならないという必然的な理由はない。
しかし、一般に成果をあげる意思決定は苦い。
↓        ↓       ↓
もう一度調べよう」という誘惑に負けてはならない。
これに対しては、「もう一度調べれば、何か新しいことが出てくると信ずべき理由はあるか」と自問しなければならない。
そして、もし答が「ノー」であるなら、自らの決断力のなさの為に、有能な人たちの時間を無駄にすべきではない。

(引用ここまで)

ビジネス(ひいては人生)で成功する条件がすべてわかれば、意思決定は不要です。
なぜなら、その条件に従って、やるべきことは何かがわかり、判断した通りに実行すればよいからです。

実際には、世の中のすべての情報が手に入るということは、IT技術がここまで発達した現在でもありません。
ビジネス(商売)の成功のために必要な情報でも手に入れられないことは沢山でてきます。

そのときに、情報不足を理由に新しいアイデア(商品・サービス)の実行を見送っているばかりでは、いつまでも成功を手に入れられません。
もしかすると、ライバルがそのアイデアで大成功を収めるかもしれません。

ドラッカー氏が言っているのは、予知できない未来に向かって、意思決定をするというのは、そういう不安も含めて引き受けるというということです。
不安というものは、時に人を判断停止に追い込み、結果として行動不能にさせてしまいます。
おまけで組織であれば、それを部下に調べさせるという余分なことまで引き起こすことも多いのです。

実際に行動してみると現実として起きる問題にだけ対応していくことだけでよいことに気づくのです。
これは、成功している人が目の前のことに真剣に対応することの繰り返しだとおっしゃることに通じます。

ドラッカー氏の言葉は、意思決定はそういうものだということを伝えることで、読者に勇気を与えること、読者が行動を起こすことを助けることに成功していると思います。

何かを成し遂げる上で、人の前向きな姿勢と行動が必要であることを納得させるという学者という職業の方がなさねばならないことに成功されていることもドラッカー氏の特筆すべき貢献だと思います。