登場人物
春菜ちゃん・・34歳
絶賛婚活中で、婚活アプリ初心者です。
スペックの高い方を求めてしまう病で、
自分でもこじらせている自覚ありだそうですが
共感してくださる方がいらっしゃったら幸いです。
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レストランは駅から近く
着くまでは
たわいもない話をした。
話していると、
メッセージのやり取りの印象と変わらず
穏やかで良さそうな人だったので
春菜ちゃんは安心した。
レストランに着くと
お医者さんは慣れた様子で
中に入ってゆく。
春菜ちゃん
「ここ・・
すごくいい雰囲気のお店ですね。
前にもいらしたことが
あるんですか？」
お医者さん
「実はここのオーナーさんが
僕の勤めている病院に
患者さんとして
来て下さってたことがあるんですよ。
以前たまたま食事をしに来たときに
お互い顔を見て、
あーってなったんですけど
色々よくしてくださるので
それから常連なんです。
嬉しい偶然でした。」
春菜ちゃん
「そうなんですか！」
春菜ちゃんはなんだかホッとした。
外見的なことが
プロフィールとあまりにも違っていたので
もしかしたら職業も
嘘をついているのかと思ったが
医者というのは
多分本当なんだろう。
ちなみに年齢は36歳で
春菜ちゃんより2歳上だった。
お医者さん
「春菜さんは、
お酒飲まれるんですか？」
春菜ちゃん
「はい、少しですけど。」
いや本当は
ものっすごい飲む。
私がもしこの場に一緒にいたら
「嘘つけぇぇぇぇい。」
と、春菜ちゃんに
咄嗟にツッコミを入れたと思う。
お医者さん
「いいですね。
わたしも多少は飲むので
もしワインが飲めるなら
ボトルでと言いたいところですが
次の日が仕事の時は、
22時までしか飲まないと決めてるので
グラスで頼んでもいいですか？
ワイン、飲めます？」
春菜ちゃん
「はい、好きです！」
それからお医者さんは
スマートにワインのオーダーを済ませ
お医者さん
「春菜さん、嫌いなものありますか？」
「お肉もお魚もいけますか？」
色々と気を遣ってくれて
なんだか心地良ささえ感じた。
見た目のことはやっぱり気になるが
この先長く一緒にいるって
そういうことではないのかもしれない。
何よりこの人はお医者さん（←しつこい）
春菜ちゃんはこの肩書に
とても惹かれていた。
それから、
グラスワインがテーブルに運ばれた。
では。
お医者さん
「初めましての
乾杯をしましょうか。
じゃあ、今日出会えたことに。
It’s a pleasure to meet you.」
春菜ちゃん
「あ、えっと、え。
さ、さんきゅー。」
なんか今英語で
会えて嬉しい的なことを言われたな。
こんな乾杯の仕方は初めてだけど
まぁいいか。
飲むか。
って本当は
一気に飲み干したいくらいだったが
前菜が運ばれてくるまでの間
春菜ちゃんはグラスワインを
ちびちび飲むことにした。
お医者さん
「春菜さん、メールでも伺いましたが
ああいったアプリでの出会いって
今回が初めてなんですか？」
春菜ちゃん
「はい、初めてなので
実は今日すっごく緊張してたんです。」
お医者さん
「いやぁ、そんなタイミングでお会いできて
僕はラッキーですね。
他にも、マッチングした方って
いらっしゃるんですか？」
急にお医者さんが
質問大会をし始めた。
春菜ちゃん
「そうですね、マッチングした方は
何人かいらっしゃいましたけど・・
ここまで何日も会話のラリーをして
LINEの交換までしたのは
お医者さんだけです。」
お医者さん
「それはすごく嬉しいですね。
でもそれなら・・」
ワイン以外
まだ何も口にしていない中
お医者さんが急に
真面目な顔つきになった。
春菜ちゃん
「？？？」
お医者さん
「春菜さん、急ですけど
あのアプリ、
2人揃って今から
退会しませんか？」
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」