登場人物
春菜ちゃん・・34歳
絶賛婚活中で、婚活アプリ初心者です。
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お医者さんとのやりとりは
比較的スムーズだったけれど
パッタリと連絡がない日もある。
アプリという性質上
他の女性から来ている『いいね』の数も
わかるようになっていて
そのお医者さんは他の男性と比べても
圧倒的にいいねの数が多かった。
仕事上、すぐに返信できないのはわかるけど
もしかしたら今ごろ
他の女性と会ってるのかも…
と思ったりして、少し不安にもなった。
春菜ちゃんもそれなりに
同時進行で別の方とやり取りもしたが
気持ちが入らないせいか
なかなか続かなかった。
丸１日音沙汰が来なかった後
また、お医者さんから返信がきた。
お医者さん
「昨日は急患で、バタバタして
大変でした！
春菜さんは何されてましたか？」
春菜ちゃん
「お仕事お疲れ様です！
急患って、大変でしたね。
お忙しい中、返信ありがとうございます。
私はいつも通り仕事をして
その後後輩と飲んで帰りました。」
ここで
（僕も一緒に飲みたいですね）
と言って欲しかったが
そうは帰ってこなかった。
お医者さん
「会社の後輩と仲がいいって
素敵ですよね。
同性の友達が多い人はいいなって思いますし
春菜さんは男性からも
モテそうですよね。」
春菜ちゃん
「そんなことないですよ！
だってお医者さんのいいねの数、
凄いですよね。
やっぱりその分
やりとりされてる方も多いですか？
既に何人かとは
お会いなりましたか？」
今、一番聞きたいことを聞いてみた。
お医者さん
「正直に話すと
僕はこのアプリを初めて
1ヶ月になるんですが、
お二人の女性にお会いしました。
2人とも１回お会いしただけで
フェイドアウトになったんですが…」
1度会っただけでフェイドアウト・・
なんとなく
それは何故ですか？
とは聞けなかった。
するとお医者さんから、ある提案があった。
お医者さん
「春菜さん、
僕今日これから勤務なんで
またしばらく連絡が出来なくなりますが
よかったら連絡先交換しませんか？
それなら休憩の合間も
多少は返せると思いますから！」
春菜ちゃんはそれが純粋に嬉しかった。
と同時に、
学歴コンプレックスがある春菜ちゃんは
これまでの自分の好みが
見た目より、
スペックの高い男性に
惹かれてしまうことを知っていたので
もしこの彼と付き合えたら
自分の彼氏がお医者さんになるのか・・
親には喜ばれるだろうし
友人にも、ちょっと鼻が高いなぁ・・
と、そんなことも考えていた。
その日の日中、
お医者さんからは一度も連絡がなかったが
夜になり
お医者さん
「やはり勤務中は、
休憩時間といえどなかなか
携帯を見る時間とかないですね。
すみません、結局遅くなってしまって。」
こんな返信が来て
むしろ仕事熱心だなと思い
とても好感度が高かった。
それからは、
アプリでのやり取りより
スムーズに連絡が出来るようになり
１週間後
ついに春菜ちゃんとお医者さんは
会うことになった。
場所は品川。
レストランを予約したので
●○口の改札を出たところで
待ち合わせしましょう。
そんなやり取りを
春菜ちゃんはとても嬉しそうに
私に教えてくれた。
当日。
電車に乗りながら
春菜ちゃんはもう一度アプリを開いた。
最近ずっと
LINEでやり取りをしていたので
そういえばどんなお顔だっけと思い
プロフィールに載っている写真を
改めて確かめたかったのだ。
うん。
やっぱり素敵な人だと思う。
決してイケメンというわけじゃないけれど
気のせいか、
お医者さんという職業を知っているからか
やはり品とか知性みたいなのを感じる。
アプリから直接誰かに会うというのは
これが人生初のことだが
その間にやり取りしていた人には
まだ１回くらいしか
メッセージを交わしていないのに
「プロフィール以外の写真送ってー」
と言われたこともある。
見た目が重要なのもわかるけれど
なんのやりとりもしていない人に
自分の写真を送るのは抵抗があり
そんな理由もあって
お医者さんのように
写真を求めてこない人に
品のようなものを感じていたのだ。
見つけられるかな
見つけてもらえるかな
なんだかドキドキしながら
待ち合わせ場所に向かった。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」