シーズン12の登場人物
山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験がほぼない。
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて仕方ないが
現在付き合っている彼女に、
良いように使われている気がして心配。
菊地結衣…翔くんの彼女。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。曲者
日奈子は結衣さんではなく
翔くんにあえて声をかけ
家のことを手伝うようにと話したが
今は家事について色々研究するのが
楽しいと言って素直に頷く翔くん。
日奈子が言いたいのは
そういうことではない…
と、その空気を
先に読んだのは結衣さんだった。
結衣さん
「すみません。
私がなんでも出来たら
一番良いと思うんですが…
うちは、母が専業主婦で
時々お手伝いさんもいたので
家のことは最低限のことしか
習ってこないままで…
でも、
それじゃあやっぱりダメですよね。」
…こんなこと言われたら
うん。そうだね。
とか言えないやん。
やっぱりこの人
人間をコントロールするのが
うまいのかもしれない。
日奈子はこの時思った。
だってやっぱり一緒にいると
今のところ直接
嫌な感じは受けないのだ。
翔くんの母
「ダメなんかじゃないですよ。
私も結婚当初は
何にも出来なかったんですよ。
でも結婚して、
この子たちが生まれたりして
徐々に出来るようになりましたから
焦ることないじゃないですか。」
母親のフォローの言葉に
日奈子はまた思う。
（いや多分、お母さんが言う
何も出来なかった
という基準と、
結衣さんの出来ないレベルは
天と地の差があるはず。）
翔くんの父
「そうそう、今は男女とも
同じように働いている時代ですし
自立した女性は
素敵じゃないですか！」
結衣さん
「ありがとうございます。
翔くんの柔軟さは
ご両親譲りなんですね。
女医で外科医なんて…
現場では
まだまだ男尊女卑の精神が
残っていますから
色々難しいことも多くて
やっぱり男女平等なんて
難しいのかなって思ってたんですが
キツイ現場ですから
帰ってきて、
穏やかになれる居場所があるのは
本当に、ありがたいんです…」
翔くんの父
「なるほど…
そうですよね…
毎日人の命を
預かってらっしゃるんですからね。
大変なお仕事ですよ。」
確かに、
大変な仕事だとは思う。
計り知れない重圧を抱えながら
現場に立っていることを
想像してみると
唯一リラックス出来るのが
家の中とか、
翔くんの穏やかさだというのなら
支えてあげたいという気持ちも
一理あるのかもしれない。
その場にいると
日奈子でさえそう思うのだ。
翔くんの母
「翔、もうあなたたち二人は
お互い自立してる
良い大人ですから
私たちからとやかくいうことは
あまりないけど
それよりこんなに立派な
お嬢さんにお会いできたんですから
しっかり支え合いながら
頑張ってね。」
翔くん
「うん、母さんありがとう。」
◆
両親と結衣さんが食事をした日。
翔くんは結衣さんと
結衣さんの住むマンションに戻った。
結衣さん
「はー。今日のお寿司
すっごく美味しかったね！
翔くんのご両親も
お二人とも素敵な方で。」
翔くん
「それは結衣さんが
うちの両親に
気に入られたからだよ。」
結衣さん
「それはありがたいな。
…でもやっぱり
お姉さんはちょっと
私に不満があるのかもね。」
翔くん
「姉さんが？
それは考えすぎだよー。」
結衣さん
「そう？それなら良いけど。
はー。
とりあえず、さっき買ってきた
ケーキ食べよっか。
翔くん、私翔くんの淹れた
コーヒー飲みたい。
その間に、着替えてくるね。」
それから翔くんは
自分はスーツを着たまま
とてもナチュラルに
コーヒーメーカーの前に立ち
準備を始めた。
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お花の定期便で、チビパンダはお花に詳しくなりました
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」
11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋に嫁ぐ。」