-夢の詩- ~孔雀~
孔雀。
森の宝石だよ、ね。あの翼。
うらやましかった。いつも。
みとれる。つや。輝き。その、いろ。
あなたが、あるくたび。ね。
身を隠してたの。
みられたくなくて。自分を。ね。
土みたいだもの・・・わたし。
あるとき。
宝石のあなたに。見られてしまった。
逃げたわ。走れる限り。はずかしい、から。
でも、はやかった。ね。
あなたのほうが。
目の前で、びょうぶを広げて、通せんぼ。
泣こうとするわたしに、あなたはいった。
「あなたの謙虚さが、ね、すきなんだ。逃げないで?
こわいかな。そうだよね、目立ちすぎる。僕は・・・」
知ったの。はじめて。
わたしも同じ、孔雀なんだ。って。
あなたにあってわたしにないもの。
わたしにあって、あなたにないもの。
惹かれる。惹かれあってる。
同じきもち、だったの。ね。
小説NO.33 ~作戦会議~ 其の弐 「ティング」
「あるとき父は、思ったんだ。『自分を絶対に裏切らない兵がほしい。』ってね。
そこで父は考え付いた。
そのとき彼についていた兵の、NO.1~NO.4はそのまま残し、NO.5~NO.10の兵の魂を抜いて、そこから「気」を抽出し、その集合体で人を造りだせないか…と。
ひとりひとりの力はNO.1~NO.4には劣るが、それらを集めたパワーははかり知れないからね。
僕が産まれる前から、彼の元にいる研究者たちにより、実験は始まっていたようだよ。
そして数十年のときを経て、培養された物体は・・・完成してしまったんだ。」
シュリは、ふぅ・・・(´・ω・`)、と溜息をつく。
「そ、それが、ティングってやつなのかよΣ(゚д゚;)!」
ルースは思わず叫んだ。
「その通りさ。
でも、実際、彼の姿を見たことはないんだ。見たことが無い・・・というか、
彼は6人の気を集めて造られているからね、姿さえ6変化するんだ。
つまり戦い方、得意な技も6つ以上あるってことになる・・・。」
こちらは戦士5人。それに加えて向こうは王を含め6人。しかもそのうちの1人は6人分の
集合体で出来ている打なんて・・・。
皆の周りに、重い沈黙が流れていた。
その沈黙を消すほどの笑顔で、健司はこう言った。
「はっは(°∀°)b !なんてことねぇよ!サラもちゃんも2変化できる。ルース君も2変化できる。
それにシュリ君は、悪魔に取り憑かれてても強かったのに、もうその悪魔さえいない。
朱音も剣を使えるようになった。死人のはずの俺だっている(^∇^)
最初っから尻込みしてちゃ、何にもなんねぇだろ?」
そして健司はシュリに目をやると、にやっと笑って付け加えた。
「愛があればな、人はどうやってでも、愛する人をまもりたくなるもんだよ、な( ̄▽+ ̄*)?ふふ」
「な?!(°Д°;≡°Д°;)」
声を揃えて私とシュリが焦る。サラとルースはきょとん、としているが・・・。
健司には先ほど部屋でふたりがしていた会話などが、お見通しだったようだ・・・。恐るべし!
