シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・タケシの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。若林夫・・・ヒロミの夫。
カナちゃん…葵ちゃんの友達
カナちゃんママ…みどりさんのママ友で、タケシの不倫相手。タケシのことをタッくんと呼ぶ。
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これまで我慢して我慢して、
必死に耐えていた気持ち。
しかしタケシの
無神経な言葉が引き金になり
みどりさんは壊れた。
大地くん
「お父さん!!お母さんに
何言ったんだよ!!!!
なんだよこれ!!」
騒ぎを聞いて、
慌てて飛んできた大地くんが
みどりさんを抱きしめながら
タケシを責めた。
葵ちゃん
「お母さん、お母さん!
大丈夫だから、
落ち着いて!」
葵ちゃんもベッドに飛び乗り
みどりさんを抱えるようにして
背中をさする。
そして葵ちゃんは
タケシをキッと睨んだ。
葵ちゃん
「お父さん、
今すぐこの部屋から出て行って。
これ以上お母さんのこと傷つけたら
一生許さない!」
タケシ
「・・すまない・・
そんなつもりじゃ・・」
葵ちゃん
「いいから出て行ってよ!!」
タケシは項垂れ、
部屋を出て行った。
葵ちゃん
「お母さん、大丈夫。
大丈夫だよ。
ゆっくり呼吸して!」
みどりさんは、
軽度の過呼吸を起こしていた。
こんなことは初めてだった。
胸が苦しくて、涙が出て
声が出てこない。
こんな状態になっても
みどりさんの頭の中は
(私は母親失格だ
こんな姿を、
2人に見せてしまった。)
そうやって
2人のことを思って
涙が止まらなかった。
その日みどりさんは
いつの間にか眠っていた。
子供たちに支えられ
必死に呼吸を整え
横になったことは覚えている。
とはいっても、ほんの数時間だけ。
時計を見たら、
時刻は真夜中だった。
目が覚めたら隣で
葵ちゃんと大地くんが
寝息を立てていた。
(これからは私が絶対に
2人のことを守るから・・)
みどりさんは
子供たちの寝顔を見ながら
声を押し殺して、
朝まで泣いた。
◆
リビングに行くと
タケシがソファーで寝ていた。
本当にこの男は
どうしてこうやって
眠っていられるのだろう。
叩き起こしたい気持ちもあったが
タケシから発される言葉は全て
嘘の塊か、怒りしか生まれない
しばらく話したくない。
そう思って、
みどりさんはタケシの隣で
タケシにLINEを送った。
みどりさんのLINE
「今日からしばらく
せめて1週間、
帰ってこないでください。
心落ち着ける時間と
子供たちと話す時間が欲しいのです。」
それだけ送るとみどりさんは
子供たちの朝食の準備をし始めた。
物音に気づいたタケシが
起き上がって、みどりさんを見つける。
タケシ
「みどり、あの・・昨日は・・」
みどりさん
「寝室で、
携帯を見てきてください。
LINEを送っています。」
みどりさんはそれだけ伝えると
もう一言も話さなかった。
タケシが黙って
寝室に向かう。
20分後
タケシ
「…近くのホテルで
しばらく過ごすから・・」
タケシは、
仕事に行く準備と
小ぶりのボストンバックを抱えて
出て行った。
みどりさんは
顔は見なかったが、
タケシが泣いていたことだけは
わかった。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」