音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -56ページ目

 

昨日、いつも安定した素晴らしい演奏を聴かせて下さるピアニスト・森本 美帆さんのレクチャー&コンサートに伺いました。

この日は、前半で、美帆さんが4年間留学されておられたハンガリーと言う国についての文化のご紹介、そして、後半ではハンガリーに縁のある作曲家達が作った曲の演奏を、美帆さんのレクチャー付きで楽しむことの出来ると言う、大変贅沢な催しでした。

 

私自身、ハンガリーの作曲家の曲を演奏したことは数えるぐらいしかなく、リストの「レ・プレリュード」「メフィスト・ワルツ第1番(村の居酒屋での踊り)」を共に1stvnで、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」を1stvn、2ndvnで一度ずつ、コダーイの「ミサ・ブレヴィス」を大学生時代に、「ハーリ・ヤーノシュ」を徳島交響楽団のエキストラで弾いたぐらいでしょうか。個人的には、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番や、フバイの「ヘイレ・カティ」ぐらいは嗜んではいますが・・・。そういえば、樫本 大進さんが音楽監督を務められている「ル・ポン」と言う音楽祭で、ドホナーニの「六重奏曲」を全く異なるメンバーで二度もお聴き出来たことも、大きな出来事でした。

 

4年間と言う長い期間、あまり留学される日本人学生の多くないハンガリーと言う国で、多くのことをご経験されて来られた美帆さんならではの興味深いお話を伺うことが出来、そのような大きなバックボーンがあってこその、自信に満ちたハンガリー由来の音楽を弾かれるのだと、認識を新たにさせて頂きました。

 

美帆さん、素晴らしい催しに参加させて頂き、ありがとうございました。今後の更なるご活躍を、心より願っております。

一昨日、これまで何度もお聴きしている、ピアニスト・阿見 真依子さんのリサイタルを聴きに伺いました。

 

彼女は、東京で行われる「ショパン・フェスティヴァル2018 in 表参道」の一環として行われる、5月30日の公演にご出演されます。この催しの出演者には、先日素晴らしいショパンのソナタ第2番を聴かせて下さった太田 糸音さん、先の「第4回高松国際ピアノコンクール」の覇者・古海 行子さん、「第1回SHIGERU KAWAIピアノコンクール」で第3位に入賞された原嶋 唯さんなどの優れた若手ピアニストも、「ランチタイムコンサート」の枠でご出演されるようですが、チケットはいずれも完売のようですね・・・。

詳細は http://chopin-society-japan.com/chopin-festival2018/ から。

通しテーマが「前奏曲・プレリュード」と言うことで、各奏者がショパンの前奏曲をプログラム中に挟みながら、それぞれが趣向を凝らした曲目を並べられておられます。ご出演になる奏者の皆さんのプログラムを拝見していますと、同じ「通しテーマ」なのに、それぞれの個性が際立っているのは、大変興味深いですよね。この日は、阿見さんがその公演と同じ曲目を、曲順に弾かれました。

 

東京公演の直前になりますので、阿見さんが考えられた、プログラミングに込められたものに関する「種明かし」は敢えてしませんが、書法に共通する特徴を持つJ.S.バッハからメンデルスゾーンまでの曲目、それに続く、それらとは異なるドビュッシーの前奏曲集の抜粋(最後に弾かれる「亜麻色の髪の乙女」は「変ト長調」)、そして、異名同調(=嬰ヘ長調)のショパンの「舟歌」に繋がり、ショパンの名曲が並ぶと言う、阿見さんならではの良く練られたプログラムです。

 

ソナタ第3番の最終楽章、特にこのあたりの右手の指使いと気迫は、あたかもショパンの魂が乗り移ったかのような感じがして、聴いている側も、ちょっとブルブルっと震えが来ました。

 

海老彰子さんに師事・可愛がられている彼女のショパンは、まさしくショパンの王道を行くような、まっすぐでメリハリのある大変豊かな音楽でした。東京でのご盛会を、心より祈念しております。

昨夜は、自宅から歩いて10分程の野球場へ、今年最初のプロ野球観戦に。5年程前、この球場で娘がビールの売り子のアルバイトをしていた時、5回裏に打ちあがる花火を娘と一緒に眺めたことを、昨夜同じ場所で打ちあがった花火を観ながら、懐かしく思い出してしまいました。その娘も、今は東京の海のテーマパークで、お客さんを楽しませる仕事で頑張っています。

 

今朝は、近所の公園で3時間の朝練。ブラームス、モーツァルト、フォーレ、グラズノフ、プーランクなど、最近お聴きした素晴らしい奏者の皆さんの演奏を思い出しながら弾かせて頂きました。そして、今日から新しくドビュッシーのソナタを始めました。

 

 

5/22

根垣 りのさんのヴァイオリンですが、(あくまでも私が思うに)「スケール感に乏しく」「不器用で」「面白みに欠け」「流行に遅れた」「垢抜けなく」「華がない」。そんな言葉の裏側で、「瀟洒で」「味わいがあり」「とても温かく」「率直で」「真正直な」「懐深く」「趣と品のある」「音楽そのものの雰囲気を大切にされる」、そんな「渋い」音楽を奏でられる方です。彼女の演奏で、会場が独特の「香気」に覆われたのを、今回も感じました。

 

ボウイングは保守的で、一切きつい音を出されることはありませんし、左手のポジション移動ひとつとっても、全く恰好を付けるようなことをせず、自身が思うように「むき出し」にポジションの移動による音を出されながら音符・音楽に向かって行く姿勢は、本当に「潔い」と思います。

