阿見 真依子 ピアノリサイタル | 音楽と競馬、思ったことを書いて行きます

一昨日、これまで何度もお聴きしている、ピアニスト・阿見 真依子さんのリサイタルを聴きに伺いました。

 

彼女は、東京で行われる「ショパン・フェスティヴァル2018 in 表参道」の一環として行われる、5月30日の公演にご出演されます。この催しの出演者には、先日素晴らしいショパンのソナタ第2番を聴かせて下さった太田 糸音さん、先の「第4回高松国際ピアノコンクール」の覇者・古海 行子さん、「第1回SHIGERU KAWAIピアノコンクール」で第3位に入賞された原嶋 唯さんなどの優れた若手ピアニストも、「ランチタイムコンサート」の枠でご出演されるようですが、チケットはいずれも完売のようですね・・・。

詳細は http://chopin-society-japan.com/chopin-festival2018/ から。

通しテーマが「前奏曲・プレリュード」と言うことで、各奏者がショパンの前奏曲をプログラム中に挟みながら、それぞれが趣向を凝らした曲目を並べられておられます。ご出演になる奏者の皆さんのプログラムを拝見していますと、同じ「通しテーマ」なのに、それぞれの個性が際立っているのは、大変興味深いですよね。この日は、阿見さんがその公演と同じ曲目を、曲順に弾かれました。

 

東京公演の直前になりますので、阿見さんが考えられた、プログラミングに込められたものに関する「種明かし」は敢えてしませんが、書法に共通する特徴を持つJ.S.バッハからメンデルスゾーンまでの曲目、それに続く、それらとは異なるドビュッシーの前奏曲集の抜粋(最後に弾かれる「亜麻色の髪の乙女」は「変ト長調」)、そして、異名同調(=嬰ヘ長調)のショパンの「舟歌」に繋がり、ショパンの名曲が並ぶと言う、阿見さんならではの良く練られたプログラムです。

 

ソナタ第3番の最終楽章、特にこのあたりの右手の指使いと気迫は、あたかもショパンの魂が乗り移ったかのような感じがして、聴いている側も、ちょっとブルブルっと震えが来ました。

 

海老彰子さんに師事・可愛がられている彼女のショパンは、まさしくショパンの王道を行くような、まっすぐでメリハリのある大変豊かな音楽でした。東京でのご盛会を、心より祈念しております。