音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -57ページ目

 

5/17

だいぶ時間が経ってしまいました。

ささっと感想をお書き出来るような、簡単な演奏ではありませんでしたので、公演後の時間の出来た時に、楽譜を眺めながら、彼女の演奏を反芻していました。

彼女のソロを初めてお聴きしたのは4年程前、J.S.バッハの「サラバンド」でした。とても大きな会場でしたが、若いなりの勢いがあり、とても良く整った演奏で、彼女の将来を楽しみに、会場を後にした記憶が蘇ります。

さて、この日の彼女の演奏をお聴きして、高校2年生と言う、微妙な時期の難しさを感じました。自分が弾きたい曲・演奏内容と、彼女を教える側との齟齬が、もしかしてあるのかな、と。あくまでも、想像に過ぎませんが・・・。演奏後、多くのお客様の応対の合間に、彼女とのほんの短い会話と、実際の演奏との結びつきを考えながら、そんなことを考えました。いろいろと示唆に富んだ、また、ご自身良く考え抜かれた素晴らしい演奏でしたので、敢えてそこは事前に書かせて頂きます。

 

この日、最初に弾かれたJ.S.バッハの「シャコンヌ」、とりわけ「ボウイング」が大変ユニークだと思いながらお聴きしていましたが、「ネットなどで、いろいろな演奏を観ながら、自分なりに考えたボウイング」だと演奏後に彼女からお聞きしたこと、また、同じ音価の音符に於ける弾き方の相違、この楽曲に於ける「統一感」があまり感じられなかったことなどなど、演奏が、余りにもスケールの大きすぎる「自分流」=「自己流」と言う感じがして、これから彼女がどこに向って行くのか、と言う興味と心配が湧いてきてしまいました。果たして、良い指導者と出会えているのか、それを彼女が納得して咀嚼出来ているのか・・・。これが私の取り越し苦労であれば良いのですが、今後彼女が大きく羽ばたくためにも、ここはかなり大事な部分だと思いまして、敢えて前段で書かせて頂きました。すみませんが、続きは明日以降にさせて下さい。

 

 

5/13

4年程前にお聴きした、落合 真子さんの独奏(バッハ:サラバンド、その当時は中学1年生!)が心に残り、以来、彼女の演奏を定期的にお聴きして来ました。その彼女が、(1時間程ではありましたが)今日、素晴らしい共演者を得て、コンサートを開かれました。

詳しくは明日以降書かせて頂きますが、「まだまだ完成されてはいないが、とんでもない大器」とだけ、書き残させて頂きます。

真子さん、今日は、ご盛会、おめでとうございます。また、私に気が付いて下さり、ありがとうございました。

 

5/23の公演を聴きに伺えませんので、本日、聴かせて頂きました。

詳しくは、また明日にでも書かせて頂きます。芙美香さん、そしてお母様、今日はお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

 

5/7

イ長調と言う調性、独特の明るく明晰な響きがあり、イメージが湧きやすい調性だとも言えます。私のようなヴァイオリンを弾く人にとっては、特に弾きやすく馴染みのある調性だとも言えます。

モーツァルトはこの調を好んでいたようで、代表曲だけでも、交響曲第29番、ヴァイオリン協奏曲第5番、ピアノソナタ第11番「トルコ行進曲つき」、そして今回お聴きしたピアノ協奏曲第23番、そして、楽器の特性のおかげで誕生したのかもしれませんが、晩年に書かれたクラリネット協奏曲やクラリネット五重奏曲などの中に、明らかに共通するイメージが浮かび上がります。

一方で、この曲の第2楽章で、モーツァルトがイ長調の並行調と呼ばれる嬰へ短調を使ったことは(アダージョと言う速度指定と同じく)稀で、イ長調の明るさとは大きく異なる、悩ましくメランコリックで寂しげな情感が充満する音楽に一変します。

 

さて、芙美香さんが弾かれたこの素晴らしい協奏曲のソロ、まだまだ良くなる余地のある、しかし、芙美香さんの良さも十分に発揮された演奏だったように思います。イ長調と言う調性も、彼女が持っておられるキャラクターに良く合っていますので、この曲とは好相性と言えるのではないでしょうか。

