The Key of Midnight -13ページ目

恒例

期末試験中。

土曜日まで。

これさえ終われば、後はもう・・・・・・。

小川勝己 「撓田村事件」

小川 勝己
撓田村事件―iの遠近法的倒錯

岡山県の山間の集落・撓田。東京から転校してきた中学生が惨殺され、連続猟奇殺人事件の幕が上がる。犠牲者は皆、土地の権力者・朝霧家の関係者。遺体の下半身は、噛み千切られたような傷を残して失われていた。

惨劇は、三十年前に撓田を震撼させた忌まわしい出来事の再来か、あるいは朝霧家への復讐なのか―。

鬼才・小川勝己が横溝正史へのオマージュをこめて放つミステリの雄編。


◆ ◆ ◆


まずタイトルが読めません。「しおなだむらじけん」。

・・・・・・一体何故このタイトルにしたのか、疑問です。

それはともかく。

はやみねさんが、「本格ミステリ・ベスト10 2007」のオールタイムベスト1位に挙げていらしたこの作品。

全く聞いたことが無い本だったので、興味が湧き、すぐに買ってきて読んでみました。


これは・・・・・・。思った以上に、ストレートなミステリです。

青春小説+横溝正史といった味わいで、

基本的には陰惨な話なのに、どこか爽やかさも感じられる作品。


奇妙な見立て、下半身を切断された死体、連続しておきる事件――殺人/自殺/事故、隠された血縁関係、名探偵の推理、・・・・・・と、本当に「いかにも」なミステリなのですが、現代的な要素も取り入れてあったりして、面白いです。

勿論横溝正史が好きな人は勿論、そうでなくても十分に楽しめると思います。

事件の犯人は、あっさり明かされますが地味に意外ですし、

大きなどんでん返しなどはないながら、各所で小さな意外性をいくつも見せてくれます。

伏線の張り方も巧いですね。解決編では、何度も前のページに戻ってしまいました。

真相自体は、どれも気持ち悪いというか・・・・・・やはり、かなりどろどろしているのですが、

それでも最後まで、ページを捲る手が止められません。思わずひきつけられてしまいました。


総じて、よく出来たミステリ。

ストーリー自体が面白くすらすら読めますし、真相も十分に面白い。

痛々しい青春小説、としても読めますし・・・・・・・。

読後感も、何故か悪くありません。

少し、視点が落ち着かなかったりする部分もありますが、それを補っても良作だと思います。

8点

長めの話なので、無理して読むほどではありませんが。

読んで損はしない作品ではあると思います。

セオドア・ロスコー 「死の相続」

セオドア ロスコー, Theodore Roscoe, 横山 啓明, 森 英俊
死の相続

ハイチに住む実業家が死に、屋敷には七人の相続関係者が集められた。

「私の遺体は丘の上に深く埋め、棺には杭を打ちこむこと。財産は第一相続人にすべてを譲る。ただし、第一相続人が二十四時間以内に死んだ場合、第二相続人が権利を得る。第二相続人が二十四時間以内に死んだ場合には第三…」と奇妙な遺言が読み上げられる。遺言書をなぞるように屋敷では相続人が奇怪な死を迎えていき、そして最後に残された第七相続人に…。

息詰まるサスペンスと驚天の仕掛けで読者を奈落に突き落とす黄金時代の異端児による怪作がついに登場。


 ◆ ◆ ◆


・・・・・・なんとも凄いミステリです。

「そして誰もいなくなった」風の展開で、密室もので、・・・・・・ゾンビ。

登場人物は皆奇妙ですし、

文章も読みにくくどこか風変わり。

誰一人、感情移入が出来ない上、微妙な気持ち悪さがあるので、読んでいる間は結構辛かったのですが、

ラストまで読むと、本書がミステリとして非常に良く出来ていることに気づき、驚きました。

・・・・・・正直、最後の最後まで、「ギャグかネタ? ホラー?」と思いながら読んでいました。

終盤の棺桶のシーンは、恐怖というよりむしろ笑ってしまいましたし・・・・・・。

見事なまでに読みどころをはずしていた気がします。


ミステリとして見ると、かなり昔の作品にもかかわらず、伏線はしっかり張ってあったり、密室トリックもシンプルながら綺麗に決まっていたりで、かなり良く出来ていると思います。

