シーズン６
大地くん・・・シーズン６の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん（葵）・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん（みどりさん）・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん（タケシ）・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・タケシの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。若林夫・・・ヒロミの夫。
カナちゃん…葵ちゃんの友達
カナちゃんママ…みどりさんのママ友で、タケシの不倫相手。
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みどりさんはある程度泣いたあと
もうすっかり冷えたタオルを
顔に当てていた。
その膝に私の愛犬が乗っかって
大丈夫？
という顔で覗き込んでいた。
みどりさん
「正直タケシの不倫相手が
ヒロミだと知った時は
悲しみとかより
怒りの方が大きくて
離婚云々より、いかに二人を
追い詰めたり
懲らしめようかとか考えてました。」
みどりさんが
目を覆ったまま話し始めている。
みどりさん
「でも今日は本当に…
相手がカナちゃんママって聞いて…
なんか今も
ふわふわするというか…
信じられないというか…」
私
「そうですね…」
ふと、私は携帯を見た。
大地くんから着信があり
そのあとLINEが入っていた。
大地くん
「パンダさん、
お母さんのこと知りませんか？！
連絡が取れないって
父親が騒いでて…」
…連絡が取れなくて騒ぐってさ
まだ外は明るい。
自分のしでかしたことが原因なのに
タケシは子供の前で
何をやってるんだ？
私はため息をついて
みどりさんに話しかけた。
私
「みどりさん、
携帯を見てみてください。」
みどりさん
「携帯？…
…なにこれ
タケシから…
数分おきに電話が鳴ってます。」
私
「そうみたいです。
それで、大地くんが心配しているので
…あ、まずは私から
電話してみます。」
それから私が
大地くんに電話をかけると
少し前に
父親がひどい顔つきで帰ってきて
お母さんを傷つけてしまって
お母さんがいなくなったと
言っているらしかった。
すぐにみどりさんに代わると
大地くんは安心していたようだが
その時、
泣かなかったみどりさんを見て
胸が痛かった。
電話を切ると
みどりさんが私を見て
悲しい顔をして笑った。
さぁもう、立ち止まってはいられない。
ここで時間をかけていても
仕方ないとは思う。
私
「みどりさん。
家に帰ってからだと、周りに
タケシさんもお子さんもいるので
今、電話しちゃいませんか？」
みどりさん
「え、今ですか？」
私
「もちろん
みどりさんのタイミングもあるので
来週でも再来週でもいいんですけどね。」
みどりさん
「…いえ、例えこれが明日だとしても
結果は同じだと思いますし
それより今日こんな気持ちのまま
私は眠れないと思います。
じゃあ、今・・・」
いやでも、待って。
私
「みどりさん。
やっぱりタケシさんを
呼び出しましょう。」
みどりさん
「タケシを？」
私
「カナママに電話をしたあと
タケシさんに連絡されて
口裏合わせをされたらややこしいです。
今、タケシさんに
思うことだらけでしょうから
これからすぐに顔を合わせるなんて
嫌でたまらないと思いますし
私もお顔を見たら
ぶん殴り…あ、失礼。
イライラしてしまうかもしれませんが
こうなったらもう、
今動きましょう。」
みどりさん
「…確かに…」
そんなわけで、
みどりさんはタケシを呼び出した。
家の近所だと
誰が見ているかわからないので
私の家の近くを指定したが
タケシは
何がなんだかわかっていないのと
とにかくみどりさんからの連絡に
飛んできた。
まぁそれで
慌てて飛んできたらさ、
私
「あっ、こんにちはー
（ニコニコニコニコニコ）」
私がさ
横にいるからさ
タケシのお顔はさ
鳩が豆鉄砲を喰らったようなさ
そんなお顔に、なったよね。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」