山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験が
ほぼない中で女医の結衣と婚約中。しかし…
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが
婚約者の結衣さんがモラハラ気質、浮気・不倫確定。
もう黙っていられない。
菊地結衣…翔くんの婚約者。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。相当な曲者。
最近2台目の携帯電話が見つかり、その中身は…
辻さん…結衣の医学部時代からの同期。外科医。
日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で
実は既婚者。そして結衣と不倫していた。
奥さんはゆいと友人でもある。
加藤さん…辻さんの医学部時代の同期。
菊地結衣とも面識がある。
私
「なんだ
あの女は!!」
この居酒屋が個室なのをいいことに
ついついお口が悪いことを
口走っていた私。おほほ。
つい少し前に、
日奈子と翔くんがここについて
そして翔くんが泣いて、
みんなで泣いて
改めて今日の話を聞いたが
聞けば聞くほど、
いやもうしょっぱなから
怒りがメラメラ湧いてくる。
ひとまず私はここで
一人で待っている時間、
全然仕事なんて手につかず
もしかしたら翔くんが
(やっぱり結衣と二人で話したい
夜は二人で話し合うから
姉さん帰って)
なんて言い出して
日奈子だけがやってきたらどうしよう
なんて思っていたので
ここにきて、泣き出した翔くんを見て
ホッとしていたのも束の間
さっきまでのエピソードを
聞けば聞くほどあの女
最低中の最低やん!
そう思うと私の方は一旦、
サーっと涙が引っ込んだ。
さて、さっきのブログでは
今後私たちが
お節介を仕掛けるということを
書いたわけですが
そうなる前に、
この個室居酒屋でも
少しありまして。
↓ ↓ ↓
私
「日奈子もそこでよく最後まで
ちゃんと耐えてたね。
最初から証拠を
どかーんと出すことだって
出来たはずなのに。」
日奈子
「そりゃあもう途中で何度も
回し蹴りとかしたかったけど(おい。)
翔のタイミングが大事だったし
実際現場にいると
この人この場で、
どんな嘘つくんだろうって
もう興味深く聞いてた。」
翔くん
「そして、録音もした。」
私
「おぉ。
まぁもう翔くんが
そこまで出来てるんなら
結衣に戻る心配はないかな?」
日奈子
「…いや、どうかな。」
日奈子は翔くんのことを
チラッと見る。
私
「え?どういうこと?」
日奈子
「パンダも周りから
いろんな相談受けがちなんだから
知ってるはずでしょ。
洗脳から抜け出すのが
どれだけ大変か。」
日奈子はそう言いながら
翔くんの方を
心配そうな顔して見つめる。
翔くん
「いや、姉さん。大丈夫だよ。
もう結衣さんと
結婚するつもりなんて…」
日奈子
「うん、翔がそう思ってるのは
ちゃんとわかってる。
だけど翔、私の勘だけど
結衣からLINE、来てないの?」
翔くん
「え?LINE?待って
そういえばここについてから
携帯見てなかった…」
翔くんはそう言いながら
携帯を開いた。
翔くん
「…来てる。
…7件。」
日奈子
「ね、内容は多分、
許しを乞うような謝罪メールか
翔を責めるような内容か。
そしてそれを見た翔は
もう嫌だとわかっていても
これが毎日続くとさ、
どんな感情であれ、私たちに内緒で
二人きりで会ったりとかしちゃうの。
だって世の中の
ダメなカップルって大体そうでしょ。
うまくいかないのわかってて
また元に戻ってるってパターン。
最初はダメなやつの方が悪いけど
月日を重ねたら
許す方もダメなわけで
そうやって、共依存ってやつに
なるんじゃないの?
結衣の方はこれからあんたに
執着してくるはず。
私はそれが心配なの。」
翔くん
「そんなこと・・・」
日奈子
「あるわけないって思うでしょ。
だけど翔の立場の人はね
周りがもうあんな奴に
絶対に会うなって言っても
翔の方も
なんだかんだ理由をつけて
内緒で会うようになったりするの。
勿論そうならないように
私もなるべく仕事以外は
一緒にいてケアもするけど、、
だから翔は、、、辛いけど
相当強い心を持たなきゃね。」
翔くん
「うん…」
翔くんはそう言って、
結衣からのLINEを
私たちの前で開く。
私
「確かに、日奈子が言った通りだ。」
結衣からのLINE
(携帯の中身って、どこまで見たの?)
(色々誤解がある。説明させて。)
(どこにいるの?お姉さんの家?
今日帰ってこれない?
二人でちゃんと話し合おうよ)
(…連絡くれるまで待ってます)
(ちょっと、どういうつもり?
本当に戻ってこないの?)
(ねぇ、結婚式のこと
話し合いもしないで
このまま破棄しようとするなんて
流石にあんまりじゃない?)
(今日帰ってこないにしても
連絡くらいくれてもいいでしょ!)
たったの1時間の間に
結衣は一人で
不安になったりキレたり
自分勝手を爆発させていた。
なるほどね。
現実って、人の心ってやっぱり
理想通りにはいかない。
勿論私も、このままで結衣が
引き下がるわけないとは
思っていたのだけど。
私
「日奈子。
ひとまず結衣がうるさいから
…ここで、辻を投入しましょう。」
日奈子
「あ、そっか。」
日奈子はそう言うと、
自分の携帯を開いた。
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Pick Item
いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」