フーダニット部分も、しっかり作ってありますし。

・・・・・・先ほども書いたように、読み方を間違えたので、序盤で犯人だけはあたっていたのですが。

というかそれを前提にして話を捉えていたので、通常と驚きどころまでが変わってしまったというか・・・・・・。

ただでさえ、海外ものに慣れておらず、読むだけで一苦労な作品だったので、

その上に変な誤解まで加わって、「読んでいる間の面白さ」があまり無かったのが残念です。


変な読み方をしなければ、良質のミステリです。

「傑作」というより、「怪作」と呼びたくなるような作品であるのも確か。

もう少し文章が読みやすければ、キャラクターに魅力があれば、といくつか不満なところもありますが、

この本が書かれた時代を考えると、これだけでも十分凄いです。


まあ・・・・・・ある意味ネタになるような本であるのも確かだったので、

バカミス系が好きな人は、読んでみると良いかも。

7点.。

横浜にて

昨日は、横浜方面に出かけていました。

午前中は、塾の申し込みをはじめ、サークルやマジック関係のことなど、たまっていたいくつかの用事を済ませ、

午後から某所にて、とある方のお祝い(?)オフ。

若干・・・・・・というかかなり、プライベートなことでしたので、特にレポートを書いたりはしませんが・・・・・・。

久々に大人数で、楽しかったです。

・・・・・・それにしても、お土産をいただいたり、奢って頂いたり、拙いマジックに付き合っていただいたりで・・・・・・。

皆さん、本当にありがとうございました。

なんでもないようなことかもしれませんが・・・・・・。

個人的に、とても得るものが大きかった一日でした。


巧く表現できないので、とにかく感謝です、としかいえないのですが、

いろいろと見直すきっかけになったかなー、と思います。

また次の機会にも、よろしくお願いします。

清涼院流水 「パーフェクト・ワールド Book.1」

清涼院 流水
パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.1

「なんて不完全なんだ、この世界は!」

京都で車イスの生活を送る一角英数――“エース”は特殊な能力に目ざめ、1日に1分間だけ、秘密のヒーローとして人助けを行っている。そんなエースの家に1年間ホームステイすることになった金髪の美青年“レイ”にも、まだだれにも知られていない危険な秘密があった……。
衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第1弾!

物語を読むだけで、“英語”と“京都”と“運命”の達人に!


 ◆ ◆ ◆


・・・・・・手を出してしまいました。

藁を掴むような思いで。


いや、話自体にはもとより全く期待していないのです。

ただ、「12ヶ月読めば英語が話せるようになる」というあまりにも嘘っぽい文句に、「どうせ役に立たないだろうけれど、0.1%でも可能性があるなら乗せられてみよう」と。

軽い気持ちで、借りてきて読んでみました。


・・・・・・いやー、これは。

凄いものを読んでしまいました。

小説、と言って良いのでしょうか。正直言って、評価不可能です。どう捉えれば良いのでしょう。

さすが清涼院。良い意味でも悪い意味でも、ネタになる本です。

数ページ読んだ時点でなんとなくいやな予感がして、

<キャナスピーク>なるカタカナ英語の発展系らしきものが、<英語>部分のメインになっていると気づいたときには、読むのを止めようかとも思いましたが、

流されて読み終わるころには、もうどうでもよくなっていました。

ただ、結構真面目に書いているのだろうな、ということは伝わってきました。

<キャナスピーク>で英語を学ぼうとするのは、かなりヤバい気がしますが(真剣に考えても、アクセントの位置がわからないと辛いでしょう)、一応読んでいる間は英語に触れられるので、全く役に立たないというものではないと思います。

