シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
義母(タケシの母)・・専業主婦。息子であるタケシの不倫発覚後、謎に肩を持っていたが、それは自分のためだった。タケシから毎月、高額の仕送りをもらっていた。
義父(タケシの父)・・全てを知った、義父の反応は・・
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みどりさんが送った
慰謝料と離婚の請求に対して
離婚したくない。
そう言い出したタケシ。
それからアホみたいに
(あら失礼。)
電話やメール攻撃。
みどりさんは電話には一切出ず、
メールは全てコピーした。
「俺が悪かった。」
「子供に会いたい。」
「もう2度と
悲しませるようなことはしない。」
「最後のチャンスが欲しい」
「子供たちには両親が必要だ。」
「親に孫たちの顔を
これからも見せてあげたい。」
「今も実家にいる。
みどりや子供たちがいる家に
早く帰りたい。」
私はこのメールを見て
タケシは何かの病気かとすら思った。
心のどこかが完全に
欠落している。
そして同時に心のどこかで
みどりさん、惑わされないでね!
と願っている自分もいた。
勿論戸惑う気持ちはわかる。
かつては愛した男で、
子供まで授かった。
自分さえ我慢したら
もしかしたらこれまで通り
いやもっと彼は心を入れ替えて
生きていってくれるかもしれない。
そう思って再構築する夫婦も
世の中たくさんいるだろう。
でも違う。
タケシはきっと
そんなまともな人間ではない。
ここまで人を周りを振り回す男と
元鞘みたいなことになったら
私はもうみどりさんとは
関われないとすら思っていた。
◆
このメール攻撃の中
みどりさんは
お義父さんに電話をした。
タケシの父
「みどりさん、ああ。
久しぶり、元気かな。
気になってたんだけど
私から電話しても
…なんか迷惑かなと思ってね。」
みどりさん
「そんな!そんなわけないです。」
それからみどりさんは
お義父さんに、
子供たちへのアドバイスのお礼や
この1ヶ月ほどの状況を説明した。
みどりさん
「それで…タケシさんから
毎日メールが届くんですが
お義父さんたちがどうしているかは
一切書いてなくて
自分のことばっかりで…
タケシさん、今も実家にいるって…
それで今お義父さんは
お義母さんとのことも・・
どうされてるのかなって…」
タケシの父
「それが・・
母さんがなかなか出て行かなくてね
離婚にも応じない
って言うんだ。」
やっぱり。
親子揃って、これか。
わかってはいたけれど
最低だ。
タケシの父
「この年になって
弁護士を挟んで争うのが
本当に面倒というか大変でね…
毎日顔を突き合わせて
そんな話をするのも嫌になって
わたしの方が
一旦家を出てるんだ。」
みどりさん
「え?お義父さんが家を出てるって
一体どこにですか?
それならうちに!」
聞くとお義父さんは
近くに住む実の兄の家に
居候をしているらしい。
お兄さんは奥様が亡くなって
お子さんたちも独立して
1人で暮らしているそうだ。
タケシの父
「だからわたしの暮らしは
問題ないんだが…
でも…
このままじゃあ私もみどりさんも
前に進めないな…」
電話越しのお父さんの声が
弱っていて、切なかった。
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ブログを読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」