赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験が
ほぼない中で女医の結衣と婚約中。しかし…
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが
婚約者の結衣さんがモラハラ気質、浮気・不倫確定。
もう黙っていられない。
菊地結衣…翔くんの婚約者。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。相当な曲者。
最近2台目の携帯電話が見つかり、問い詰めたが
開き直っている。
辻さん…結衣の医学部時代からの同期。外科医。
日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で
実は既婚者。そして結衣と不倫していた。
奥さんは結衣と友人でもある。
加藤さん…辻さんの医学部時代の同期。
菊地結衣とも面識がある。
翔くんのお母さんは今日、
翔くんと日奈子が
仕事に行っている間に
結衣の父親に電話すると言った。
翔くんの母
「電話に出てくれるかどうかは
わからないけど、
ひとまず着信は残しておくから。」
日奈子
「でもさ、それでもしも
あの母親が出たら…」
翔くんの母
「まぁそれはそれで、
仕方ないって受け止めるけど
今のままでは辻さんの奥さん側に
色々話しますよって伝えている限りは
下手なことはしないと思うわ。
どちらにしても
お母さんが今日言いたいのは
両家で会いましょうってことだから。」
日奈子
「そうだね…」
翔くん
「色々ありがとう。よろしくね。」
◆
朝の9時。
子供たち二人を見送った後、
翔くんのお母さんは、
自分の携帯を見つめていた。
そして、
菊地母、菊地父と並ぶ
携帯電話の中の
アドレスをスクロールして
菊地父のボタンを押す。
「はい、もしもし。」
落ち着いたトーンで響くその声は
結衣の父親だった。
出た。
翔くんの母
「あ、あの、お久しぶりです。
突然申し訳ございません。
もしかして、お仕事中、、
でしたでしょうか。」
勿論出て欲しいと思いながら
かけた電話だったが、
実際に出ると驚く。
結衣の父
「お久しぶりです。
いえ、今日は午後からの出勤なので
大丈夫ですよ。
それよりあの…この携帯は、、
僕の番号なんですが、
妻の方じゃなくて
良かったですか？？
今、そばに妻はいないんですが。」
翔くんの母
「いえ、今日はお父様の方と
お話がしたかったので
お電話させていただいたんです。
少し、お時間よろしいですか？」
結衣の父
「はい、かまいませんよ。
それにしても、翔くんには
娘がいつも
よくして頂いているみたいで
ありがとうございます。」
決して
愛想がある話し方ではないが
この言葉に、嘘や含みは
見当たらなかった。
翔くんの母
「いえ、そんな、、、
あの、、今日はその、
結衣さんと息子の翔のことで
ご連絡させて頂いたのですが、
…奥様や結衣さんから
最近お父様の方に
ご報告などはありませんでしたか？」
結衣の父
「…報告？？一体
どんなことででしょうか。
お恥ずかしながらわたしは昔から、
子供たちのことはいつも
妻から聞かされるだけで
結構任せてしまっていて‥
普段妻が、
新居にお邪魔させて頂いているのは
聞いていましたけど
結婚の準備がどこまで進んでいるかとか
そういうのは、
ほとんど知らないんです。」
へぇ。なるほど。
じゃあ
翔くんの母
「ではお父様は、この縁談が今
破談になりそうなことなど
何もご存知ない、
ということなんですね？」
結衣の父
「ええっ、破談？？」
この驚きっぷり。
そうか。
本当にこの父親、
何にも知らないのか。
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Pick Item
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」