シーズン12の登場人物
山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験がほぼない。
山田日奈子
…パンダの同級生。弟のことが可愛くて仕方ない。
菊地結衣…翔くんの彼女。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。
彼女である結衣さんの母親は
娘の結婚相手として
翔くんがふさわしいかどうか
見極めたかったようだが
その隣に座っていた結衣さんは
翔くんが結衣さんのことを
結婚相手として見ているのかも
知りたかったようだ。
結婚前の娘のために
母親がこうして出てくることは
よくある話なのだろうか。
私の身の回りでは
ほとんど聞いたことがなかったので
よくわからないし
むしろちょっとめんど…
（あ、ついパンダの黒い心の声が
出てしまいそうだった。いかんいかん。）
結衣さんの母
「それでね、翔さん。」
あらためて、
結衣さんの母が向き直る。
翔くん
「はっ、はい。」
結衣さんの母
「もう、娘とは何ヶ月か
お付き合いなさっているようなので
ご存知かとは思うんですが…」
翔くん
「は、はい…」
結衣さんの母
「うちの娘って
家事がからっきしダメでしょう？」
翔くん
「そ、そうですかね。」
はい、そうですね(￣▽￣)
なんて
はっきり言えるはずもないが
近頃の結衣さんは
以前に増して家のことを
翔くんに任せきりなのだ。
会うのは相変わらず
結衣さんの家だというのに
翔くんが来るために
部屋を片付けるどころか
むしろ片付けてくれることを見込んで
遠慮なく
散らかしている気もする。
結衣さんのお母さん
「結衣からは翔さんが
家事も得意だと伺って
本当に安心してるんですよ！」
品のあるお顔立ちで
目を輝かせるお母さん。
もしやこの口ぶりは
狙ってるのか？
それともただのど天然なんだろうか。
翔くん
「いやわたしは、得意と申しますか
一人暮らしが長かったものですから
必要に迫られてやっているうちに
いつの間にか
出来るようになっただけと言いますか…」
結衣さんのお母さん
「いやあそれでも
結衣なんて未だに
洗濯機さえ回せませんからね。
ですから炊飯器なんて
使ったこともないでしょうし
掃除機もねぇ。
本当に、わたしが毎週自宅に行って
片付けてあげないと
何も出来ない子で。うふふふ。」
結衣さん
「だってそれは
ママがやってくれるからー。」
え。
洗濯機を回せないとな？
あの、スイッチぽんする
文明の利器を。
頭がとってもよし子ちゃんの
あーたの娘は、使えないとな。
炊飯器も掃除機も
使ったことがない？
そしてそれを、
未来の娘婿になるかもしれない翔くんに
笑って話す母親。
これには、さすがの翔くんも
驚いていた。
結衣さんが家事を
あまりしないことは知っている。
っていうかやっているのも
正直見たことはない。
ただ、母親が家に来てくれて
家事をしてくれるのって
週に１回ほどなわけで
その間の洗濯は？？
下着とか、どうなってます？？
いっぱいあるからいいの？？
結衣さん
「待ってよママ。
だけど洗濯物をネットに入れたり
床のワイパーかけたりとかは
するようになったじゃない。」
結衣さんの母
「まぁそうねぇ。
それだけでも
進歩って言えるかしらね。」
いえないっす。
心配っす。
と、この話を聞いた
日奈子と私は真っ先に
口を揃えてそう言ったが
結衣さんの母
「翔さん、こんな娘だけど
私も時々手伝いに行きますし
翔さんがお忙しい時は
お手伝いさんにでも
お願いしたらいいでしょうから
まぁこのくらいのことは
取るに足らない話だと
思ってくださいな。」
無邪気に笑う結衣さんの母に
翔くんは
「はい」と答えた。
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」
11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋に嫁ぐ。」