小説NO.30 ~ シュリに潜む闇の正体 ~
健司は日本刀を抜くと、シュリに言った。
「君からかかっておいで。
死界からきた人間なんだし、それこそ手加減はいらないからね。」
シュリは「気」で剣を造りだす。「金色の針」、まるでそのようなイメージ。
金色の光線を飛ばすかのようにすばやく、シュリは健司を突く。
(速い。とにかく・・・速い(°д°;)!)
朱音はそのスピード、鋭さに感心しながら、ただただ、傍観していた。
しかし、健司は顔色一つ変えない。
ひとつひとつの攻撃を日本刀の刃や鍔で、軽く、はじく。
(父さん、あんなに余裕があるなんて・・・信じられない!凄い戦い。。。わぁ・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ)
朱音はここに残って良かったと感じた。
こんな戦いは、きっとなかなか見られないだろう。
「何だか凄い「気」、感じると思ったら、こういうことになってたのか(-_☆)
シュリ、昔魔術師のばぁちゃんに授かった剣(火の鳥)じゃぁ、ものたりねぇ程、強くなったんだな。。」
よっこらしょ、っとルースも観戦(?)にやってきた。
もちろん、サラも、ぴったりと引っ付いて登場。
んがあぁあぁぁぁあ・・・!!!
目をそらした隙に、何があったのか、シュリがとてつもない声を上げた。
野獣が呻くかのような、寒気のする声・・・。
3人は見てびっくりした。
健司がシュリの胸を突いていたのだ。
刺さった日本刀はあえて貫通させず、途中でとどめているように見えた。
「お前の中の闇よ、現れろ!
シュリ君の中に潜むお前を、死界へ送ってやる!」
健司はシュリではなく、その中の「誰か」にそう言っていた。
シュリに寄生している、「何か」に…。
途端に、シュリの顔の金属部分が弾け飛んだ。
「くっくっくっくっく・・・・」
不気味な声を上げながら顔をあげたシュリを見て、3人は驚愕した。
深く顔を覆っている、どす黒い痣。
そこから覗く瞳は、紫色をしていた。…それは、シュリの顔ではなかった。
「今はシュリ君の体を利用して、徐々に彼を呑み込んでしまうつもりだったんだろ?なぁ、悪魔よ!」
健司はそいつに話しかける。
「てめぇ。良く分かってんじゃねぇか。その邪魔をするやつは、生きてはいられないぜ?」
ニヤリと笑う気味の悪い「悪魔」は、飛び上がると健司にガブッと噛み付いた。健司を呑もうとしているのだ。
健司は噛み付かれたまま、そいつを放置している。
なぜ…?!
暫くすると、悪魔は、「うううぅぅ・・・?!」と声を上げて、もがき出した。
「知らんのか、死界の人の血を吸うと、悪魔は死んでしまうんだよ。
ま、知らなくて当然だがな。お前らは自分ひとりでは何も出来ない。
強い「気」を持つ者に憑けば憑くほど、そのときは威力が増すが、な。」
「ん・・・、な・・・ぁに?!」
苦しむ悪魔を尻目に、健司は小さな声で呪文を唱えた。
「弔・魂・消・・・。(魂よ弔われよ、ここから消えたまえ・・・)」
じゅぅぅぅ・・・・っという、溶けるような音がすると、紫の煙を巻きながら、悪魔の姿は消え去った。
そして、なんと。
中からはぐったりと倒れている、シュリが姿を現した。
胸に刺された傷など、一切ない。
健司は悪魔が突いていたのはシュリの中の「悪魔のみ」だったのである。。
シュリの体は触れることなく通り抜け、悪魔だけに刃があたるよう、コントロールしていたのだ。
「さ、さすがだぜ・・・(((゜д゜;)))」
驚いて口も利けなかった3人だったが、やっとこさルースが声を発した。
