
ぴあnp
お気に入りの演奏家が増えれば増える程、日程的に重なってしまうことが多くなり、私自身、どうして良いかわからない時があります・・・。
この日も、聴きに伺いたい3つの公演・催しが偶然にも重なってしまいましたが、その中から、4月に行われた「第2回SHIGERU KAWAI国際ピアノコンクール」の大阪予選で、たった15分程度の時間でしたが、圧倒的な感銘を受けた澤田 奈央子さんのピアノをどうしてもお聴きしたく、こちらに伺いました。
西本 慶子さんのチェロはこの日初めてお聴きしましたが、私がいつかまたぜひお聴きしたいと思っているピアニスト・戸田 恵さんと以前ご一緒されたことがあると言うことで、事前のリサーチ無しに、安心して聴きに伺いました。
西本さんのチェロですが、技巧的にはほんの少し不安定な部分もあり、ショパンやサン=サーンスでは、更に機能性に富んだ演奏もお聴きしたかったと言う面もありましたが、彼女の本領は音色と表現力(味わい)であり、後半のドビュッシーとフォーレのソナタでは、澤田さんとの練られたアンサンブルによって、内面的に深い、十分に聴き応えある演奏をお聴き出来ました。
お目当ての澤田 奈央子さんのピアノですが、デュオ・ソロ両面に於いて、やはり申し分のない素晴らしさでした。「KAWAI」のコンクールでは短い時間でしたし、ショパンしかお聴き出来ませんでしたので、その時の私の印象が果たして正しかったのか、ほんの少し不安に思っていたのも事実なんですが、この日弾かれたソロのラヴェルの2曲は、私がこれまで同曲を聴いた中でも最も感銘を受けた演奏で、私の彼女に対する思いは、間違いではありませんでした。
最適と思われるテンポの中で、優れたリズム感、アクセント・ルバート・音楽的な抑揚などが全てにおいて充実し、ラヴェルの音楽に吹きこまれる独自の息遣い、オーソドックスなのにとても新鮮、決して多くを語っておられないのに、弾かれる音楽の行間から見事に音楽の本質が浮かび上がり感じ取られるなど、全ての時間に於いてとても心地よく、こんな素敵な音楽を聴かせて頂けることは、そう度々はありません。彼女のピアノに出会えたことは、私にとってとても大きな出来事であり、この日聴きに伺って本当に良かったと、自分の判断(?)を褒めたいと思います。
西本さんとのデュオに於いては、ご自分のペースで譜面をめくれるよう(譜めくりの方を介さないように)、見事に工夫された彼女の譜面の「綴じ方」は、まさに彼女のデュオに於ける「心がけ」「真摯な取組み」を端的に物語っており、これ以上余計なことを申し上げる必要などない程です。同様のことが、名古屋在住のピアニスト・前田 祐里さんにも言えるのですが、優れたピアニストと言うのは、アンサンブルと言う場に於いても、ソロの時と同様、輝いているものなんですよね。
先日聴かせて頂いた、素晴らしいショパンのエテュードの譜面に、サインを頂きました。

私は直接お聴き出来ませんが、8月に行われる「KAWAI」のコンクールで弾かれるシューベルトの即興曲の譜面にもサインを頂きました。8曲の即興曲のうち、どれを弾かれるかは、秘密です・・・。
奈央子さん、いろいろお話させて頂き、どうもありがとうございました。
