シーズン12の登場人物
山田翔…日奈子の2歳下の弟。
赤門の大学出身で有名企業に勤めている。
仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。女性と付き合った経験がほぼない。
山田日奈子
…パンダの同級生。弟のことが可愛くて仕方ない。
菊地結衣…翔くんの彼女。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。母は専業主婦。
日奈子の弟翔くんは、
30代にして、人生で初めて
彼女のお母さんと会うことになった。
場所は、都内のホテルラウンジ。
そこへ、彼女である結衣さんの
お母さんが現れて、座って2秒で
大学での専攻を聞かれた。
翔くん
「せ、専攻は…○○です。」
結衣さんの母
「あら、そうですか。
そこならうちの親戚にも
いたわよね、結衣。」
結衣さん
「うん、まぁそうだね。
あのね、翔さんって」
結衣さんの母
「ご両親は、何をされてる方なの？
ご兄弟は？」
途中、結衣さんが遮ろうとしても
お母さんは質問をやめなかった。
それから翔くんは
半ば面接のような質問責めをされて
さらに、噴き出す汗が止まらない。
娘を持つ母親とは、
こういうものなのだろうか。
そりゃあ我が子が付き合う相手となると
親としてはある程度
素性を知らなければ心配なのだろう。
翔くんは前向きにそう思い、
聞かれたことには何でも答えた。
それから、
20分ほど経過しただろうか。
結衣さんの母
「なるほど…翔さんのご経歴、
申し分ないですね。」
翔くん
「あ、ありがとうございます。」
お母さんのお眼鏡にかなったなら
それはありがたい。
素直にそう思った。
結衣さんの母
「それで…
翔さんは結衣のこと、
どう思われてますか？」
全てが単刀直入だ。
しかし、母親の隣では遠慮がちだが
普段の結衣さんも
竹を割ったような性格なので
きっと母親に似たのだろう。
翔くん
「あの、どう…あの、はい
賢くて、
素敵な方だと思っています。」
結衣さんの母
「それは、ありがとうございます。
でも私が伺いたいのは、
娘と将来、
結婚する気があるのかということです。」
翔くん
「えっ。」
結婚というワードが飛び出して
翔くんは驚いたが、
視界に入る結衣さんの表情が
さほど変わらないのを見ると
結衣さんが母親に、
当日は是非そう聞いて欲しいと
頼んだのかもしれないと
今なら思える。
翔くん
「あのっ、はい、それはもちろん。
いつかそのような形を
とらせていただけるのでしたら
ありがたいというか、
なんというか…」
しどろもどろになる翔くんに
結衣さんの母親は
にっこりと笑いかけたが
まずは結衣さんの方に目線を向けた。
結衣さんの母
「そうですか。
結衣、良かったわね。」
結衣さん
「うん。」
結衣さんの母
「今日は翔さんに、
娘のことをそうやって
真面目に考えていただけると聞けて
安心いたしました。
最初から失礼なことばかりって
ごめんなさいね。
いや、これまでね
結衣に近寄ってくる男性の中には
時々、娘自体が医者というより
家系全体がそうであることを狙って
近づいてくる人もいたりして
兄の方はもっとですけど
結婚相手選びは親の方が
慎重になってしまうものですから。」
翔くん
「なるほど…そういうことでしたか。」
確かに不躾な質問で驚いたが
その理由を聞けば
最初の質問責めも
納得出来なくはなかった。
しかし母親からの質問攻めは
まだここで
終わりではなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Pick Item
お花の定期便で、チビパンダはお花に詳しくなりました
毎週家族でおいしくいただいております
いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」
11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋に嫁ぐ。」