「ルース君!シュリ君に手当てを!傷はないが、生命力が落ちてしまっている。
魔術で力をそそいでやってくれ!」
健司は朱音のほかに、ルースとサラが見ていたことにも、気づいていたようだった。
「まかせろぃ(`・ω・´)!」
そういうとルースはシュリに駆け寄り、両手をかざして「気」を込めた。
「もう大丈夫だ、シュリ君は、王家に取り付いていた「悪魔」に、産まれた頃からずっと、
とりつかれて、いたようだ。
これで彼の体は今まで以上に軽くなり、悪魔の餌となっていた分の「気」も使えるようになる。」
健司はいつもの優しい顔に戻っていた。
朱音とサラにニカっと微笑みかけた(*^ー^)
「よっこらしょっとー!みんな、下降りるぞ(^O^)
下でゆっくりしつつ、岩砕(健司)さんも一応手当てするとこないかみとこう。」
ルースはすやすやと眠るシュリを抱えてこちらにやってきた。
サラが降りるための穴を「気」でつくる。
(みんな、強くなりそう。何より絆が深まりそうね(=⌒▽⌒=))
朱音はぐぐっと「伸び」をし、みんなと共に、下へ続く穴へひょいっと飛び込んだ。
-夢の詩- ~にゃあご~
あなたと、
あそんでたの。
海で、森で、そして並木道で。
あなただよ。
わかるかな・・・?
つたわる、かな?
並木道でね。
ころころ、石、ころがしたの。
お気に入りの石、えらんで、ね。
ふたりとも石になって転がってみよう?って、いって。
あなたは石になるの、
あなた、うまかった、ね。
ウキウキしちゃって、私。
ころんって。
ころがろうとしたの。
「にゃあご」
っていって、ネコさんが通り過ぎてった。
私たちを横目に、さ。
たのしい、たのしい、夢だった。

「そこ、お布団じゃないよ?」って。
朝ゴミすていったときみた、ねこさん。
ひょっとして・・・
ゆめから、ついてきちゃったの?
一緒にあそんでたあなたは、どうおもう?
小説NO.29 ~ 闇の 部分 ~
シュリは先ほどより「気」を強めて朱音に剣を振り下ろした。
いくら朱音の力が激しいといっても、手加減をしないわけにはいかないと思いつつ、
一体どこまで本気になってよいものか、迷う部分があった。
朱音はその「手加減」に気づいていた。
どう考えたって、王子ともあろうシュリの剣を簡単に受けられるはずがないから。
(シュリの本気が、見たい。)
朱音は心からそう思った。
そして自分の剣、「朱鳳凰」に思いを込める。
( あの人を、傷つけてはいけない。
でも、私たちが繋がったことを、攻撃でもって、わからせたいの。)
振り下ろされたシュリの剣に、朱音の剣が食らいつく。
単なる「受け身」ではなく、こちらからも力を加える。
朱音の剣と、食らいつかれたシュリの剣は、ガチガチと火花を散らした。
朱音の剣が更に、燃える。
パキンッ・・・
という音が鳴り響いた。
(そんな・・・馬鹿な!?)
シュリの剣は、真っ二つに折れていた。
急いで後ろへ身を引くシュリ。
それでも、シュリの頬には、血が流れていた。朱音の剣が、かすめた痕であった。
朱音は「傷つけないように」攻撃したつもりであった。
しかし、シュリの手加減が想像より大きかったのか、
はたまた力のコントロールの微妙な部分が、まだ未熟であったのか・・・。
シュリに軽症を負わせてしまった。
(しまった・・・(;´Д`)ノ!)
朱音は何だか、シュリに申し訳なくなってしまった。
自分に手加減してくれている相手に、血を流させるなんて・・・。
しかしシュリは嬉しそうに笑う。
(いつものシュリじゃ、ないみたい・・・(°Д°;≡°Д°;))
朱音は少し、ひやっとする。
「いいね、朱音。それでいいんだ!
