選べなかった場所
錆びたジャングルジムの端を指で押すと
剥がれた塗装のざらつきが皮膚に貼り付く
思考が同じ場所を
何度も往復していることだけが明確になる
生きるでも死ぬでもない
選択だけが保留のまま、現実を滞留させる
現実がボクの影をそこから追い出す
足は動かないのに
身体のほうが先にわずかに揺れる
何もかもが外側に滑り出す
触れたくない現実ほど
痛みにはならず鈍さとして残るだけで
救いといえる温度には程遠い
壊れたのは自尊心というより
何かを選ぶたびに
少しずつ削れていく輪郭のほうで
触れた指先の鈍さが
その欠けを静かに示してくる
守れなかった理由を探す癖だけが
まだ残っていて
それが今の重さを決めてしまう
守れなかったものの数を
数える癖だけが
ボクを過剰に拾い上げる
触れた指先の鈍さが
その全部をボクのせいにしようとする
言い訳より先に
沈む呼吸だけを抱えながら…
静かに突きつけてくる