彼女のピアノは、いつか書かせて頂きましたが、音の太さ、ボリューム感、リズム感、曲への前向きさ、思いっきりなど、音だけお聴きすれば、男性が弾いているような、そんなダイナミックなピアノを弾かれます。そして、私には、音をお聴きしただけで、彼女の演奏だと断言できる、そんな独特の個性をもお持ちになる、私の大好きな素晴らしいピアニストです。

昨日の演奏、内藤 菜穂子さんがオーケストラパートを受け持たれていましたが、全体的に少し精彩を欠いた感があったように感じ、また、オープニングのテンポも、芙美香さんが望んでおられたものでは無かったようにも感じましたが、そんな中、速いテンポの部分では、芙美香さんらしい勢いと、イ長調と言う調性も持つ音楽的な喜びや明るさが十分感じられ、独特の打鍵によるメリハリ感も十分で、彼女の持つ音楽性に良く合う音楽と言う感じで、オケと合わせる本番も期待出来る、そんな演奏のように感じました。

他方、嬰へ短調と言う、非常にくぐもった寂寥感のようなものを持つ独特の調性によるアダージョ楽章は、表現の面でわずかに作為的な印象があり、まだまだ良くなる余地があるように感じました。もっと、いつもの芙美香さんらしい「率直さ」、そして、モーツァルトが書いた音符の奥に隠されている「真実」が、彼女の弾かれる音楽に出て来て欲しいと思いました。本番までまだ二週間あります。もっと率直に、そして素直に、モーツァルトが書いた音符・音楽に向かい合って行かれれば、何か新しいものが見つかり、更に更に聴き手の心にも届くのではないか、と思います。

 

二週間後、この日の演奏を超える、より素晴らしいオケとの共演=協奏曲と言う楽曲が展開出来ますよう、心から願っています。

 

 

 

ピアニストの前田 祐里さんにお誘い頂き、聴きに伺いました。

このお二人のデュオは、2年半程前に一度お聴きし、2度目になります。その時の記事は、昨日再掲させて頂きました。

 

さて、演奏されたプログラム(選曲)ですが、一見して、幾分統一性に欠けるような印象で、この日の「テーマ」が見えにくかったのが、個人的には少し残念でした。ワックスマンの「カルメン~」は、あまり好きな(いわゆる)パラフレーズ的な物ではないと言うこともあるのですが、これであれば、素直にサラサーテのものか、あるいはバルトークと同じハンガリーの作曲家・フバイの「カルメン~」の方が整合性が取れていたと思いますし、また、後半の始めのトークで、折角プーランクとフォーレとの興味深い関連を指摘されたお話がありましたので、諄くアメリカものが続くよりは、休憩を挟む形でフォーレとプーランクのソナタを並べてみると、より趣きあるプログラムになったかな、とも思いました。

 

演奏ですが、前半は、音楽的に暖まっていなかったのか、あるいは選曲にあるのかわかりませんが、お二人の持つ個性の相乗効果があまり感じられず、「あれっ?」と言うような瞬間も度々で、「アンサンブル」と言う点で多少物足りなく感じました。バルトークでは、お互いが間合いをつかみかねておられたのか、特に比較的テンポの緩いフレーズをつなぐような場所で、流れが途切れがちになってしまうような場面がみられたり、全体的な音楽的密度が少し薄く感じました。続く、ワックスマンと「ラプソディー・イン・ブルー」の2曲をプログラムに入れられたことは、会場を飽きさせないと言う意味での「エンターテインテント性」から見れば面白い試みだったと思いますが、前半で聴衆の耳が少し疲れてしまうようなプログラミングと言う印象もあり、前回の公演で聴かせて頂いたフランス物が素晴らしかったことからも、更にお二人の深い音楽性をお聴き出来るような選曲であったら、と言う思いを抱きながら、聴かせて頂いていました。

 

一転して、後半は聴きどころ・聴き応え満載の素晴らしい選曲・演奏の連続でした。

プーランクは、とても特異な難しい曲で、どういったアプローチでこの曲に臨むのか、演奏する音楽家の持つ「素養」が試されるような曲です。昨年、日本音楽コンクール・予選の課題曲になったこともあり、いろんな場面で数多くの演奏をお聴きしましたが、これまで納得行くような演奏にはほとんど出会えたことはありません(福澤 里泉さんの演奏が、理想には最も近かったでしょうか)。この曲が作曲された背景を大切にされ、演奏に臨まれることは大切なことでしょうが、そこに拘り過ぎることで「大局」を見誤ってしまい、細部を気にし過ぎたり、結果スケールの小さい演奏に終始する例が多いように思います。曲そのものの素晴らしさを、構え過ぎずにストレートに表現した方が、良い演奏になるような傾向を感じる、そんな曲です。