「は、まぁ。そうですね、色々と思うことはあるかもしれませんが、
とにかく行くしかないのです・・・。勝てますよ!必ず。」
シュリは下を向き、頬を赤らめ、皆に解散を告げた。
出発は6日後の夜。それまで各自修行に取り組むこととなった。
出発の前日だけは、疲労を溜めぬよう、安静にすることも皆意見が一致し、決定した。
皆、各自の部屋に戻った。
サラは、実は一番この戦いに怯えていた。
なぜならば、狼になっていないときの彼女は、そこまで戦力となる「力や技」を持っていないからである。
サラは、パタパタと部屋へ向かった。彼女の「ダーリン」ことルースの部屋へ・・・。
「お。どうしたo(^▽^)o?」
剣を磨いていたルースは、サラの訪問を温かく迎え入れる。
サラは、自分の悩みをルースに告白した。
「そう、か。」
ルースだって、サラの心配をしていないはずは無い。
こうして悩みを打ち明けてくれる日を待っていた。
「こう言う日が来ると思ってよ。お前にバッチリの武器、作ってあるんだ。
お前がもっとでかくなったら、渡そうと思ってたが、お前、何年経っても・・・
見かけ、変わんないもんな(;´▽`A``
今が、渡し時なんだと思うから、ちょっとまって,てな。」
ルースは部屋の奥で何かゴソゴソしている。
(見かけ変わらないってなによぉ。もう(`ε´))
そう思いつつも、サラは嬉しかった。ルースが自分のことを考え、何かしようとしてくれていることが。
「あったぞー。ほぃよ(*^ー^)ノ」
サラは驚いた。
(ルースがあたいに?こ、これを!?)
そう、実はルース、自分の修行もしつつ、彼女のために、
「特別な武器」を用意していたのである。
小説NO.32 ~作戦会議~ 其の壱
1階に皆が集まると、シュリは神妙な面持ちで話し始めた。
さっき朱音に見せた、とろけるような瞳とは、打って変わって彼は真剣だった。
「まず、父の宮殿へ行くには、ここから5日かかる。これはルースが竜になって飛んでくれた場合、だ。
しかし、それだと背中に4人を乗せて飛ぶルースの疲労は、並大抵のものじゃないし、
時間がかかりすぎる。そこで、だ。」
朱音、ルース、サラ、健司も目をそらさず、真剣に聞き入っている。
「皆の気を合わせ、瞬時に飛べる方法があるんだ。その方法で、行こうと思う」
ルースは目をまん丸にして尋ねた。
「ど、どうやってだヽ((◎д◎ ))ゝ?!」
朱音もサラも、ルースと同じ言葉を発そうとしていたところであった。健司は黙っている。
シュリは続けた。
「僕が昔、魔術師のおばあ様に頂いた剣、「火の鳥」がある。
その剣は、ルースの涙におばあ様が魔術をかけてくださったものだ。
名前の通り、気をこめれば、その気は火となり、剣の中から鳥を呼び覚ます。
そしてその鳥は、自由と引き換えに、気をこめた人すべてを、願う場所へ飛ばしてくれるんだよ。
この方法で行けば、2日でたどり着くことが出来るんだ。」
(火の鳥・・・。朱鳳凰と似た名前。その剣も、魂の宿る、特別な剣なのね・・・。)
朱音はそう思った、が…「自由と引き換え」という部分が引っかかった。
「ねぇ、シュリ?それってもしかして、1回その力を使ってしまったら
もうその剣は、通常の剣になってしまうってことじゃないの(・_・;)?!」
「ああ、その通りだよ。
自由を与えること、それは剣の中の魂を、死界に送り、魂に新たな人生を、与えることになる。」
シュリは静かにそう言った。
その言葉に、みんな、黙りこくってしまった。死界出身の健司は何食わぬ顔をしていたが(;^_^A
「それは、剣を殺す、ということではないの(´Д`;)!?」
サラがたずねる。
「まぁ、そういうことになるね。残酷かもしれない。ただ・・・。
剣に宿る魂というのは、使い手の意思に応えてこそ、人生を全うしたといえるんだ。
僕らの命とは、少しちがうんだよ。」
「そうなの・・・。」
と、サラ。
皆、感慨深い顔つきではあったが、その方法で行くことに納得した様子であった。
ふと朱音は、朱鳳凰の言葉を、思い出していた。
「主人(朱音)を、全力で守る。」
そう朱音に告げた、主鳳凰の言葉を・・・。
シュリは説明に戻った。
「王の宮殿には満月の前日に着いたほうがいい。
サラが狼になってからじゃ、朝が来るまでに、時間が無さ過ぎるから。
それに…いつ戦士のTOP5が襲ってくるかも分からないし、
結局はそいつらを倒さないと、王と戦うことさえできないのだから。」
「TOP5、どんなやつらか把握してるのか?」
健司が話し合いの場で初めて口を開いた。
「いや、正確には掴めて、いません。
TOP5は内部にも秘密にされている部分が激しいし、気に入らないことがあると、
父はTOP5であろうとも、消してしまうから…。
ただ、父の右腕でもある存在、ティングだけは、決してTOP5から消えることは無いはずです。
僕が幼い頃からずっと、彼は誰よりも、父に近い存在だから。」
シュリの瞳はいっそう厳しくなった。過去、自分が見たものを思い出しているようだ。
「じゃあ、そのティングとやらの情報だけでもいい。知っていることを教えてくれ。
対策を練ろう(`・ω・´)」
健司の言葉に、シュリは頷いた。
「ティングは・・・あるとき父が造りだした、父にのみ仕える戦士なんだ・・・!」
-詩- ~ A butterfly on the asphalt ~
おっと。
butterfly
なにをしてるの?
