シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・タケシの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。若林夫・・・ヒロミの夫。
カナちゃん…葵ちゃんの友達
カナちゃんママ…みどりさんのママ友で、タケシの不倫相手。タケシのことをタッくんと呼ぶ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
背中越しに、タケシの緊張が伝わる。
その時点ですでに
カナママに電話をかけてから
20分以上経過していた。
途中で
あ、私が背中を向ける必要ないのか。
と思い、私は
みどりさんの向かい側に座った。
タケシがもしかして携帯で
今の間にカナママなどに
口裏合わせでもしていないか
そんなことが気になって
ふと座席を覗き込んだが
タケシがさっきお手洗いに立った際に
携帯を置いて行った場所からは
一つも動いてなかった。
タケシはどうやらそんなこと
全く考えられないくらい
追い詰められていたのかもしれない。
それからさらに
10分は経過しただろうか。
私とみどりさんはこの時
タケシには聞こえないように無言で
LINEで言葉を交わしていた。
お店の入り口で
セミロングのヘアスタイルの女性が
キョロキョロしている。
フワッとしたワンピースを着ていて
化粧が濃いヒロミとも
賢そうなみどりさんとも
また全然タイプが違う。
「あ、たっくーん!!」
その声とともに、
みどりさんの表情が強張った。
タケシの顔は、私からは見えないが
軽く手をあげた。
カナママ
「ごめんねー、待たせちゃってー。
家出るときに、
なんて言ったらいいか
理由に困っちゃってさー。
ひとまず家に旦那もいるけど
お母さんに連絡して
家に向かってもらってるー。
あれ、たっくん
コーヒーしか飲んでないの?
私、なんかデザートも
食べちゃおっかなー」
座って早々に
ベラベラと話し始める女。
これがカナママか。
そしてこの女は自宅から
実家が近くて…
それで自分の母親に子供を預け
タケシに会ってたのか・・・
…必殺ノープランの私の頭の中は
ノープランだけに
どこで突撃したら良いのか
必死に頭の中を
様々な考えが駆け巡っていた。
。。。しばらく泳がせよう。
途中で
タケシが振り向くかもしれないし
ヒロミが来るかもしれないが
タケシとカナママの会話には
LINEなどの証拠がない。
突然話しかけるより今は
このペラペラ女の話を
少し聞いていた方がいくつかは
ボロが出るかもしれない。
そう思った。
カナママ
「そういえば先週の
あそこのお肉美味しかったねー。
またお肉食べに行きたいなー。」
ねぇ。
ボロ出るの早くない?
あとお前たち。
先週会ってたの?
◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆
ブログを読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」