お二人の演奏は、常に前向き・積極的で、この音楽を「普遍的」なものとして演奏されていたように感じました。過剰な思い入れを極力排除し、音楽的な流れを最優先にし、それがとてもスムーズに表現されていて、この曲にとっての、ひとつの「理想形」となった、そんな感じでしょうか。

 

一方で、例えば第1楽章の練習番号1の直前2小節、これまで、これだけニュアンスのある、意味深く思いの籠った音楽は聴いたことは無く、単に勢いだけで進んで行くだけの演奏ではないと言うことなんですよね。

 

このページで聴かせたような、音楽の濃密さ、線の太さ、音符間の綿密さ、息の長さ、そしてお二人の音楽センスの良さは、多くの方にお聴き頂きたいものです。この後、練習番号16以降、1拍ずれたまま進行した時はドキドキしましたが、それがいつの間にか合って、その間があたかも譜面通りのように聴こえたのは、お二人のコミュニケーションの良さと、お互いを良く聴き合っておられたからに違いありません。

 

この日、最も聴きものだったのが、第2楽章でした。

このページ、夜の庭園に月明かりが照らされている、そんな情景が浮かぶような、含蓄・趣のある密度の濃い音楽が続いて行きました。そして、最後の印象的なピツィカート・アルコは決然と。

 

第3楽章は、これまでに経験したことのないような速さ。4/4拍子で四分音符は144と指定されていますが、体感的には160はあろうかと言うスピードでぐいぐいと進んで行きますが、それでいてニュアンスは実に豊富で、例えば、練習番号1直前のルバートなどは本当に魅力的。ここで段落を区切り、楽想を整理して行くような余裕が、何とも素敵。

 

練習番号6以降しばらくの、祐里さんの良く通る硬めの音で弾かれた旋律はとても印象的でしたし、練習番号7のあたりは、如何にもプーランクを熟知している祐里さんらしい、独特のアカデミックな響きが聴こえて来ました。

全体的には速いのに、全く急いたように聴こえないのは、楽章通じて緊張感に満ちた密度ある音楽が展開されたからでしょう。この演奏は、これまで経験したことのないような、スリリングなのに味わい深い、音楽的なセンスあふれる、最高の演奏でした。

 

そして、フロロフの「ポーギーとベス~」。知っているメロディが次々に登場し、音楽が全く弛緩することなく進んで行きます。紘子さんは暗譜での演奏。この曲を完全にご自分のものにしておられました。祐里さんとの息の合ったアンサンブルは、前半の不安定さが一体何だったんだろう、と思わせるような、華麗かつロマンティックな名演でした。このような素晴らしい演奏に出会えるのが、ライヴの醍醐味で、自分が選んで聴きに伺った公演で、そのような演奏に出会うことが出来た時の幸福な気持ちは、言葉では言い尽くせないものがありますよね。

アンコールの、味わい深いチャイコフスキーの「メロディ」と併せ、後半の3曲は、なかなか実演では出会えないような稀有な演奏でしたので、余計に前半の選曲とアンサンブルの密度が勿体なかったですかね・・。

 

私にとっては、最高のヴァイオリンとピアノのデュオ。もう2回公演をされましたし、そろそろコンビ名を付けられても良いように思いますが、いかがでしょう。

 

 

終演後、ロビーでお声をかけさせて頂こうとお待ちしていましたが、なかなかご挨拶されるお客さん達の列が途切れず、帰りの交通機関の時間が少々心配で、失礼させて頂こうと思っていた丁度その時、私の寂しそうな姿を見つけてくれた祐里さんが、「ごめんね」と、駆け寄って来て下さいました。祐里さんのお人柄と、人間としての器の大きさに、改めて気づかされた瞬間でした。おかげ様で、プーランクと、学生時代に弾いた「ポーギーとベス」の譜面に、無事サインを頂戴出来ました。祐里さん、いつもと同じ、あたたかいお心遣い、ありがとうございました。

