シーズン12の登場人物
山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験が
ほぼない中で女医の結衣と婚約中。しかし…
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが
婚約者の結衣さんがモラハラ気質、浮気疑惑。
良いように使われている気がして心配。
菊地結衣…翔くんの婚約者。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。相当な曲者
最近2台目の携帯電話が見つかり、その中身は…
辻さん…結衣さんの医学部時代からの同期。外科医。
日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で
日奈子からフェイドアウトしようと思っていた。
しかしこの男の本性は…
加藤さん…辻さんの医学部時代の同期。
菊地結衣とも面識がある。
スピーカー越しにスタンバイする
翔くんの手元には
結衣の携帯が2台。
その仕事用携帯にほんの5分ほど前、
辻から電話がかかってきた。
電話を切ってすぐに戻ってくるはずの
辻を待っていたが
なかなか戻って来ないので
その間
加藤の想像力はどんどん増して
色んな予測を立ててはいたのだが
その予想はどれも違っていた。
そうだよね。
自分の同期がそんな
ゲスなことをしているとは
思いつかないよね。
そして
辻
「……。」
辻が戻ってきた。
私
「ってかその日奈子の上司
結構きついねぇ。」
日奈子
「そーなの、
今日も謎の指示出されてさぁ。」
咄嗟の話題変更に
しっかりついてきてくれた日奈子。
辻
「あれ、今度は
日奈子さんの会社の話ですか？」
辻がそろりそろりと
元いた場所に戻りつつ
座り終わる前に
私たちの話に食いついた。
きっとその話題を広げて
話を逸らしたかったに違いない。
日奈子
「そーなんですよー
あれ、…辻さん。
さっきより心なしか
顔色悪くないですか？？
照明のせい…なんですかね。」
辻
「あ、あれ、そうですか？
あー、いや、
まいっちゃいましたよ。
さっきちょっとお手洗いで
吐いてしまって…
飲みすぎたんですかね。
だからちょっと戻ってくるまでに
時間かかってしまって。」
聞いてもないことを
ペラペラ話し始める辻。
日奈子
「あ、そうだったんですか。
大丈夫です？？」
辻
「いや…ちょっとなんかその…
あっ、はい。なので…
まだ調子が悪い感じなので
今日は僕だけ先に
帰らせてもらおうかなって…
あ、でも３人はまだ全然ここで
飲んでていただいて…」
ホォ。
帰るとな。
ホォ。
日奈子
「そうですか。
…じゃあ帰る前に
辻さん。
質問だけいいですか？」
辻
「えっ？」
日奈子は、
辻に考える隙を与える間も無く
すぐに問うた。
日奈子
「さっきはどうして
電話してたんですか？」
辻
「へっ？え？
さっきはって…
え？あれ、加藤…
もしかしてさっき、
お前もトイレにいたの？？」
日奈子
「そうじゃなくて…辻さん。
…わかりますよね。
さっき辻さんがかけた電話、
出たのは
弟だったんですから。」
辻
「あっ、えっと
あっ、そのことですか。」
日奈子
「はい。」
辻
「さっきね、
結衣さんに電話したんですよ。
仕事のことで
思い出したことがあって。
それで電話をかけたら
弟さんが出て驚きましたよ。
仕事用の携帯だったので、
あれ？って思って。
いやっ、でもっ
そのこともう弟さんから
聞いたんですか？？
早いなー。」
この手の男はこうやって
ツルツルツルツル
嘘が口から滑り出してくる。
日奈子
「そうですか。
お仕事のことで…」
辻
「そうだったんですよー。
なので僕ちょっと
仕事のこともやりたくて
やっぱり帰りますね。」
おい、気分が悪いのどうした。
っていうか
それでうまく逃げ切れるなんて
本気で思っているとしたら
やっぱりあなたは変態ですが。
ふぅ。
日奈子は小さく息を吐いて
辻の目をじっと見る。
日奈子
「辻さん。私たちに
隠していることは
ありませんか。」
私たちは、
逃しませぬよ。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」