山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験が
ほぼない中で女医の結衣と婚約中。しかし…
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが
婚約者の結衣さんがモラハラ気質、浮気・不倫確定。
もう黙っていられない。
菊地結衣…翔くんの婚約者。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。相当な曲者。
最近2台目の携帯電話が見つかり、問い詰めたが
開き直っている。
辻さん…結衣の医学部時代からの同期。外科医。
日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で
実は既婚者。そして結衣と不倫していた。
奥さんは結衣と友人でもある。
加藤さん…辻さんの医学部時代の同期。
菊地結衣とも面識がある。
結衣から電話とLINEが入り、
その返信をしている間に、
さっきまでお風呂上がりの
ピンク色のほっぺだった翔くんの顔色が
急激に青くなっていった。
日奈子
「翔、、もう今日は、
結衣から返信が来ても
それ以上返さなくていいんじゃない？
そもそもこの先彼女と
やり取りする必要ないと思うよ。」
翔くん
「そうだよね…
なんだろう、
ついつい返してしまって…
それって本当に
未練とかそういうのじゃなくて
…やっぱり言いたいこと
言ってしまいたくなるというか…
言ったところで伝わらないのに
何やってるんだろうね、僕は…」
翔くんの気持ちは
痛いほどわかっていた。
伝わらなくても、言いたくなる。
伝わるかもしれないなんて
期待してるわけじゃないけど
言わずにはいられないし
心と身体はそんなに簡単に
同じようには動いてくれない。
翔くん
「あ・・・既読になった…」
日奈子
「…」
いいから、
今日は寝なよと言いたいけれど
日奈子も結局のところ
結衣の返信が気になって仕方がない。
翔くんの母
「…翔、最近全然、
眠れてないんでしょ。
これを食べたら、
今日はリビングに携帯を置いてから
部屋で寝た方がいいと思うわよ。
気にはなるだろうけど…
お母さんは体調が心配だから。」
翔くん
「うん…自分でも、
わかってるんだけど…」
翔くんはそう言うと、
携帯を伏せて、リンゴを食べ始めた。
日奈子
「私が電話しようか？
連絡は、お義母さんからだけに
してくださいってさ。」
余計なお世話だとは思いながら
言わずにはいられない。
翔くん
「…ううん、ありがとう。
結局結衣さんは、
自分の知らないところで
話が進むのが嫌いなんだよ。
だからせめてLINEは
グループLINEでも作って、
僕と結衣さん二人きりの会話は
避けようと思ってる。
姉さんたちも、心配なんでしょ？
僕が結衣さんと二人きりで
話を進めてしまうのは。」
日奈子
「うん。翔はお人好しだから。」
そんな話をしていると、
テーブルの上に伏せていた携帯が
また揺れた。
あれ。
ずっと揺れている。
翔くん
「……電話だな。」
翔くんはそう言って、
携帯をひっくり返す。
翔くん
「あぁ・・・」
携帯の画面に出ていたのは、
結衣の母親の名前。
そして
思わずその携帯を手に取ったのは
翔くんのお母さんだった。
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」