出演者の方にご挨拶されるのはもちろん結構なんですが、多くの方が後ろで待っておられる、と言う気遣いが、ファンの皆さんには欲しいですね。奏者の方から「次の方お願いします」とは切り出せませんし。ぜひ、おひとり1分以内でお願いしたいものです・・・。

 

改めまして、紘子さん&祐里さん、公演のご盛会、おめでとうございます。本当に、お客さん一杯でしたよね。ぜひ、また聴かせて下さいね。

 

 

帰りに、名古屋駅前の「かぶらや総本店」の「おばんざい5種盛り」を頂きました。こういうの、いいですね。ごちそう様でした。

 

今回は、近鉄の特急を使いました。バスと違い、時間に狂いが無いのが、うれしいですね。

2018/5/3

本日、お二人の公演を聴きに伺って来ました。2年半程前の公演の記事ですが、記事を再掲させていただきます。

 

2015/9/15

ご出演された、ピアニスト・前田祐里さんから、コメントを頂戴いたしました。祐里さん、ありがとうございます。




 

9/13

お二人がステージに登場された時、その衣装に驚きました。頂いていたチラシの中で着られていた衣装の色がそっくり入れ替わっていて、「やられた!」と思いました。お二人ともかなり「お茶目」ですね。

さて、初めてお聴きする蜷川紘子さんのヴァイオリンですが、2階席から拝見していたので、余計にそう見えたのかも知れませんが、かなり楽器に被さるような、独特の奏法と言う感じで、ちょっと体(特に肩から腕・指)に負担のかかるような奏法のようにも見えました。(実際に、左手の調子があまり良くなかったと、演奏後にお聞きしました。) そのような弾き方をされる「理由」が、彼女が紡いで行こうと言う音楽そのものにあるようにも思いました。弓を元から先まで目いっぱいに使いながら、弓の返しの時も全く音が途切れることなく、とてもスムーズに音が繋がって行きます。これは弛まぬ鍛錬の賜物なのでしょう。運指もとても独特で、滑るように指板の上を指が上下して行きます。そう言ったことが合わさり、極力音符と音符の「隙間」を作らないよう、腐心されていることが良く感じられます。そう言った「音作り」、それが彼女の弾き方の「根拠」なのではないかと、私はそう思いましたが、どうでしょう。技術的な面ももちろん素晴らしく、破綻や弾き違いのようなものが、この日の舞台を通じて聴こえてきませんでした。音符そのものの処理も大変見事で、どの音符も決してないがしろにされること無く、吟味され磨き上げられた上、そのすべてが意味深く聴き手に迫って来ます。彼女の演奏に「手抜き」と言われるようなものは何ひとつ無く、音色そのものはそれ程魅力的とは思わないんですが、長短を問わず、ひとつひとつの音には「実」と「意味」がびっしりと詰まっていて、聴く側に気を抜く暇を与えませんし、本当に充実した音楽をお聴き出来たと言う実感が湧きあがって来ます。音楽を聴いた時、こういう気持ちになることは本当に稀ですね。

前田祐里さんのピアノは、これまで何度もお聴きしていますが、楽譜の読みが深い上に、良い意味で音楽に伸縮感があり、テクニックも非常に安定していて、安心して音楽に身を委ねることが出来ます。アンサンブルに於いても、いわゆる「空気が読める」奏者ですので、僅かなズレも瞬時に音楽的に修正され、それが恰も正しい演奏なんだと聴かせられる技量をお持ちの方です。今回は、祐里さんが音楽的な主導権を執っておられたような感じがしました。お二人それぞれの音楽性の方向は異なっていますが、そこは一流の音楽家です。お互いを認め合いつつ、時には丁々発止、高いレヴェルの音楽を聴かせて頂きました。

