山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験が
ほぼない中で女医の結衣と婚約中。しかし…
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが
婚約者の結衣さんがモラハラ気質、浮気・不倫確定。
もう黙っていられない。
菊地結衣…翔くんの婚約者。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。相当な曲者。
最近2台目の携帯電話が見つかり、問い詰めたが
開き直っている。
辻さん…結衣の医学部時代からの同期。外科医。
日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で
実は既婚者。そして結衣と不倫していた。
奥さんは結衣と友人でもある。
加藤さん…辻さんの医学部時代の同期。
菊地結衣とも面識がある。
山田家は全員勢揃いで、
菊地家は先に、
父親と兄が座っている状態のところに
ついに、結衣と母親がやってきた。
翔くんの母
「私たちもつい先ほど
こちらに来たばかりです。」
そう言う翔くんの母親を
少し睨みつけるようにも見える
その表情で
結衣達は、ろくな挨拶もせず
その場に座った。
結衣
「翔くん、あなたもここに来るなら
どうして私に、
連絡くらいくれなかったの?」
翔くん
「二人だと、話にならないって
わかったからだよ。」
結衣
「話にならないって、翔くんの方が
私の話を全然
聞いてくれなかったじゃない。」
翔くん
「‥ほら、、もう最初から
僕たちの認識はズレてるんだ、、
だから今日はも洗いざらい
皆さんに、
客観的に聞いてもらおうよ。」
結衣の母
「洗いざらいって、
夫婦の話は、二人でなさいな。」
だからそれが出来ないから
集まってるって、
今翔くんが言ったばかりなんだけど!
どうしてこの親子はこうも
同じことを言わせるんだろう。
書いていて私も時々、
わけがわからなくなる程に。
そこへお店の方が、
注文を聞きにやってきた。
食事などする気分ではないと
全員思っていたと思うが
ここはカフェではない。
結衣の父親の仕切りで
一旦飲み物や食事を注文した。
女将らしき人が
ひとしきり注文を聞くと
スッと部屋から出て行ったタイミングで
最初に口を開いたのは
結衣の母親だった。
結衣の母
「そもそもどうしてここに
翔さんのご両親まで
集まってるんですか。
いつからこんなことに?
だってあなた、私と結衣に
ここに集まるように言ったのは
昨日の夜だったでしょ?」
結衣の母親は、
今度は夫のことを責めるような口調だ。
翔くん
「それは、
昨日僕の方からお父様に
結婚式のことで少しご相談がありますと
ご連絡をさせていただいたんです。
詳しい事は、
お会いしてから話したいと。
だからお父様のご配慮で
それなら全員で話そうと
おっしゃって下さったんです。」
結衣の母
「それならそうと、
どちらかが私たちにも今日のことを
おっしゃってくださったら
よろしかったじゃありませんか!」
翔くん
「‥それは、僕が、
結衣さん達には何も
言わないでくださいと頼みました。
そうしないとお二人から
お二人の主観で
お話が伝わってしまうと思いました。
お父様にはなんの前情報もなく
ここに来ていただきたかったんです。。」
この展開はたった今、
結衣達が来る前に
話し合っていた通りの流れだ。
結衣
「なんかそれって、
…ちょっとズルいと思うんだけど。」
はい?
翔くん
「どうして?
お父様達に事前に話しておかないと
何か都合の悪いことでもあるの?」
結衣
「‥…」
結衣よ。
翔くんはもう、あなたが今まで
洗脳し続けてきた
あの翔くんではないよ。
本来の、心優しき、強き男だよ。
さぁ、やっとここまできた。
とにかく結衣と母親は
今日この場所から
逃げだす事は出来ない。
翔くんはテーブルの下で
拳をギュッと、握り締めていた。
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Pick Item
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」