そもそも、ichibanにはMVのテイストや歌詞に統一感が見られず、MIC Dropに見られるようなメッセージ性があるようには思えない。
例えば、タイトルの問いを聞かれたとしたら、どう答えるのだろうか。
民主の仕分け事業で理系界隈だけでなくマスコミも注目した蓮舫議員の「2位じゃダメなんでしょうか」発言。この一文だけが取り沙汰され独り歩きし、その取り上げられ方が科学者間での議論の活性化を抑制してしまったとの批判の声があった(須藤靖・東大物理学教授)。それほどキャッチーなフレーズで、現在でも揶揄されている。
こうした社会的な文脈を踏まえた上での何らかのメッセージがあるのなら分かるが、ただichiban, ichibanと連呼しても何かを意図しているのかどうかすらも不明瞭。『世界に一つ』が分かりやすいというより平易すぎるメッセージを送っていた一方で(だからこそ小学生でも理解できる)、ichibanは誰をターゲットに何を言わんとしているのか分からない。
ちなみに、京が引退後、富岳が5期連続世界一になったが、今年に入って再び転落…。
スパコン問題は深入りしないが、ichiban, ichiban, No.1と歌っていて、何がどう一番なのか。
アメリカに目を向けても、2016年のオバマのスピーチから着想を得たというBTSのMIC Dropのように、アジア系そのほかの有色人種やマイノリティのティーンが「いかにも好みそう」な要素も見当たらない(この年には大統領選があって、身近に感じるほどすでにBLMがかなり活発化していた。翌年に民主から共和トランプへ)。
例えば、「ミヤネオンマー」(分かる韓国語はウリコンサートとこれくらい笑)とシニカルに歌うテイストや、MVに出てくるanonymousを思わせる集団、police、爆発、車の残骸など、反公権力・反トランプでSNS上での抗議運動が得意なK-popを聞くティーンが確かに惹かれそうな要素。
※個人的にはsue it! という挑発的な部分が面白い。訴訟社会のアメリカでアメリカ人は事ある毎にsue, sue, sue, lawsuit、些細なことでもすーすーすーすー本当に好きなので。日常会話で「相手がsueって言ってきた、腹立つわー」と聞くこともよくある(幸い、言ったことも言われたこともないけれど)。
ichibanがTiktokの再生回数云々、海外からの反応が!とおだてられているようだが、アジア系アメリカンのティーンが思い浮かべるichibanと言えばこれくらいなのでは、と思うのだが。
和のテイストもアメリカで中国・韓国・ヴェトナム系が経営するジャパニーズ・レストランのそれ。似非日本テイスト。
中国のTiktok(※)に乗り出したところで今さら感は否めない。
赤をテーマにしても伝わってくるイメージがこちら。
※中国共産党に提供しないのは当然、その質問が出てくること自体が問題…だから心配。