紘子さんの演奏で、最も感銘を受けたのは、チャイコフスキーです。「なつかしい土地の思い出」、有名なメロディを含む第3曲しかお聴きしたことが無かったんですが、彼女の懐の深いところから湧き出て来る音楽的な趣は、誰にも真似のできないものですよね。心に沁みました。ラヴェルのソナタは第3楽章が圧巻でしたね。これだけ完璧にこの楽章を弾き切ると言うのは、なかなか難しいはずです。第1楽章のセンス良い「美感」もとても素敵でした。第2楽章は、真面目で几帳面な「ブルース」と言う感じで、ほんの少し「型にはまった」ように感じられたのが、個人的には残念でした。ラヴェルのピアノ独奏曲の譜面を見たことはありませんが、この曲のピアノパートには、空虚な感覚を醸し出す「五度」音程がそのまま移動して行くような部分が多く見られますが、ここらへんの祐里さんの音楽的なセンス・バランス感覚は特に素晴らしく、曲の持つ雰囲気を良く伝えられていたと思います。お二人の音楽性が重なり合い、それが見事に昇華して行ったフランクのソナタ、やはりこの日一番の聴きものでした。お二人の演奏が有機的に重なり合い、絡み合い、重量感に溢れる演奏を聴かせて頂きました。ムード音楽のような甘い雰囲気で流れて行ってしまうような演奏もある中、ここまで楽譜・音符を徹底的に追い詰めた演奏も珍しいと思います。時に息苦しさを感じるような場面もありましたが、フランクのこの音楽がそういうものなのですから、正に的を得た演奏だったと言うことなんだと思います。

 



これは、第4楽章の一部なんですが、祐里さんの弾くこのピアノ・ソロの部分はとてもユニークで、これまで聴いたことのないようなレガート、ルバート、そしてデュナーミクが聴かれ、ここまで独自の解釈でピアニスティックな音楽を奏でられる祐里さん、やはり只者ではありませんね・・・。

デュオの醍醐味を心から堪能させて頂き、本当にありがとうございました。

 

9/11

今、帰りました。

「今年一番」の素晴らしいコンサートでした。それにしても、蜷川さん、凄いですね・・・。祐里さんも、もちろん凄い。こんな素晴らしい「スーパー・デュオ」を聴かされたら、もう他の演奏は聴けなくなってしまいますね・・・。それ程の素晴らしさでした。アンコール(ラフマニノフ=クライスラー/パガニーニ・ラプソディーから第18変奏)も超美演。私もその曲を弾きたいと思いました。早速譜面を探しましょう。

今日は、ラヴェルとフランクの譜面を持って行きましたので、演奏でいろいろと発見することも多かったです。終演後のお疲れのところ、お客さんで溢れるホワイエで、ご無理を申し上げ、譜面にサインを頂き、ありがとうございました。詳しい感想は、また改めて。今日は、ご盛会、おめでとうございました。

 

4/28

知人から連絡で、予備予選の結果が発表になっていると言うことで、公式サイトから確認して来ました。

https://skipc.jp/news/results20180427/

次のステージに進まれた皆さん、おめでとうございます。

 

さて、私がお聴きした大阪での予備予選ですが、25名の出場者の中、次のステージに進むことの出来た方はわずか4名、一方、東京は、棄権された人数は不明ですが、エントリーされた85名中、次のステージに進まれた方は23名。東京は23/85≒27%、大阪は4/25≒16%。率で言えば、大阪の出場者の中で、あと2~3名の方が次に進んでも良かったことになります。名古屋会場を含め、国内3会場で行われた予備予選には、小林 仁さんが共通の審査員として審査にあたっておられましたが、東京と大阪で、それ程のレヴェル差があるのかなあ、と少し疑問に感じました。

私が大阪の予備予選をお聴きし、次のステージに進んで欲しいと書かせて頂いた9人の方の中から、一次予選に進まれる方が選ばれたのは幸いでしたが、それにしても地域的に見てバランスが悪いですよね・・・。特に、石澤 久美子さん、眞鍋 杏梨さんと言う、優れた才能をお持ちのお二人が次のステージに進めなかったのは、かなり残念に思います。

大阪での予備予選を通過された4名の方の、次のステージでのご活躍を心より願っています。澤田 奈央子さんは、ずば抜けた音楽の表出力が素晴らしいと感じましたし、中島 英寿さんは、特に音の処理を丁寧にされる、音楽をとても大切にされる方です。島多 璃音さんは、まだ高校生と言うことで、無限の可能性を感じますし、徳永 哲也さんは、現在銀行にお勤めと言うことで、音楽を生業にされている方ではありませんが、曲を慈しみ、大切に弾かれる姿勢は、誰よりも心に沁みる演奏をされます。今後、この4名の方の動向に注目して行きたいと思います。

 

と言うことで、以上で、この記事を閉じたいと思います。

 

