シーズン12の登場人物
山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験がほぼない。
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが
現在付き合っている彼女に、
良いように使われている気がして心配。
菊地結衣…翔くんの彼女。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。曲者
辻さん…結衣さんの医学部時代からの同期。外科医。
最近日奈子と急接近。極度の潔癖症。
潔癖症の辻さんの自宅で
手作りの
パスタをいただいた日奈子。
良きタイミングを見計らい
このままお暇…
と思いきや、
そのまま美術館に誘われた。
ちなみに日奈子は絵画が好きで
毎月一人で美術館に出かける。
気兼ねなく、
自分のペースで見るのが好きだからだ。
人と一緒に見る機会は
これまでもあまりなかったが
言われるがままについて行った。
◆
美術館での内容そのものは
長くなるので端折るが、
まとめると
辻さんとの美術館は
とても楽しかった。
彼はとにかくアートに詳しく
その歴史的背景の話題も含めて
日奈子の興味深い話ばかりだった。
彼の話を聞きながら思う。
辻さんともっと
こういう話がしたい。
美術館での振る舞いは
彼が潔癖症だと
ある程度わかった上なら
さほど気にならなかった。
彼は確かに自宅以外での振る舞いは
かなり気を付けているのだろう。
そんなことを思いながら
日奈子と辻さんは駅で別れた。
その日の夜。
私LINE（久しぶりに登場。え、いたの？）
「いやーーーー。
いくらなんでも、
玄関で靴下履き替えて
爪の中まで洗って、
本を見るときは手袋って…
厳しくないかい？？」
帰り道の電車で
私にLINE報告をしてきた日奈子に
私は思ったままの気持ちを伝えた。
日奈子LINE
「うん、厳しい…
でもさ、やっぱり頭の良い人って
話が面白いでしょ。
潔癖のこと以外だと
今のところ気になるところ
ほとんどなくて…」
私LINE
「…それはつまり、
日奈子はもうすでに
盲目気味(・∀・)
ということで、
よろしいのでしょうか（笑）
恋をすると、
両目が見えないのよね。」
日奈子LINE
「むむむ。
やっぱりそうかなぁ…
潔癖の人と付き合うって
難しいって思う？」
私LINE
「日奈子は綺麗好きだとは思うよ。
だけど…
ちょっとそれとは
レベル違うなんでしょ？
今日、日奈子を家に呼んで
一旦外に出たのだって、
ランチの後そのまま
帰ってくださいとは言えなくて
それで外に連れ出す口実が
美術館だったんでは？？」
日奈子LINE
「…そ、そこまで考えてなかったけど
確かにもし、
私がそのままそこに居座っていたら
…困ったんだろうね…
でもそしたら、わざわざ家になんて
呼ばなきゃいいのに…」
私LINE
「いやそこは、
潔癖の自分は知っておいて欲しいけど
というわけで、
知ったら一旦帰ってね的な。
（あくまでも妄想。）
とりあえず今は、
ガッチガチに目を開いておかないと
もしそのまま結婚したら、
片目どころか
両眼つぶらなきゃいけなくなるような
そんな事態になったら大変よ。」
日奈子LINE
「やっぱりそうかぁ…
今頃私が座ってたところ
ものすごく掃除してるのかな…」
私LINE
「ってか忘れてたけど
その人結衣さんの紹介でしょ？？
そもそも結衣さんがなんで
その彼を紹介したのか
聞いてみた？」
日奈子LINE
「…聞いてない。」
私LINE
「機会があれば、
翔くん伝いにでも聞いてみたら？
普通さ、紹介したい人がいたら
そこまで
クセ強めな男子のことなら
事前に教えてくれるでしょ？
…てか、紹介しないでしょ…。」
日奈子LINE
「確かに…
来週丁度、翔たちと一緒に
仕事の後にご飯食べにいくから
その時に聞いてみるよ。」
そんなことを言いながら
結局日奈子と辻さんはまた
その日からも少しずつ
些細なLINEのやりとりは
続けていたようだ。
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」
11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋に嫁ぐ。」