剣と体がひとつになっている。ここからだよ!」
嬉しそうなシュリ。戦いを愉しむ王の血、まるでその一面が現れているかのように…。
そういうと、シュリは折れた剣を空に向かって投げた。
・・・剣は、空気に撒かれるように、姿を消した。
「さっきまでのは、部屋においてある剣の一本。僕が本気で戦うためのものじゃないんだ。
僕の剣はね、僕自身の「気」なんだよ。
これで戦った相手は今までまだ数人だ。これで一区切りつけてもいい特訓だったけれど、
この際、共に上を目指そうか。
お互い、手加減なし、でね。
命だけは捨てちゃいけない。そうなる前に、負けを認めることがルール。いい?」
朱音が思わず頷くと、シュリは義手ではなく、自分自身の手にグッと力を込めた。
金色に輝く剣がシューっという音と共に伸びた。
フェンシングに使われるような容貌の、針のように鋭い剣。
「僕のスタイルは、基本、突きだ。突きは意外とやっかいだよ。さぁ、行こうか!」
シュリがシュッと剣を前に突き出すと、その風だけで、朱音のマントの一部が切れた。
(すごい・・・)
朱音はこれまでにないシュリの顔つきに、ますます脈が早まるのを感じていた。
「こーら(`・ω・´)!それは必要のない戦いだよ?稽古じゃなくなってる。
シュリ君、理性を保て。」
健司の声。
驚いた、いつの間に健司があらわれたのか。
健司はシュリの剣を素手で握って押さえている。
シュリは健司の鋭い目に睨まれると、体の力が抜けたのか、フッと気を抑え、剣を消した。
「申し訳ない。思わず血が騒いでしまった・・・。今のは良くないやり方だった・・・。
僕は嫌なことに、相手が思わぬ強さを見せると、自分が抑えられなくなるときがあるんだ。。
王の血を受け継いでいる。それが、よく分かる瞬間だ。
岩砕様、感謝します(ノ_・。)」
うなだれるシュリ。
シュリにもこんな一面があったとは・・・。
健司は言う。
「シュリ君は強い。君の中には、闇の部分が眠っているようだね。
朱音を少し休ませて、僕が君の闇の部分を抑える、稽古をつけるってのはどうだい?
君は、もっと強い戦士になれるよ。」
「お願いします。」
深々とお辞儀をしたシュリは、朱音にいったん部屋に帰るようにと諭した。
しかし朱音が、「この場に残り二人が今することをみたい。」と伝えると、
シュリは、考えた後、了解した。
小説NO.28 ~剣との誓い~
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
朱音の手の中で、丸い物体が、鼓動を打っていた。手を広げてみる。
半透明なその物体は、赤と朱色、そして黄色がマーブル模様のように混在している。
とっくん・・・とっくん・・・・
(なんて温かいの・・・これは、なにかしら?
あれ、シュリは?)
先ほどまで城の屋上にいたはずだ。
シュリに特訓してもらうために・・・。
ここは、一体・・・?
「わたしの中に、あなたを呼んだんだ。」
(゜д゜;)
(しゃ、喋った!この「丸いの」が!)
朱音は、おそるおそる、手に乗る丸い物体に話しかけた。
「ね、ねぇ、もしかして、あなた私の・・・剣?!」
「ああ、そうだ。
今あなたの手の上にいるのは、わたしの・・・魂。
普通の剣と違い、あなたの剣は、わたしを見てわかるように、魂が宿っている。
生きているんだ。」
その言葉に朱音は驚いた、が、これまでの剣の動きや力を思うと、納得もできた。
剣は話を続けた。
「わたしは、ずっと独りだった。
あなたの手に渡ってからも、それは変わらないと諦めていた。
でも、さっきあなたはわたしに、『一緒にひとつの力を・・・』といってくれたね?