文法解説も、ある程度はわかりやすく書いてありますし。まだまだ初歩的なことばかりですが、これからレベルが上がっていくなら、期待しても良さそうです。

<キャナスピーク>のカタカナ音は、普通に英語を発音できるなら、ネタだと思って流すのが良いと思います。

はっきり言って、カタカナ表記の英語を読むのは、疲れます・・・・・・。発音記号のほうがよっぽど読みやすい、というか。


また、もうひとつのテーマ<京都>ですが・・・・・・。

ガイドブックには・・・・・・なるかもしれません。どうなんでしょう。

京都も好きなところなんですけどね・・・・・・。

だからといって、通りの名前をいくつも出されても、整理するのが大変です。後半、かなり読みづらい部分がありました。

・・・・・・まあ、飛ばしてしまえば良いのですが。


少し否定的になりすぎた気がしますが。まだ1巻なので評価のしようがない、というのが本音。

ただ、この本に手を出してしまったのも何かの縁ですし、一応12ヶ月追ってみようかと思います。1冊読むのに、それほど時間はかからないですし。

まあ・・・・・・多分、次に感想を書くのは一年後になると思いますが。

そのときに、本書を読む前と何か変わっているのか。

・・・・・・気になるところです。

加藤元浩 「Q.E.D. 証明終了 26巻」(漫画)

加藤 元浩
Q.E.D-証明終了- 26 (26)

「夏のタイムカプセル」

忘れてしまった過去の記憶を探る話。

軽めの話ではあるのですが・・・・・。

たいしたことないかな、と思っていると、意外に良くできていました。

さりげなく張られた伏線が冴えています。

この辺のセンスはさすが、としか言いようがありません。

読後感もさわやかで、良い話です。


「共犯者」

実にシンプルかつダイレクトなタイトル。

ですが、共犯者が誰か、というのは、割と簡単に読めてしまいます。

個人的には、共犯者よりもむしろ、密室トリックのほうを面白く感じました。

明かされるまでは、密室のことなんて全く考えていなかったのですが。

そのあまりにも単純なトリックに、思わず「あ、」と声をあげてしまいました。

これが実際に成功するかどうか、ということはともかく、アイデアは好みです。

似たようなパターンの密室なら過去に何作もありますが、この形のトリックを見るのは初めて。

・・・・・・ただ、このトリックは意識的に実行したというよりも、たまたま成功してしまった、という感じがするのですが。


二話とも、それほどインパクトはない代わりに、ちょっとしたセンスの良さを感じられる巻でした。

加藤元浩 「Q.E.D. 証明終了 25巻」(漫画)

加藤 元浩
Q.E.D.―証明終了 (25)

・・・・・・いまさらですが、気づいたら26巻が出ていたので、まとめて感想を。


「宇宙大戦争」

軽めの話。

解くべき謎・・・・・・というかどうかはわかりませんが、読者が推理すべきなのは、「探偵側の意図」。

少し変わった趣向です。

といっても、別にミステリ的に凄いところがあるわけではなく。

割と普通の話でした。


「パラレル」

タイトルで、まさか遂にあのテーマがくるのか? と思っていたら、本当にそうでした。

超対称性に、超ひも理論。そして・・・・・・。

個人的に、非常に興味深いテーマです。・・・・・・が。

その扱いは、ちょっと微妙かも。

ミステリ的にも、解決されるまでは物凄く期待が持てたのですが・・・・・・。

どうしても、すっきり解決、とは行きづらかったです。

やっていることは面白いなー、とは思いましたが。

特に、「パラレル」のアレ。

・・・・・・まさか、本当にこういったものを動機に使うとは思いませんでした。

思いついたとしても、なかなか本気で動機に使うのは難しそうだと思ったのですが。

・・・・・・しかし、テーマが好みだっただけに、できればもう一度、同じテーマを別な調理法で書いて欲しいものです。

SF寄りになりがちで、扱いづらそうですが、このシリーズなら意外と良いものができそうな気がします。

北山猛邦 「少年検閲官」

らく
北山 猛邦
少年検閲官

何人も書物の類を所有してはならない。もしもそれらを隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろともすべてが灰にされる。僕は書物というものがどんな形をしているのかさえ、よく知らない――。

旅を続ける英国人少年のクリスは、小さな町で奇怪な事件に遭遇する。町中の家々に赤い十字架のような印が残され、首なし屍体の目撃情報がもたらされるなか、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年エノに出会うが……。

書物が駆逐されてゆく世界の中で繰り広げられる、少年たちの探偵物語。メフィスト賞作家の新境地!


