セオドア・ロスコー 「死の相続」 | The Key of Midnight

セオドア・ロスコー 「死の相続」

セオドア ロスコー, Theodore Roscoe, 横山 啓明, 森 英俊
死の相続

ハイチに住む実業家が死に、屋敷には七人の相続関係者が集められた。

「私の遺体は丘の上に深く埋め、棺には杭を打ちこむこと。財産は第一相続人にすべてを譲る。ただし、第一相続人が二十四時間以内に死んだ場合、第二相続人が権利を得る。第二相続人が二十四時間以内に死んだ場合には第三…」と奇妙な遺言が読み上げられる。遺言書をなぞるように屋敷では相続人が奇怪な死を迎えていき、そして最後に残された第七相続人に…。

息詰まるサスペンスと驚天の仕掛けで読者を奈落に突き落とす黄金時代の異端児による怪作がついに登場。


 ◆ ◆ ◆


・・・・・・なんとも凄いミステリです。

「そして誰もいなくなった」風の展開で、密室もので、・・・・・・ゾンビ。

登場人物は皆奇妙ですし、

文章も読みにくくどこか風変わり。

誰一人、感情移入が出来ない上、微妙な気持ち悪さがあるので、読んでいる間は結構辛かったのですが、

ラストまで読むと、本書がミステリとして非常に良く出来ていることに気づき、驚きました。

・・・・・・正直、最後の最後まで、「ギャグかネタ? ホラー?」と思いながら読んでいました。

終盤の棺桶のシーンは、恐怖というよりむしろ笑ってしまいましたし・・・・・・。

見事なまでに読みどころをはずしていた気がします。


ミステリとして見ると、かなり昔の作品にもかかわらず、伏線はしっかり張ってあったり、密室トリックもシンプルながら綺麗に決まっていたりで、かなり良く出来ていると思います。

フーダニット部分も、しっかり作ってありますし。

・・・・・・先ほども書いたように、読み方を間違えたので、序盤で犯人だけはあたっていたのですが。

というかそれを前提にして話を捉えていたので、通常と驚きどころまでが変わってしまったというか・・・・・・。

ただでさえ、海外ものに慣れておらず、読むだけで一苦労な作品だったので、

その上に変な誤解まで加わって、「読んでいる間の面白さ」があまり無かったのが残念です。


変な読み方をしなければ、良質のミステリです。

「傑作」というより、「怪作」と呼びたくなるような作品であるのも確か。

もう少し文章が読みやすければ、キャラクターに魅力があれば、といくつか不満なところもありますが、

この本が書かれた時代を考えると、これだけでも十分凄いです。


まあ・・・・・・ある意味ネタになるような本であるのも確かだったので、

バカミス系が好きな人は、読んでみると良いかも。

7点.。