シーズン6

大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。

妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。

お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。

お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。

若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。

若林裕介・・・ヒロミの息子。

若林夫・・・ヒロミの夫。

 

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ご主人との話を終え

みどりさんは身体も心も

ずっしり重かった。

 

 

自分はいったいこれから

どうしたらいいのだろう。

 

 

自分が撒いた種なら

自分でなんとか出来るけれど

登場人物が多すぎて

誰からどうしたらいいのか

全然わからない。

 

 

とりあえず…

 

弁護士の方に会う前に

自分なりに、誓約書を作っておこう。

 

あぁ、ヒロミに会った時に

何て言うかも考えておこう。

 

 

そうやって頭の中を忙しくしないと

どうにかなりそうだった。

 

 

 

その日

 

 

 

タケシがいつもより

早く帰ってきた。

 

 

タケシ

「話したいことがあるんだ。

 

 あとで、2人で話そう…。」

 

 

 

話したいことがある

 

 

何て表現されたら

なんだかこっちの方が

脅されているような気持ちになる。

 

 

その日の夕飯は

葵ちゃんは部屋から出てこず

大地くんも気を遣うように

早く食事を済ませると

そそくさと自分の部屋に戻ってしまった。

 

 

 

タケシはすっと席を立ち、

無言で洗い物を始めた。

 

 

タケシがこうして洗い物をすることは

珍しいことじゃない。

 

どちらにしてもリビングにいては

子供たちに万が一

話を聞かれたら困るし

みどりさんはタケシを置いて

先に寝室に向かった。

 

 

 

 

みどりさん

「パンダさん

 これからタケシが私に

 話したいことがあるんですって。

 

 その話が、

 離婚したいとか

 実はヒロミと一緒になりたいとか

 そんな内容だったらもう

 笑うしかないですね…」

 

 

話をする前に私宛に

みどりさんからLINEがあったのに

 

私はこの日忙しく

タイムリーには返信が出来なかった。

 

 

 

 

 

20分くらいして

洗い物を終えた様子のタケシが

寝室にやってきた。

 

 

タケシ

「……。」

 

 

みどりさん

「……。」

 

 

 

しばらく長い沈黙が流れた。

 

 

 

 

タケシ

「…あの…」

 

 

 

先に口を開いたのは

タケシだった。

 

 

 

タケシ

「みどりは…この先のこと 

 どう思ってる?」

 

 

 

あい?

 

 

 

話があるって言ったのそちらなのに

なぜ開口1発目が

質問なんでしょうか。

 

 

 

みどり

「どうして私が先に答えるの?

 話したいのはあなたよね。」

 

 

 

タケシ

「それはそうだけど…

 

 あぁ、じゃあこっちから話すよ。

 

 

 

 とにかく何度も

 同じことしか言えないんだけど…

 

 すまない…本当に…

 

 

 …あれから俺も

 

 仕事が手につかないんだ。」

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

おい。

 

 

いちいちイライラする男だな。

 

 

 

 

仕事が手につかない。

 

 

 

あ、そう。

 

 

 

 

自業自得

 

 

って言う言葉、知ってますか?

 

 

 

自分大変アピール男は

世の中まぁまぁいますけど

 

 

 

ここで言うか!?

 

 

 

 

 

みどりさん

「…それが、何?」

 

 

 

タケシ

「いや…だから…

 

 とにかく謝罪の言葉しか

 今は言えなくて…

 

 いや勿論行動でも

 ちゃんと示していくし

 信用してもらえるように

 生きていかなきゃいけないんだけど

 

 

 もしかしたら家族を

 失うかもしれないって思ったら

 

 怖くて怖くて…」

 

 

 

みどりさん

「…もしかしたらって

 それってこうなってから初めて

 やっとわかるような話なの?

 

 

 私はむしろ、

 そんなことも考えずに

 身近な女と不倫してたあなたが

 とっても怖いけど。」

 

 

 

タケシ

「…あぁ、そうだな…

 

 本当に、軽率だった…」

 

 

 

みどりさん

「それで、話って何よ。」

 

 

 

タケシ

「…だから…まず

 

 

4人で会うのは

やめにしないか?

 

 

 

 

みどりさん

「はい?」

 


 

 

 

 

 

 

 

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私がブログを書く理由。

 

これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」