 

4/27

3日後の4月30日には、公式サイトで、予備予選通過者が発表されるんですね。

ところで、私が見落としていた方が、おひとりいらっしゃいました。次のNo.24の方が棄権されていたので、見間違ってしまっていました。

2日目に出場されていたNo.23の内田野乃夏さん。勢いのあるエテュードに、趣きのあるバラード。性格の異なるショパンの2曲を上手に描き分けておられました。ご面識もなにもありませんが、内田さん、ごめんなさい。次のラウンドに進まれることを願っています。

発表が待ち遠しいですね。

 

4/15

2日目も聴かせて頂きました。おひとりが棄権され、計10人でした。皆さんそれぞれコンクールに臨まれる意義・意味も異なると思いますが、そんなことを想像しながら演奏をお聴きするのも、それはそれで興味深いものです。

特に印象に残った方ですが、島多 璃音さん、井川 華さんのおふたりは、それぞれお持ちの強い個性を、ユニークな選曲で以って、他の方に比べ強烈に表現されておられたように思います。また、中島 英寿さんは、弾き終わる音の処理が丁寧で、響を大切にされていることが良くわかり、実の詰まった充実した音楽が心に残りました。以前演奏をお聴きしたことのある徳永 哲也さんの演奏も、飾り気はありませんが、とても味わい深い演奏で、曲の良さ、そして曲そのものの存在意義を見事に表出されるような佳演だったように思います。

折角自由曲で素晴らしい演奏をされても、ショパンのエテュードで思ったような演奏が出来ずに、残念に思う方も多かったでしょうか。

また、運営そのものは丁寧に行われていた印象ですが、初日の前半のピアノの状態が良く無かったこと、そして、奏者の座る椅子から軋み音が聴こえてきたことの2点については、出場者の方に対しても失礼で気の毒であり、今後の改善材料にして行って頂きたいものです。

 

2日間を通して、最も印象に残る演奏を聴かせて頂いたのは、澤田 奈央子さん、次いで、演奏順に、渡部 里紗さん、石澤 久美子さん、眞鍋 杏梨さん、中島 英寿さん、島多 璃音さん、徳永 哲也さん、井川 華さんの演奏も素晴らしく、この8名の皆さんの中から、上のラウンドに進まれる方が選ばれるのではないでしょうか。

 

関係者の皆様、お疲れ様でした。

 

 

4/14

昨年聴けなかったこのコンクールの大阪・予備審査を、2日間聴かせて頂きます。東京での予備審査は先週行われており、80人以上の方が受験されておられたようです。

 

初日は15名の演奏を聴かせて頂きました。これまで実際に演奏を聴かせて頂いたことのある方、お名前だけ存じ上げている方、全く存じ上げない方、様々です。「予備審査」と言う名称のラウンドですが、レヴェルは水準以上で、一般聴衆でも十分に楽しめました。

あくまでも主観ですが、独特の熟成感・香り(女性らしい細やかさによる色香)を感じる演奏を聴かせて下さった澤田 奈央子さん(群を抜いて素晴らしいと言う印象)、完成度が頭抜けている石澤 久美子さん、曲の本質を突く説得力のある演奏をされた眞鍋 杏梨さんの3人が、次のラウンドに進まれるであろうと予感させるような演奏をされました。山下 響さんはただおひとりだけ自由曲からスタートされましたが、少し硬さが見られ、音楽的に伸びやかさが更に欲しかったでしょうか。加々見 祐典さんは常識的で率直な演奏でしたが、もう少し音楽的なゆとりが感じられれば、更に良かったでしょうか。渡部 里紗さんは、暫くお聴きしないうちに、音楽のスケールが大きくなり、聴き応え十分の演奏で、きっとご本人も満足されたのではないでしょうか。次のラウンドに進んで欲しいと言う個人的な願いを持っています。最も技術的に抜けていたであろう佐々木 隆介さんの演奏ですが、あまりにも個性的な(デフォルメされた)ショパン、ちょっと私の趣味からは遠いところにあり、それでいて、ご本人が思っていた程の技巧的な冴えがみられなかったのは案外で、この方を次のラウンドに進ませるかどうかは、審査員の先生方がお持ちになる「(芸術としての)音楽的な常識」に合致しているかどうかと言うところでしょうか。