シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。
若林夫・・・ヒロミの夫。
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みどりさんはヒロミから
これまでタケシがどんな風に
甘い言葉で口説いてきたのかを
聞き出すつもりだった。
その内容の中でもし
ヒロミの前でのタケシの本音が
本当は自分に至らぬ点があって
ヒロミに癒しを
求めていたのかもしれないなら
それならタケシを頭ごなしに
一方的に責め立てるだけの話し合いでは
いけないのかもしれないとすら
思っていた。
けど
そんな話より前に
我が夫のゲスな部分を
こんな形で目の当たりにするなんて。
本当に、思っていた展開と
なんか違う。
そっか…お金…
ヒロミが払ってきたのか。
そっか、
そっかそっか。
(空き缶カンコロカン)←この表現わかる人昭和。
・・・それなら。
ラッキーか。
とか言っちゃう悪魔の声は
私の心の声。
(ヒロミのご主人ごめんなさい。
この後の制裁や返金はこれから必ずしますよ)
だってもし自分の夫が
不倫した上に
相手の女にお金を使いまくっていたら、
我が子に使うべきはずのお金で
旅行や食事に行っていたとしたら
また違う怒りがこみ上げるじゃないの。
ヒロミ
「…じゃあ、
奥さんが全部お金を握ってて
お金がないって言うのは
嘘だったんだね…」
タケシ
「そういうことに…なります。」
ヒロミ
「じゃあ…奥さんが病気で
治療費がかかるっていうのは?」
は?
あぁ、妻が病気っていうのは
このお金の件で
出てきた嘘だったのか。
タケシ
「すいません、
一切そんなことは…
ありませんでした…」
タケシはヒロミより
みどりさんの方を見ていた。
ヒロミ
「なんで?なんでそんな嘘…」
え。そんなこと聞くの?
それはあなたが
遊ばれてたからだよ?
お金まで払ってくれて
都合がよかったんだよ?
みどりさんはその場で
そう言ってしまおうかと思ったそうだが
ご主人の手前
一旦その言葉は飲み込んだ。
みどりさん
「あの…ひとまずその問題は
後にしてください。
それで、映画を見て食事をして
…そういう関係に、
なったんですね。」
ヒロミ
「…はい。」
みどりさんは、
タケシの方を見た。
みどりさん
「あなたも、間違い無いのよね。」
タケシ
「…はい…」
みどりさん
「それでヒロミさん。
今のでわかりましたよね。
夫は嘘つきなんです。
私が思っていた以上に…
きっとこれまであなたに話した言葉は
自分の都合の良い
嘘ばかりだったと思います。」
ヒロミ
「そんな…」
みどりさん
「ちなみに2人は
これまでに色々食事をしたり
泊ったり・・・
お金がかからないわけ
なかったと思いますが
それって、そのお金って結局
ご主人の・・・」
ヒロミの夫
「…そう、なるんでしょうね。」
ヒロミのご主人は
ため息混じりに話に割って入った。
一体ここまでの会話だけでも
どんな思いで聞いていただろう。
自分の妻が不倫をしている事実
それだけでも最低なのに
自分が汗水働いて稼いだお金を
我が妻に、
この目の前の男と楽しむためだけに
使われていたなんて。
いっそ今ここで
この男を殴ってください。
止めませんから。
みどりさんは本気で
そう思っていた。
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ブログを読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」