シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。
若林夫・・・ヒロミの夫。
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みどりさん
「ご主人はヒロミさんに
…未練はないですか…」
みどりさんは自分でも、
何を聞いてるんだろうと思ったが
自分の決断力の無さと同時に
温厚で人の良さそうなご主人がどうして
ヒロミみたいな女と
一緒になったののかも
正直気になっていた。
ヒロミの夫
「未練ですか…
0か100かで答えるのは
とても難しいのですが、
あるかないかの比重の話をすると
ない、方かもしれません。
ただ、愛情が0になったとは
言い切れませんし
裕介を授かったことは
出会えたからですが…」
みどりさんは不謹慎だが
心のどこかで
(そう思えるっていいな)と
思ってしまった。
もちろんご主人の今の気持ちが
明日や明後日には
変わっているかもしれないが
今みどりさんを苦しめているのは
あんな最低夫とわかっているのに
わかりまくっているのに
今すぐ別れる決断も出来ないし
実際別れたところで
どう生活をしてゆけば良いのか
子供たちの気持ちはどうなのか
そんなことに
向き合う余裕も覚悟もないのだ。
ヒロミの夫
「奥さんは…きっとご主人を
愛してるんですよね。」
突然直球の質問がきた。
みどりさん
「愛…なんですかね・・
もはやそれがなんなのか
今は全然わからないんです。
意地とかプライドとか
見栄とか歴史とか
…なんかぐちゃぐちゃで…」
ヒロミの夫
「それはわかります。
でもやっぱりうちに比べたら
愛があるご夫婦ですよ。
家族仲もいいですし。
ヒロミはあの通り
好きになったら周りが見えません。
わたしと出会った時も
そうだったんですよ。」
ヒロミのご主人は
ポツリポツリと
ご自身のことを話し始めた。
ヒロミの夫
「一直線に愛情を向けてくれる人。
…それが、当時の自分には
可愛く見えたんですが
でも今思えばそのターゲットは
誰でも良かったのかなって
そう思います・・
ヒロミという女は
恋愛しているときは
その人しか見えなくて
見えなくなったら別の人を探す。
そういう女なんでしょう…。
結婚して間もないうちに
私にはもう愛情がないということは
あからさまに
わかりましたから…。」
みどりさん
「そうだったんですか…
裕介くんへの愛情は
どうですか。
側から見ている分には
息子さんのことは
可愛がっていたように
思えたんですが…」
ヒロミの夫
「可愛がっていたとは思いますが
…どちらかというと
小さい頃は着せ替え人形で
言いなりにならないと
ヒステリックになるというか
私も裕介もそれが面倒だから
ことを荒立てないように
黙っていた感じです。
今思えば…はっきり言わなかった
わたしのせいなのかもしれませんね
今の状況は…」
みどりさん
「そんな
そんなわけないです!」
みどりさんとヒロミのご主人は
お互いに自分を責め
お互いにそんなことないと
言い合いながら
だけど
どうしてこんなことになったのか
振り返りながら
答えなど絶対にでない
不毛な時間を過ごしていた。
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ブログを読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」