ヴァイオリニストの多くが憧れるような「派手な演奏」ではないのですが、聴けば聴くほど嵌ってしまうような「魔力」があります。「東京芸大」と言う、鎬を削るような場所で勉強された後、「スコラ・カントルム音楽院」に学ばれたと言うことも、彼女の弾かれる音楽に大きく反映しているんでしょうかね。

 

私も3歳からヴァイオリンを始め、輝かしく艶のあるパールマンの演奏に憧れ、彼の録音を聴きながら「弾き真似」をしていた中学生時代を懐かしく思い出しますが、りのさんの演奏は、そこからは「遠い場所」にありながら、誠実さを武器に聴衆の心を打つことの出来る、大変素敵な感性をお持ちの方です。もちろん全く個性は異なりますが、往年の名女流ヴァイオリニスト、ローラ・ボベスコやスザンネ・ラウテンバッハーのような、不器用だけれども強い個性を持ったヴァイオリニストに通じるものをお持ちです。いつか迎えられるであろうヴァイオリニストの終着点に於いて、もしかしたらそんな女流に並んで語られるかも知れない、そんな予感もするヴァイオリニストです。

選曲も、公演の度に珍しいものを取り入れられ、グラズノフ、シベリウス、武満徹、イザイなどの、あまり他の奏者が弾くことの無いような小品をお聴き出来、そのあたりからも、彼女の素敵な音楽センスが窺い知れます。

 

演奏については多くを語る必要もないでしょうが、フォーレのソナタの第4楽章、冒頭のテンポの遅さはとても個性的ですが(付点二分音符=54ぐらい?)、決して音楽が緩んでいた訳でもありませんし、この楽章の最後に向けての設計はかなり綿密であり、計算し尽くされた演奏でもありました。

この遅いテンポでは、5小節目から弾かれるヴァイオリンの主題で、間が持たないのか、8分音符でどうしてもアクセントのようなものが付いてしまいがちですが、りのさんの演奏は、楽譜に書かれた音符・音価そのもの、本当に平坦な弾かれ方ですが、その自然さ・柔らかさがこの曲が持つ味わいを更に深めていました。また、15小節目の2拍目~8分音符にかけてのお二人のルバート、これ程までの趣味の良さと趣きは、これまで経験がありません。

 

りのさんのヴァイオリンは、淡い「パステル画」を観ているような、そんな感覚がある一方で、佐竹 裕介さんのピアノは、粒立ちが良く、程よい色彩で描かれる「油絵」のような力強さと、音楽そのものに推進力があります。そのお二人が合わさったこの日のデュオは、お互いの個性が見事にマッチし、良い相乗効果を生んでいたように感じました。

フォーレの第1楽章、練習記号「F」や「I」の部分の左手で弾かれるオクターブの音符の強さはかなり強烈で、とても男性的で力強い演奏が、りのさんの誠実な演奏に、程良い色合いと、音楽に立体感を与えていたのではないでしょうか。

フォーレ以外の3曲も、彼女自身が、ご自身の個性を十分に生かせるような曲だと確信されて選ばれたと思いますし、その意図が良く反映された、大変素晴らしい演奏だったと思います。

 

派手で聴き栄えの良い演奏は、確かにその時は印象には残りますが、二度同じような演奏をお聴きしたいとは思いません。りのさんの演奏は、それとは真逆なのでしょうが、いつまでも心に残る演奏ですし、またお聴きしたいなあと思います。

 

りのさん、言いたいことを好き勝手に申し上げ、大変失礼しました。お気を悪くされたら、本当にすみません。読まれる方に上手く伝わったかはわかりませんが、私の率直な感想を書かせて頂きました。

 

この春にお聴きした、グラズノフ「瞑想曲」。私も大好きな曲です。また聴かせて下さいね。

 

 

5/20

先週お聴きした、落合 真子さんの項の続きもまだ途中で、申し訳ありません。

 

気になっているヴァイオリニスト・根垣 りのさんのリサイタルをお聴きしました。詳しくはまた後日と言うことになってしまいますが、正直申しますと、私はこれまで彼女のヴァイオリンの演奏の良さを、あまり感じられずにいましたし、この日の演奏をお聴きしても、その全ての部分に於いて満足出来たと言う訳でもありません。その一方で、演奏前、演奏中、そして演奏後に見せる彼女のお人柄や、他の方にはあまり感じられないような独特の雰囲気にどうしても魅かれてしまい、演奏をお聴きすると言うよりは、演奏をされる彼女の「姿」「存在」を通して、幾分遠い感覚で以って演奏を聴き及ぶと言うような、とても不思議なヴァイオリニストです。

 

もっともっと詳しく書かせて頂きたいので、今日はこの辺にさせて頂きますが、私が心から愛するフォーレのヴァイオリン・ソナタ第1番に、この日の彼女の演奏により、更に深い愛情を持つことが出来た、そんな素敵な演奏だったことを、最初に書かせて頂きます。続きは、またいつか・・・。

 

りのさん、ありがとうございました。

大好きなピアニスト・坂本 彩さんの先生でもあり、また、先日行われた、「第4回高松国際ピアノコンクール」で審査副委員長を務められた、ピアニスト・青柳 晋さんのリサイタルを聴きに伺いました。

技巧は完璧ではありませんが、演奏から醸し出される「年輪」が実に味わい深く、聴きに伺って良かったと思いました。

詳しく書こうとも思っていますが、もしかしたら、この記事はこれで終わりになるかも知れません・・・。コンクールの記事そのものが、まだ第1次予選の途中で止まってしまっていますし・・・。

 

青柳先生、今日はいろいろとお話させて頂き、ありがとうございました。