ねぇ、butterfly。
呼吸を、やめないで。
butterfly?あぶないよ。
ど真ん中だよ。道路の、さ。
もう飛べない・・・butterfly。
呼吸の、音。
かすかな、呼吸。
いいよ、butterfly。
無理して、歩かないで。隅へ 行きたいの?
「生きてるの。」
大丈夫。butterfly。
アピールしなくても。分かってるから。
鱗粉。触覚。翅。脚。
きれいだよ。
生きぬいて。時間が流れるかぎり。
だから、さ。
一瞬だけ、時間をちょうだい?
できるだけ君を大地にのこしたいから。
手を貸させて、ね?
ありがとう。
butterfly・・・
小説NO.31 ~甘い風~
すぅすぅ・・・
気持ちよさそうにシュリは眠っている。朱音、ルース、サラ、そして健司に見守られながら。
シュリの顔。初めて金属の下を見た。縫ったあとが沢山ある。そこに義眼がはめ込まれている。
そう、朱音にくれたペンダントと同じ、赤い石。
(このままでもいいのにな、顔・・・。)
そのままの自分。
ありのまま。
朱音はそのままのシュリが一番素敵だと思った。
2日間、シュリは目覚めなかった。
朱音とルースとサラは、代わる代わる、健司に稽古をつけてもらっていた。
そして3日目・・・。シュリは目覚めた。朱音ひとりが見守っているときのことである。
「・・・あぁ!僕に食いつくなぁヽ(`Д´)ノ!!」
突然そうさけぶと、シュリはガバッとベッドから身を起こしたのだ。
顔の軽さ、こころの軽さに気づいたのか、キョロキョロと辺りを見回し、
義手を動かしたり、身をねじったりしている。顔の覆面がないことに気づくと、
途端に恥ずかしくなったのか、
そのとき傍にいた朱音から、顔を背けた。
「シュリ?」
朱音はそっとベッドに腰掛ける。
「醜いものをそんなに見たいのか!」
シュリは強い口調で言う。皆とちがう体。これはシュリのコンプレックスだったのだと、朱音は気づいた。
「シュリ、顔を背けないで。あなたの顔、眠っている間、見ていたわ。
でもね、誰一人としてあなたの傷を、「醜い」だなんて思っていないわ。
みんな、あなたが目覚めるのを楽しみに待ってたの。あなたの内面が、すきだから・・・。」
シュリはそっぽを向いたままだったが、頬が紅に染まっているのがわかる。意外と、シャイなのか。
「あなたは悪魔にとりつかれていたのよ。だから、自分に自信が持てないでいるのかもしれない。
でもね、父さんがそれを退治してくれたの。
だからあなたは、もう誰にも邪魔されないで、自分の力を使える。こころも他人にコントロールされたりしない。
シュリ、今のあなたなら、王を倒せるわ。今日からがあなたのスタートよ(*^ー^)」
シュリは、ゆっくりと、こちらを向いた。
そして朱音の顔を、瞳を、真っ直ぐに見つめた。
「君は、やさしい、な。君に、触れても・・・いい?」
「ええ。スタートを切ったシュリ!最初に触れてくれるのが私でよければ!
