シーズン6

大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。

妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。

お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。

お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。

若林ヒロミ・・・・タケシの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。

若林裕介・・・ヒロミの息子。若林夫・・・ヒロミの夫。

カナちゃん…葵ちゃんの友達

カナちゃんママ…みどりさんのママ友で、タケシの不倫相手。タケシのことをタッくんと呼ぶ。

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カナママ

「なんで私が

 慰謝料払わないといけないのよ!

 

 夫になんか、

 話すわけないでしょ!!」

 

  

 

そんな台詞を吐いたカナママに

みどりさんは

携帯の画面を見せた。

 

 

 

 

「そういうわけでした。

 聞こえてましたか?

 ご主人。

 

 

 

カナママの夫

はい。

 聞こえていました。」

 

 

 

カナママの顔が

サッと青ざめた。

 

 

ヒロミはまだ俯いたままで

 

タケシは今にも

干からびそうな顔つきをしている。

 

 

 

 

カナママ

「何よ!これ!

 こんな卑怯な真似して!

 

 こんなことして

 許されると思ってるの?!!」

 

 

 

 

「そうですか?

 卑怯、ですか?」

 

 

 

カナママ

「だってこんなのおかしいでしょ!

 大体」

 

 

 

カナママの夫

「……お前…

 本当ヤバいな。」

 

 

 

 

スピーカー越しに

カナママのご主人の声がする。

 

 

呆れなのか、怒りなのか。

どっちの感情かは

まだわからなかった。

 

 

 

 

さて、

 

私たちは一体

いつから繋がっていたか?

 

 

それは…







遡ること91話目。

 

 

 



 

 

 

 

タケシを呼び出して、

待っている間。

 

 

カナママのご主人に

一旦電話してみようと言い出したのは

みどりさんだった。

 

 

みどりさんはカナママと

家への行き来は何度もあって

ご主人ともかなり

面識があるそうだ。



子供達が小学生の頃は

お互い自宅に預けたり

家族同士で出かけたり。



その関係性を聞けば聞くほど

吐き気も嫌気も増す。






とは言ったものの

言い出したみどりさんにも

迷いはあった。


 

 

みどりさん

「…カナママのご主人に知らせるって

 …これって、

 ダメなことですかね…

 

 自分で提案しておいてなんですけど

 知らせたら・・・



 私があえてご主人を

 傷つけることになるんでしょうか。

 

 このまま、カナママが

 何にも話さなければ

 知らずに生きていく選択肢も

 ないわけではないですし・・」

 

 


面識があるからこそ

知らせたい、知らせたくない

みどりさんがそう思うのも

無理はない。

 

 

 

「うーん、確かに悩みますね…




 でも…カナママが自分から

 タケシさんとのことを

 知らせることがないのなら


 …私なら

 話すかもしれません。



 

 今後このままカナママが

 何事もなかったかのように

 暮らしていくのだとしたら

 私も許せないですし。」

  

 



 

みどりさん

「そうですよね・・・

 

 

 カナママのご主人って

 確かにあまり話さなくて

 ちょっと強面なんですけど

 

 すごく子煩悩なんですよ。

 カナちゃんも

 パパ大好きって感じで。」

 

 

 

「…そうですか…

 

 それで実際、

 カナママところは、夫婦仲は

 どうだったんですか??」

 

 

 

みどりさん

「それが…


 別に仲が悪いって感じも

 なかった気がしますけど・・・

 

 だけど…わかりません。



 そもそも私自身が

 タケシの不倫に

 全然気づかなかったわけですから…

 

 私は鈍感なんでしょうね・・」

 

 



「いやぁ・・タケシさん

 相当うまく

 やってたんだと思いますよ。」





さぁ、そろそろ決断しないと

タケシもやってきてしまう。






 「…それで、どうしますか?


 ご主人に伝えるのは

 今日じゃなくて録音でも

 大丈夫だとは思いますが


 ここまできたらもう…」

 

 



みどりさんは

大きく頷いた。





 

その時はまだ

カナママを呼び出す前。

 

 

自宅に電話をしたら

カナママが出る事だってある。



けれどみどりさんは

ご主人の携帯番号までは知らないので



 

 

一か八かで、まずは私が

自宅へかけた。





 

 

カナママの夫

「はい、○●です。」

 

 




 

うおっ。出た!

 



 

いや、かけたのこっちだけど。






だけど普通に男性の声がして

カナママが出てくるより

なんだかびっくりしてしまったのだ。

 


 

 怒鳴られる?



傷つける?



泣かれる?


 

 

いろんな反応を想定した。





 




 

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これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」