 ◆ ◆ ◆


北山猛邦、二年ぶりの最新作。

今までの「城」シリーズとはまた違った雰囲気の、新たなシリーズです。


本書の見所は、なんといっても世界観です。

地球温暖化で水没の危機に瀕している中、書物が駆逐されゆく世界。

今までほど「終末的」な雰囲気は感じられないものの、やはりどこか、影が感じられる世界です。

そんな世界で起きる、不可思議な事件の数々。


相変わらず、一つ一つのエピソードは幻想的で魅力があり、この独特な雰囲気に浸っているだけで心地よいものがあるのですが・・・・・・。

解決編で驚きました。

今まで以上にシンプルで、意表をついたものです。ほぼ一点に集約されている、といっても過言ではありません。

それ故、あっさりしすぎていて物足りなさを感じる部分もあるのですが・・・・・・。これはこれで、「本格ミステリ」として良くできていると思います。

何より、事件の真相が世界観と密接に結びついているのがすばらしい。

毎度おなじみの「首切り」の理由も、全く想像できませんでした。

そして動機。

・・・・・・凄いです。「アリス・ミラー」もかなりアレな動機だと思いましたが、本書のインパクトもそれに引けをとらないかも。

少なくとも、こんな動機は前例がないでしょう。普通思いつきません。これもまた、この世界だからこそ成り立つものです。


正直、シリーズものの最初でこういうことをやるのかー、という驚きもあったのですが、

ある意味では、最初だからこそこういったトリックを持ってきたのかも。

確かに、これでより一層世界観がはっきりしてきます。

何にしてもまだ後二作は続編の予定があるようで。

エノのキャラクターも結構好きですし、次作が今から楽しみです。


意外に、本格ミステリが好きな人には「城」シリーズ以上におすすめできる作品かもしれないです。

今までの作品があわなかった、という人も、読んでみる価値はあると思います。

8点

BigDrive

パーティションがどうとか、BigDriveがどうとかの問題で、

またPCがダウンしました。

これは完全に予想外でした・・・・・・。

一応、BigDrive問題の対策もとってあったのですが、パーティションのほうで見落としていたところがあったらしく、結局OSから再インストール。

もういい加減2000を止めて、XPなりVISTAなりに乗り換えれば、こんなことは起こらないのですが。

一応、前回のPCのバックアップはとってあったので、今回はそれほど大事にはなりませんでしたが・・・・・・。

おかげで数日間、メール等の返信ができませんでした。

すみません・・・・・・。


今度こそは、BigDrive問題の対策も、パーティション関連も、問題ないはずです。

これで落ちたら・・・・・・・。とりあえずOSを変えてみるしかないなあ。

ダグラス・アダムス 「銀河ヒッチハイク・ガイド」

ダグラス・アダムス, 安原 和見
銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。

アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”―。

シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。


 ◆ ◆ ◆


友人から強く薦められて読みました。

有名な本なので、名前だけは聞いたことがあったのですが・・・・・・。

実際に読んでみて驚きました。

まさかこんな変な話だったとは!


とにかく、ばかばかしいです。ナンセンスです。

勿論、良い意味で、ですが。

結構本格的なSFに、センスの良いギャグが絡んでいて、

終始笑いっぱなしでした。

ブラックユーモアが好きな人は必読です。

読み終わって得るものがあるか、そんなことはどうでも良いのです。

読んでいる間楽しければOKじゃないか、というような本。

これこそ真のエンターテイメントといえるかも。


あらすじも知らずに読み始めたので、いきなり地球が消滅する展開には意表をつかれましたが、そこからの展開もまたすごいです。

ラストまでノンストップ。

キャラクターの掛け合いなども面白く、特に鬱なロボットは必見。このキャラクターだけで、十分笑えます。


あの有名な「42」の元ネタもわかって、個人的には満足でした。

あまりコメディものは読みませんが、その中でもお勧めの一冊。8点

続編も読んでみたいですね。