どんと来い、よ(-^□^-)!」
朱音は握手でもされるのかと思い、そう答えた。
しかしシュリは、両手でグッと朱音を引き寄せ、
朱音の唇に、自分の唇を重ねた。
「(@Д@;!?」
朱音は最初戸惑ったが、何だかこれまで感じたことのない、甘い風を・・・心に感じていた。
朱音もシュリの肩に腕をまわし、暫くふたりは、そうして互いに体を寄せ合っていた。
人と幸せなキスをする・・・。
それは朱音にとって初めての経験だった。
「おーい、あけるよ~(°∀°)b 」
という健司の声に、慌ててふたりはそわそわする。
「は、は・・・はーい!」
朱音はベッドの角で頭を打ちつつ、急いでシュリから離れた。
健司のあとに続いて、打ち身だらけのルース、肩を脱臼して泣きじゃくるサラも登場・・・。
「岩砕のおっちゃん、めちゃくちゃ強いぜ…。しかもサラと二人がかりでかかっても、
傷ひとつねぇ(ノω・、)
・・・あれ、シュリが起きたぜ!よかったぁ(‐^▽^‐)」
ルースはボコボコになりながらも、シュリの目覚めを喜んだ。
泣きじゃくるサラは、喜びの涙も加わって、もう顔がぐちゃぐちゃ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
「おう!よかったな。…にしても、お前ら2人、何だかよそよそしくねぇかぃ( ・д・)?」
健司の言葉に朱音もシュリも、あたふたしたが、シュリは冷静になって健司に礼を言った。
「本当に、何とお礼申し上げればよいか・・・。
自分でも、何だかおかしいというのはわかっていたのですが、まさか悪魔にとり憑かれてるとは、
思ってもいませんでした・・・。
ありがとうございます!」
「いいってことよ。」
健司はいつもの二カッという笑いでそういうと、話を続けた。
「だがな、満月まであと10日だぜ?
そろそろ作戦も練っていったほうがいいんじゃねぇかぃ?王のほうも、周りに強いやつ、
つけてるんだろ?」
全くその通りだった。王の周りには、戦士の中から選ばれしTOP5の兵が揃っている。
まずはそいつらを倒さねば、王のもとへはたどり着けない。
「そうですね、じゃあ、みんな。傷を癒したら、1階へ集合だ。いいね?」
シュリの言葉に皆は頷いた。
-夢の詩- 「星の砂」
窓の外、ながめていたんだ。ぼーっと、さ。
そしたらなにかが。向かってきたんだ。
しゅー。しゅーん。
「夜の探検にいこうよ」
なんて誘われて。もう、眠たいどころじゃなかったな。
とびのった。星のうえ。
あつくてびっくり。星のうえ。
しゅーん。しゅわーん。
いろんな動物、みたよ。
やぎ。みずがめ。ぺガサス。ひつじ。くじら。
ミラクルな、世界。
ケフェウスさん一家ともトモダチになったよ。
奥さんのカシオペアさん。娘のアンドロメダさん。
楽しかったけど・・・そろそろ時間だった。朝がきちゃう。
しゅわーん
って、また星にのせてもらって帰ったんだ。
きこえてきたよ。いろんなひとの、ねがい。
そうか、流れぼしだったんだね。きみ。
さよならをいうとき、きづいたよ。
そして、きみは飛び散っていったね。あっち、こっち、へ・・・
星の砂、は、ね。願いがかなった「証」、なんだって。
星が送った、愛、の、かたち。
想い、の、しるし。