そこで確信した。この人は、わたしを・・・認めてくれる、と。
後悔したよ。昨日、勝手きままに、暴れてしまったこと。すまなかった。」
朱音はこの魂が、いとおしくなった。そして、自分の一部だと感じた。
剣と向き合う。これができている今しか、チャンスはない。
朱音は剣に語りかけた。
「あなた、生きているってことは、ひょっとして名前があるんじゃない?
もしあるなら、教えて?」
剣の魂は、暫く黙っていたが、口を開いた。
「わたしには、まだ名前が・・・ない。
わたしのような特殊な剣の場合、名を授けし者が主人となる。
つまり、あなたが名を授けたら、わたしはあなたに遣えるし、あなたを全力で、守る。」
「え?!私が名前をつけるの??Σ(=°ω°=;ノ)ノ」
驚く朱音。突然聞かされたもの、無理もない。
「そう。名前を与えてくれ。
今の事を教えるということは、わたしはあなたに遣えるという決心があるという忠誠心からだ。
頼む・・・。」
剣の言葉に朱音は胸を打たれた。
そして名前を考えた。
(鳥の彫刻、炎のような輝き・・・。そうね・・・(。・д・。))
考えた末、朱音は手に乗る「剣の魂」にそっと顔を近づけ、ささやいた。
「あなたの名前は、『朱鳳凰(シュホウオウ)』よ。イメージが、朱色のフェニックスみたいだから(・∀・)」
キュゥーン・・・・・
啼いた。主鳳凰が・・・啼いた。
その瞬間、手に乗っていた魂は赤や朱色、そして金色の光を放ちながら、朱音を包み込んだ。
朱音の体にこれまでに感じたことのない、パワーがみなぎる。
「ありがとう、朱鳳凰・・・。」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
・・・っと突然、目の前に、次の攻撃に入っているシュリが現れた。
しかも朱音は元の半球形の地面に立っている。
(そうか、私の中で時間が過ぎていただけで、
外界での時間は止まっていたのね・・・
もう、朱鳳凰も私もひとりじゃない!大丈夫、やっていけるわ!!)
シュリの攻撃に構えながら、朱音の目には、喜びの涙が溜まっていた。
小説NO.27 ~屋上での目覚め~
穴に飛び込むと、「ゴォオォオオオ・・・・」という音にのまれ、
あっという間にふたりは屋上にたどり着いた。
ツル~~~~ッ・・・( ̄Д ̄;;
「ひ、ひぃっ!!」
朱音はつるりとした足元に、滑りそうになる。
まるでスケート場の様・・・。
そもそも朱音はこの城を外から見たことがない。
なので、真珠のように滑らかな壁面のことなど、一切知らなかったのだ。
「この城は半球形だからね、足元が悪いんだ。
でも、ここは屋上だから、天井がないだろ?つまり空中は自由に使えるんだ。
あと、この足元も、要領をつかめば、歩いたり走ったり、普通の道と同じように
出来るようになるさ。」
あっさりとシュリはこういうものの、朱音には「空中を使う」の意味が良く分からなかった。
「空中で戦うだなんて・・・できないわ。。」
「大丈夫、空を飛ぶわけじゃないさ。『気』を利用して跳びあがったり、
技を放つスペースが増えるだけの話だよ。
これも、要領さえつかめば、できる。
ただ・・・自分の力をコントロール出来るようじゃないと、無理だけどね。」
シュリが今回朱音に掴んでほしいのは、自分の力を操れるようにすることであった。
空中を使う戦いならば、力のコントロールなくして、敵に勝つことは出来ない。
「じゃ、始めるよ!」
言葉と共に、シュリは空中に跳びあがった。
(高い。どうしてあんな高く跳べるのだろうか・・・。)
朱音がそう感じていると、フツフツと自らの体が熱くなってくるのが分かった。
(こないだと・・・同じだわ・・・。)
パチンッ・・・
音を立てて、鞘に撒いてある布がはじけた。
剣はメラメラと燃え、戦う喜びを抑えきれないようだ。朱音の全身には、ピリピリと「気」が走る。
朱音は・・・気づいた。
(今の私は、剣を使っているんじゃない。 剣に、使われているんだわ!!!)
