山田翔…日奈子の2歳下の弟。
 赤門の大学出身で有名企業に勤めている。

 仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
 女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験が
 ほぼない中で女医の結衣と婚約中。しかし… 

 

山田日奈子

…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが

 婚約者の結衣さんがモラハラ気質、浮気・不倫確定。

 もう黙っていられない。
 

菊地結衣…翔くんの婚約者。大学病院に勤める外科医。 

 父も兄も親類も医者。母は専業主婦。相当な曲者。

   最近2台目の携帯電話が見つかり、その中身は…
 

辻さん…結衣の医学部時代からの同期。外科医。

 日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で

 実は既婚者。そして結衣と不倫していた。

 奥さんはゆいと友人でもある。

加藤さん…辻さんの医学部時代の同期。
 菊地結衣とも面識がある。

 

 

 

日曜日の午後13時30分。

 

 

日奈子と翔くん、

そしてお母さんは三人で、

とあるホテルのレストランにいた。

 

 

待ち合わせは14時。

 

この場所を指定してきたのは、

結衣の母親だった。

 

 

 

 

日奈子

「結衣さんのお母さん

 結構パンチのある人だから

 なんて言い出すか、心配だよね。」

 

 

 

翔くん

「うん、それは僕も思う。」

 

 

 

翔くん(日奈子)の母

「まぁ、ここは公共の場だから

 怒り狂って叫び出したりは

 しないでしょうよ。」

 

 

 

日奈子

「…そう、、であることを願うけど

 

 

 ひとまず今日はホテルで

 良かったよね。

 

 さて…」

 

 

 

日奈子は自分の腕時計を見る。

 

 

あと15分で14時だ。

 

 

 

日奈子

「お母さん、そろそろ私たち、

 あそこの席に移るからね。」

 

 

 

翔くんの母

「ああ、そうね。わかった。」

 

 

 

日奈子

「お母さんたちの会話は

 私たちには

 全然聞こえないと思うから、

 

 キリのいいところで

 合図を送ってね。」

 

 

 

 

そして、

日奈子たちは席を離れた。

 

 

最初から同席するべきかどうかは

とても迷った部分だった。

 

けれどお母さんが

一旦母親同士で話をさせて欲しいと

そう言ってくれたので

任せてみようと思った。

 

 

 

 

 

 

 

14時を5分ほど過ぎた頃。

 

 

 

結衣の母

「あらー

 

 翔くんのお母様ー。」

 

 

 

 

上機嫌で歩いてきた

ちょっと派手目な女性。

 

これが、結衣の母だった。

 

 

 

翔くんの母

「あぁ、お久しぶりです。」

 

 

 

軽い会釈をしている間に

結衣の母が向かい側に座る。

 

 

 

 

結衣の母

「ここのお料理ね、

 とても美味しいんですけど

 

 お紅茶やコーヒーも香りが強くて

 私はすごく好みなんですよ。

 

 何か、お昼は食べられましたか?」

 

 

 

翔くんの母

「あ、はい、

 お昼は軽く食べました。

 

 お義母さんは、

 お腹空かれてますか?」

 

 

 

結衣の母

「いえ、私は11時ごろに

 朝食とランチを合わせて

 食べてしまったので…

 

 

 そうですね、、じゃあケーキでも

 食べましょうか。」

 

 

 

 

本当は、

とてもそんな気分にはなれないが

翔くんのお母さんは結衣の母に合わせて

ケーキセットを頼んだ。

 

 

 

 

結衣の母

「あー、それにしても

 お式までもう少しですね。」

 

 

 

結衣の母があまりにも上機嫌なので

翔くんのお母さんは

切り出すタイミングを

どこにしたら良いかと

考えながら会話を進めていた。

 

 

 

翔くんのお母さん

「最近そのお式のことについて

 結衣さんからお義母さんに

 ご相談とかあるんですか?」

 

 

 

結衣の母

「式場選びとかドレスとか

 席次表とか、

 選ぶものが色々あった時は

 もう毎週のように呼ばれてましたけど

 

 最近になって途端に

 連絡が来なくなったんですよ。

 

 まぁもう、準備することも

 さほどないんですかねぇ」

 

 

 

翔くんの母

「……そうですか。」

 

 

 

 

結衣の母

「そうなんですよぉ。

 

 こっちから連絡しても

 なんか、今は大丈夫とか

 そういう感じなので。

 

 

 そちらは、翔くんの方から

 何かご報告とかご相談、

 あったりするんですか?」

 

 

 

 

うん、ここだ。

 

 

 

タイミングは。

 

 

 

 

翔くんのお母さんはついに

ここで話を、

 

 

切り出すことにした。

 

 

 

可愛い我が息子のために。

 

 

 

 

 

 

 

※今夜に続く。

 

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いつも読んで下さってありがとうございます。

「私がブログを書く理由。」

 

これまでのシリーズはこちら。

1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。

3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」

7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』

8.青木の芝生   男友達の告白

9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」

10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」

11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋嫁ぐ