シーズン12の登場人物

山田翔…日奈子の2歳下の弟。
 赤門の大学出身で有名企業に勤めている。

 仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
 女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験が
 ほぼない中で女医の結衣と婚約中。しかし… 

 

山田日奈子

…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが

 婚約者の結衣さんがモラハラ気質、浮気疑惑。

 良いように使われている気がして心配。 

菊地結衣…翔くんの婚約者。大学病院に勤める外科医。 

 父も兄も親類も医者。母は専業主婦。相当な曲者 

   最近2台目の携帯電話が見つかり、その中身は…
 

辻さん…結衣さんの医学部時代からの同期。外科医。

 日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で

 日奈子からフェイドアウトしようと思っていた。


 

辻が慌てて席を立った後、

 

 

日奈子が携帯を

スピーカーにする。

 

 

 

日奈子

「翔。もう携帯は

 持ってるのよね?」

 

 

 

翔くん

「うん、2台とも。」

 

 

 

 

ここの展開が早すぎたので

私と加藤は、ほんの一瞬考える。

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

加藤

「…おぉ、用意周到ですね。」

 

 

 

 

 

日奈子

「辻さんは今、

 お手洗いに行ったから。」

 

 

 

 

翔くん

「うん、そっか。

 

 

 うん…」

 

 

 

 

 

 

「……。

 

 

 

 

 あんたたち…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

日奈子

「ん。」

 

 

 

翔くん

「あ、パンダさん、どうも。」

 

 

 

 

 

 

 

「あ、どうも。

 

 

 

 

 って、二人とも…

 

 私の知らない間に…

 

 

 



 

 何その、素敵な

  連携プレイ。」

 

 

 

 

加藤

「へ?」

 

 

 

日奈子

「いや、

 感心してる場合じゃないし(笑)」

 

 

 

「あ、ごめんごめん。」

 

 

 

日奈子

「パンダが

 辻さんと話してくれてる間に

 

 ちょうどいいタイミングで翔が

 携帯持ってくることが出来たからさ。」

 

 

 

 

加藤

「ん?ん?」

 

 

 

 

間で加藤が、

笑顔でキョロキョロしている。

 

 

 

 

 

その時。

 

 

 

 

 

 

翔くん

「あ……

 

 

 姉さん……」

 

 

 

 

日奈子

「えっ」

 

 

「きたっ??」

 

 

 

 

 

 

 

そして、翔くんは

私たちに返事する間も無く

 

 

 

 

 

翔くん

はい、

 もしもし。

 

 

 

 ………

 

 

 あ、はい。

 

 

 そうです…」

 

 

 

 

日奈子、私

「……」

 

 

 

スピーカーから聞こえる

翔くんの声に

 

 

日奈子は慌てて

自分の口を両手で押さえながら

私の方を見る。

 

 

加藤も空気を読んで

息を潜めている。

 

 

 

 

 

翔くん

「今寝てるんです。

 

 …代わりますか?

 

 

 

 …それか何か

 ご伝言があるなら…

 

 

 あ、はい。はい、では…」

 

 

 

 



日奈子・私

「!!!」

 

 

 

グッドサイレンス加藤

「……」

 

 

 

 

翔くん

「…姉さん。

 

 

 

 電話切った。」

 

 

 

 

 

日奈子

「相手は…」

 

 

 

 

翔くん

「うん。

 

 

 辻さんだった。


 

 仕事用の携帯が鳴ったよ。


 僕が出て

 かなりの慌てようだった。」

 

 

 


 

ビッくらポン加藤

「えっ?

 

 

 ええっっ?」

 

(ってか加藤の名前で遊ぶなよ、私。)

 

 

 

 

日奈子

「やっぱり…

 思った通り過ぎて…

 呆れるより笑える…」




きっと、

日奈子だって少なからず

ショックだっただろう。

 

 


日奈子

「翔、じゃあ私は今から、

 このまま携帯を

 テーブルの横に退けるから

 

 この先は一旦黙っててね。

 

 聞こえなかったり

 聞きたくないことなら

 

 勝手に電話切ってもいいからね。」

 

 

 

 

翔くん

「わかった。」

 

 

 

そして日奈子は

スピーカーの音量を最大にすると

その携帯をそのまま

テーブルの端に退けた。

 

 

 

 

「さ、待ちますか。」

 

 

 

加藤

「……え、あの…

 

 

 

 えっと、、、えっと?

 

 

 今の展開が早すぎて

 色々とわからないんですけど…

 

 

 つまり弟さんの手元には今

 菊地の携帯が2台ともあって

 …そこに何故か

 辻が電話をしたんですよね…?」

 

 

 

「はい。そうです。」

 

 

 

加藤

「それって、辻が菊地に

 

 ……携帯を隠すように

 指示を出したかった…から?

 

 なんでしょうか。」

 

 

 

「でしょうね。」

 

 

 

 

加藤

「……それって仮に…

 


 例えば菊地が

 浮気をしているとして…

 

 

 

 その浮気相手を辻も知っていて

 

 



 ……庇おうとした…」

 

 

 

 

 

うーん。

 

 

浮気って発想が

出てきたとこまでは

良かったけれど


その推理、最後だけ

ザンネーン。

 

 



 

って、そりゃあそうよね。

 

 

真剣な顔でそう話した加藤は

やっぱり本気で

辻たちのことを何も知らなくて

 


DVな結衣が浮気をしてるとか

そこまでは考えついたとして


その相手が辻なんて


まさかそんなことがありえるなんて



思いもよらない

フツーの感覚の人なのかもしれない。

 

 

 

 

それから3分くらい経過しても

辻はなかなか帰って来なくて

 

まさか帰った?とか

一瞬心配にもなったけれど

 

 

きっと翔くんが出たことで

パニック状態だったのだろう。

 

 

 



だってこのあと

さらに2分くらい経過したら

 

 

 

辻が戻ってきた。

 

 

 


 

 

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「私がブログを書く理由。」

 

これまでのシリーズはこちら。

1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。

3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」

7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』

8.青木の芝生   男友達の告白

9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」

10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」

11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋嫁ぐ