シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
義母(タケシの母)・・専業主婦。息子であるタケシの不倫発覚後、謎に肩を持っていたが、それは自分のためだった。タケシから毎月、高額の仕送りをもらっていた。
義父(タケシの父)・・タケシの不倫も仕送りも、何も知らない。
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お義父さんは
タケシを平手で殴ったけれど
みどりさんや
お義父さんの心の痛みは
そんなものとは
比べものにならなかっただろう。
タケシが泣き叫ぶ横で
義母は放心状態になっていた。
タケシの父
「…母さん。
…一体どういうことだ。
急にホストにハマったなんて…
そんな若い相手が
本気で好いてくれてたって
今でも思ってるのか?
もしも相手が母さんに本気なら
その男のところに行って
タケシと一緒に
心置きなく暮らしたらいい。」
お義父さんは
義母さんに対しては
怒りを通り越して
泣き顔で呆れていた。
タケシの父
「でも俺は…
不思議で仕方ない。
本当に母さんのことが好きなら
どんな仕事をしてでも
好きな相手のために
家族のために
必死で働くのが男だと思ってる。
世代が違うから
俺にはわからない考え方なのか?
母さんが専業主婦ってわかってて
そんな相手に30万円払わせる男の
どこが愛情深いんだ。」
タケシの母
「…父さんには
私の今までの苦労なんて
何にもわからないのよ。」
タケシの父
「……。」
あのお義父さんの涙を見て
言葉を聞いて
ここまできて
謝罪の言葉もない義母は
タケシ以下だと
みどりさんは思った。
タケシの父
「そうだな・・
俺はお前のこと、
こんなに長いこと一緒にいて
何にもわかってなかったんだな。
でももうこれから
楽になるな。
今後は1人ででも
タケシとでも
好きに生きて
いけばいい。」
これが、義父なりの
絶縁宣言だった。
タケシの母
「な、何よお父さん。
私と別れるつもりですか?」
タケシの父
「別れるつもりだったのは
母さんだろう?」
タケシの母
「お父さんは1人では
何も出来ないじゃないですか!」
タケシの父
「…母さん…」
お義父さんは
深いため息をついた。
タケシの父
「母さん…悲しいよな…
俺は、俺自身が
何も出来ないからって
母さんと暮らしてたわけじゃない。
別れたら不便だから
結婚を続けてたわけじゃない。
これまでの結婚生活で
家族と母さんを
愛してきたつもりだったよ…
だから必死で働いた。
…どうして・・
こうなってしまったんだろうな…」
みどりさん
「う・・うぅぅ・・」
お義父さんの表情を見たら
涙が止まらなくなった。
胸が張り裂けそうだった。
どうして
どうしてお義父さんが
こんなひどい目に?
一体私たちが
何をしたっていうの?
タケシ
「父さん!!
俺は最低なことをした!
でも母さんは
母さんだけは
一時の気の迷いだったって
許してやってほしい!
ダメだよ、
2人ともここまで一緒にやってきて
離婚なんて!」
みどりさん
「タケシ。
やめてよ。
あなたに止める権利なんてない。
ねぇ、親の離婚って、
悲しいでしょ。
それが、不貞行為が原因って
最低でしょ?
…それが、
今の大地と葵の気持ちよ。」
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」