シーズン12の登場人物
山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験がほぼない。
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが
現在付き合っている彼女に、
良いように使われている気がして心配。
菊地結衣…翔くんの彼女。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。曲者
辻さん…結衣さんの医学部時代からの同期。外科医。
最近日奈子と急接近。極度の潔癖症。
ダブルデート中、
弟からの話を聞き
その最初のエピソードの内容が既に
意味不明状態だった日奈子だが
翔くん
「一緒に住む前は
お互い仕事が遅い日には
会ったりしなかったら
こうなるなんて
予想つかなかったんだ。
っていうのは
まだいいんだけど・・」
と、さっきの話はあくまでも
話の序章に過ぎないと
そんな雰囲気が表れていて
日奈子はため息が漏れた。
日奈子
「雑誌投げられるのが
…それがまだいいって
どういうことよ。」
翔くん
「なんか彼女の感情の起伏が
激しすぎて
掃除が出来るとか出来ないとか
そういう問題ではなくて
もうどこに彼女の
怒りスイッチがあるのか
わからない状態なんだ。」
日奈子
「雑誌投げるのがまだいいって
思えるくらいの起伏ってことね?」
翔くん
「うん、この前は僕にではなくて
なんか仕事で
イライラしたことがあったみたいで
彼女がモノに当たった表紙に
花瓶が割れて。
その片付けは僕で。
怒鳴ったりあたったり
…なんか本人はそれで
しんどくないのかな。」
日奈子は目線を、少し先に移す。
さっきまで建造物を
別々に見ていた辻さんと結衣さんが
何やら談笑している。
日奈子
「翔はそれで…
やっぱり結婚辞めるって
思わないの?」
翔くん
「…なかなかそこまでは…」
翔くんがそう言うであろうことは
わかっていた。
日奈子
「…まぁ、こればっかりは…
周りに言われても
自分で決めるしかないんだけど…
私は結婚してないから
偉そうには言えないけど
…私は、男女って最初から
同じ価値観の人はいないと思うよ。
結婚って我慢だって
言う人もいるしね。
だけど…翔は
今幸せ?」
翔くん
「…うん、幸せなことの方が
多いと思う。
今日みたいに
共通の趣味で出かけたり
会話をしてたりすると
やっぱり楽しいなって思うんだ。」
日奈子
「そうなんだ…
私はさっきの話、
あんたを心配する姉としては
かなり嫌なエピソードだけど
私が姉として言えるのは
翔が幸せなのが一番。
だから自分が選んだ道を
幸せだと思えない時は
手放してもいいんだからね。
婚約破棄は、
恥ずかしいことなんかじゃ
ないんだからね。」
日奈子は心からそう思っていた。
その時
結衣さん
「翔くん、日奈子さん、
あっちにも行ってみましょうよ!」
結衣さんが笑顔で手招きしている。
翔くん
「あ、うん!」
駆け出す翔くんの後を追いかけながら
日奈子は考えていた。
人には、いろんな側面がある。
その、どの面を誰にいつ見せるか
そしてどれが本当の自分なのか
自分にだってわからない時がある。
結衣さんは翔くんに
心を開きすぎているのだろうか。
家族にだけは
わがままになる子供のように。
夫婦喧嘩も家族の喧嘩も
どの家庭にもきっとあることで
その内容は他人にとって
理不尽だったり下らなくて
日にちが経過すれば
当たり前のように
仲良くなっていることもある。
弟がいいならそれでいいが
それで済ませていいのか
弟カップルの問題に
もう少し介入するべきか
日奈子はこの時から
少し悩んでいた。
けど
そんなこと思わなくても
もう日奈子はすでに
巻き込まれていたのだ。
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」
11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋に嫁ぐ。」