シーズン6

大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。

妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。

お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。

お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。

義理母(タケシの母)・・息子であるタケシの不倫発覚後、謎に肩を持っていたが、それは自分のためだった。

若林ヒロミ・・・・タケシの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。

若林裕介・・・ヒロミの息子。若林夫・・・ヒロミの夫。

カナちゃん…葵ちゃんの友達

カナちゃんママ…みどりさんのママ友で、タケシの不倫相手。タケシのことをタッくんと呼ぶ。

 

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その日みどりさんは

タケシの実家に着いてゆくかどうか

迷っていた。

 

 

義父の反応は気になるが

もし何にも知らなかったなら

60代になりさらに今から、

妻や子供に苦しめられる姿を

見るのが辛かった。

 

 

反対にもし

全てわかってのことだったとしたら

どうして止めなかったのかと

責めたくもなる。

 

 

うちにいる子供達も気がかりだ。

 

 

 

みどりさんは迷った末

一旦お手洗いに立ち

大地くんに電話をかけた。

 

 

 

大地くん

「あ、お母さん?

 大丈夫?

 

 

 あ、うんこっちは平気だよー。

 

 葵が今、

 なんかカレー作ってる笑

 大丈夫かな笑」

 

 

 

大地くんの声を聞いて

涙が溢れそうだった。

 

 

子供達は本当に

いい子に育った。

 

 

そんな中でこれ以上

大人がこんな感じでいいわけがない。

 

 

 

みどりさん

「ちょっとこれから、

 おばあちゃん家に行ってくるけど

 まだ2人で平気?」

 

 

 

すると葵ちゃんが

電話口に出た。

 

 

 

葵ちゃん

「おかーさん、冷蔵庫のお肉

 使っていい?

 

 夜は私が作るからね!

 食べずに帰ってきてね!」

 

 

 

みどりさん

「うん、ありがとう。

 お母さん帰るの楽しみだよ。」

 

 

 

大地くん

「あっ、お母さんごめんね。

 急に葵が携帯奪ってさー。

 

 2人で大丈夫だから!

 気をつけてねー!」

 

 

 

電話を切り

みどりさんは鏡を見て

気合いを入れた。

 

 

 

 

 

 

席に戻り

みどりさんは告げた。

 

 

 

 

 

みどりさん

「タケシ。

 

 あなたの(すまない)っていう言葉、

 残念だけどもう私には

 届いてないの。

 

 これから頑張ると言われても

 何一つ信用できない。

 

 だからそれを信用して欲しいなら

 これから先を頑張るしかない。

 

 あなたとはこの先の人生

 もう一緒にいられないけど

 それでもあの子達の父親として

 どうかもうこれ以上

 恥じるような生き方はしないで。

 

 今から義父さんには

 私も会いに行きます。

 

 そこでもどうか

 あなたの誠意を見せてください。」

 

 

 

タケシは黙って頷き

それからタクシーで、

タケシの実家に向かった。

 

 

その車内は誰も

一言も話さなかった。

 

 

 

 

程なくして、

タケシの実家に着いたら

義父がみどりさんの顔を見て

少し驚いていた。

 

 

義父

「おぉ、みどりさんまで。

 いらっしゃい。

 

 今日は3人揃ってどうした?

 

 孫たちは?一緒じゃないのか?」

 

 

 

重たい空気を察した義父が

心配そうな表情を浮かべた。

 

 

 

みどりさんは胃のあたりが

きゅっと痛くなるのを感じた。

 

 

 

 

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これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」