知り合いの9割以上は...並以下だ!

 知り合いの9割以上は...並以下だ!

  知れば知るほど薄くなるのが人間の価値...最初から長持ちしない

人なんて最初から信じるもんじゃない

 

笑顔で近づいてくる奴も

優しい言葉をかけてくる奴も

裏では何を考えているか

分かったものじゃない

 

もちろん他人ばかりを悪者にするつもりはなく

調子のいいことばかり言って

責任から逃げ回っているボク自身も含めて

人間という種族そのものが全員まとめて

一回滅びてしまえばいいのだと本気で思う

 

こんな汚い世界で

信じた裏切られたと騒ぎながら

生き続けること自体が

無駄な労力に思えてくる

 

ボクも含めて全員死んでしまえば

誰も傷つかないし

誰の顔色をうかがう必要もなくなる

 

そうやって頭の中で

全人類を巻き込んだ

壮大な滅亡計画を

ぶち上げながら

自室の床にペタリと座り込んでいた

 

怒りと底なしの虚無感で

胸がいっぱいになり

世界に対する強烈な呪いの言葉が

次から次へと溢れ出してくる

 

だが、どれだけ大袈裟な殺意や絶望を

頭の中で捏造してみたところで

部屋の片隅に目をやると

一週間前に食べた

UFOの湯切り口のシールが

フローリングの溝に

ねっとりとこびりついているのが目に入った

 

全人類の滅亡を望んでいる最中に

自分の部屋の床にへばりついた

小さなプラスチックの破片が

気になって仕方がないのだ

 

不機嫌な顔のまま膝立ちになり

人差し指の爪をシールの端っこに引っかけて

カリカリと削り始めた

しかし、しつこい粘着剤は爪の隙間に

挟まるばかりで

本体はなかなか剥がれてくれない

 

カリカリ、カリカリと

部屋に爪の擦れる寂しい音だけが響く

 

世界を滅ぼすための怒りは

いつの間にか消え失せ

意識は爪の間に挟まった黒い粘着ゴミを

どうやって取り除くかという一点だけに集中していた

 

ボクは爪に息を吹きかけ、何度も床に指をこすりつけた