登場人物

春菜ちゃん・・34歳

絶賛婚活中で、婚活アプリ初心者です。

スペックの高い方を求めてしまう病で、

自分でもこじらせている自覚ありだそうですが

共感してくださる方がいらっしゃったら幸いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

アプリのプロフィール写真に

10年前の

一番いけているときの自分にしていた

お医者さん。

 

気持ちは分からなくもないけれど

流石にやりすぎだと思った。

 

 

違いすぎて実際に

お会いした時とのギャップがあるので

やめたほうがいいですよと言いたかった。

 

 

 

春菜ちゃん

「お医者さんは

 このアプリを使い始めてからずっと

 あのプロフィール写真なんですか?」

 

 

お医者さん

「いえ・・

 最初は今の自分の姿を自撮りして

 そのまま載せてたんですよ。

 

 でもそしたらいいねの数も少ないし

 時々くるメッセージは

 若い女の子から

 

 (会うたびにお金をいただけるという

  契約を結びませんか?)

 

 とか最初から

 お金目当てのメッセージが来ましてね。」

 

 

春菜ちゃん

「なるほど・・」

 

 

お医者さん

「それで・・・

 春菜さんのようにある程度

 やりとりのきっかけさえできれば

 その後、僕の中身を

 見てもらえるのではないかと…

 

 …でも、違いすぎますかね。」

 

 

 

違いすぎるというか

身長に関してはもはや嘘というか・・

 

それならある程度メッセージをした後に

会う前に教えてくれれば

初対面の衝撃は少なかったのに・・

 

 

プロフィールには

ざっくりした年収の欄が記載してあったが

お医者さんの年収は

2000万円だった。

 

 

 

春菜ちゃん

「不躾なことを伺うのですが・・・

 

 私の知り合いのドクターは

 大学病院に勤めているんですが

 年収は

 お医者さんが書かれていたほどではなくて

 

 でもお医者さんのプロフィールでは

 年収も高かったので

 そこに惹かれてしまう女性も

 正直多いのでは・・・」

 

 

 

あぁ、それは私か。

 

 

春菜ちゃんは

自分で自分に突っ込みつつ

少し落ち込んだ。

 

 

医者で見た目も良くて

年収2000万円の人が

自分なんかと

マッチングしてくれるわけないのか・・

 

 

 

お医者さん

「年収には嘘はないんです。

 

 僕は普段大学病院に勤務してるんですが

 土曜日も別のところに勤務したり

 大手メーカーさんの

 サプリの開発に携わったりしてるんです。」

 

 

そう言ってお医者さんは

勤務中に撮った写真や

そのサプリの写真を

いくつか見せてくれた。

 

 

 

…医者っていうのはやっぱり

嘘じゃないのか…

 

そういえばここのオーナーさんだって

患者様だって言ってたもんな…

 

 

 

春菜ちゃん

「プロフィールには

 見た目はある程度ありのままで

 

 さっきおっしゃっていたようなことを

 率直に載せてみたら

 きっとお医者さんの良さが

 伝わるって思います。」

 

 

 

お医者さん

「…そうですね。

 

 でももう、プロフィールを

 変更する必要なさそうです。」

 

 

 

春菜ちゃん

「え?」

 

 

 

お医者さん

「だって今

 春菜さんのように素敵な方に

 出会えましたから。」

 

 

 

その時、美味しそうな

フィレ肉がテーブルに運ばれてきた。

 

 

 

あ、いや。

 

 

出会えましたからって…

 

 

 

 

でも春菜ちゃんは何故か

ここではハッキリと断れなかった。

 

 

この時春菜ちゃんの頭に浮かんだのは

 

不器用だけれど

悪い人ではないのかもしれない。

 

痩せたら10年前の

あの写真の人になるのなら

自分がなんとかすれば

なんとかなったりもするんでは・・

 

 

そんな風に

思ってしまったのだ。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」