シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
義母(タケシの母)・・専業主婦。息子であるタケシの不倫発覚後、謎に肩を持っていたが、それは自分のためだった。タケシから毎月、高額の仕送りをもらっていた。
義父(タケシの父)・・全てを知った、義父の反応は・・
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みどりさんが泣いて
タケシが泣いて
しばらく誰も、一言も発さないままの
時間が流れた。
しかしそれからまた
みどりさんのお父さんは
これまでのタケシの話や
お義母さんのことで
その時の状況や気持ちを聞きながら
ため息をついていた。
みどりさんのお父さん
「今日話した事が
本当に実行されるかどうか…
今までの行動を伺った限り
全てを信じるのは難しいですが
とにかくこれ以上
ここで話し合っても仕方がないので…」
タケシの父が
頷いて、席を立った。
タケシの父
「今までご迷惑をおかけして…
本当に…
申し訳ございませんでした。」
タケシの母
「…申し訳…ございませんでした…」
義母がやっと、
謝罪の言葉を述べた。
そんなことで、
みどりさんの心は
軽くならなかったけれど。
けれどお父さんの言う通り
これ以上ここで
過去の話を聞き出したところでもう
何かが修復するわけでもないし
解決策が見つかるわけでもない。
みどりさん
「では今後は、
弁護士を通して
ご連絡させていただきます…」
タケシ
「はい…」
◆
不倫が発覚して
この話し合いになるまでに
どれだけの時間が過ぎただろう。
それなのに
こうして4人で集まった今日
悲しいほどあっさりと話が進んだ。
タケシたちが玄関を出ると
みどりさんは放心状態で
しばらくその扉を眺めていた。
今この場では
自分は何も変わっていないけれど
変わったんだ。
変わるんだ・・・。
みどりさんのお父さん
「…母さんに電話して、
すぐに戻ってきてもらうか?
それとも少し1人で
横にでもなるか?」
お父さんの言葉で
ふっと我に返った。
みどりさん
「あぁ…ごめん、少し横になる。」
みどりさんは
昔自分が使っていた部屋に入った。
結婚する時に
当時のものはほとんど整理して
今は里帰りをした時に
この部屋に家族で寝ていたが
それでも捨てられなかった
高校時代の思い出たちが目に入り
いろんな感情が込み上げてきた。
「あんなやつ1人失ったところで
お前の世界は終わらないからな。」
お父さんの言葉を思い出し
青春時代を過ごしたこの部屋で1人
声を上げて泣いた。
◆
みどりさんはいつの間にか
1時間くらい眠っていた。
気がつくとキッチンの方から
子供たちの声がした。
みどりさん
「よし。」
みどりさんは顔を上げて
洗面台に向かった。
顔を洗ったら、あの子たちの
お母さんの顔に戻ろう。
だってこれから
私が守っていくんだから。
※間もなくこのシーズン6は終わりを迎えます。
この後、タケシや義母は本当に変わったのか。
みどりさんたちは今、幸せなのか。
皆さんからのコメントやメッセージにも
その先をご心配してくださっている方が多かったため
しっかり書きたいと思います。もう少しお付き合いください。
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ブログを読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」