朱音は両手でしっかりと剣を握り締め、子供にはなしかけるように、剣にこう言った。
「あなたは一人でたたかっちゃ、だめよ。私とあなたは、運あって、
共に戦う仲間なの。
ねぇ、お願い。ひとりで走っていかないで!
あなたと私でひとつの力を生み出しましょう!」
一瞬、剣の興奮が静まったのを感じた。
朱音はもちろん、急降下しながら、攻撃態勢に入ったシュリも。
シュリはあえて気にせず、朱音に剣をふるった。
空中から落下するほどのスピードにのせて・・・。
しかしシュリの剣は、朱音に・・・止められた。まるで、シュリの剣を包み込むようにして・・・。
朱音の剣は、こないだのように暴れるわけでもなく、相手を傷つける様子もなく、
無駄のない力の加減で、シュリの剣をキャッチしたのだ。
それは、剣と、その使い手の心が通じてこそ、やっとできる
しなやかさ、「力の波長」であった。
(シュリが驚く顔が、見える。
自分でも、何だか不思議な気分・・・。私の描いた通りの動きを、剣がしてくれている、
そんな感じ。
もっと、私は、剣と向き合って、お互いを知り合う必要があるんだわ!)
そう気づいたとき、朱音の意識はふっ、と、遠のいていった。
(剣が私を呼んでいる・・・)
それだけは、確かだ。
-詩- 大地の会話、で、はじまる。~SATURDAY~
そら、と、つち。
ちゃっ、ぱ。
ぱぱぱぱっちゃ。
ちゃちゃっ。
ちょぴちょ・・・ぱっ。
とじてみて?瞳。
聴こえる、よ。
じゃまする者なんて、いない。
だって
おひさまも、まだ、
眠い、みたい。
上から投げられた、ことばのつぶ。
「音に、して。投げた想い」。
下から返す、想いの、こたえ。
「音に、して。返す、想い」。
うけとめて、みたり。
はじきかえて、みたり。
ときには、さ。
吸い込んで、みたり。
聴きたい、よ。
触れて、みたいよ。・・・でもね?
あえて、しないん、だ。
こっそり、愉しんでるから、わたし。
大地とそら、のキャッチボール。
ちゃっ、ぱ。
ぱぱぱぱっちゃ。
ちゃちゃっ。
ちょぴちょ・・・ぱっ。
聴いてるとね。
わかるんだ。
そら、と、つち。
なかよし。とっても。
おひさまも、ね。
きっと 今日は、遠慮がち。
このじかんは、ふたりに、あげる。
ふたりだけに、あげる。
おひさまが、しびれを、きらす
まで・・・だけ、ね♪
小説NO.26 ~屋上へ・・・~
な、何か日本に昔いたときいている、「武士」というもの、らしき人が・・・
奇妙な歌を歌いながら、普通に家に居座っているんだ\(゜□゜)/!
しかも勝手に食料を、君ぐらい・・いや、・・・かなりの量、を!勝手に料理して食べている!
『朱音の父親だよ(^ε^)』と言い張るが、そんなはずはないし・・・!」
混乱しているシュリを見て朱音は父が本当にやってきたのだと言うことを確信した。
父さん・・・ありがとう (´ `)
しかし、朱音は・・・嫌な、予感が・・・した。
健司父さん。
かなりの大食い。私の比じゃない(はず!)。
しかも私がいるってだけで、我が家のような気分になっているに違いない!
朱音とシュリは、急いで1階へ向かった。
「朱音~♪おっはよーう!」
変なメロディに乗せて、山積みのトーストをムシャムシャ食べながら、
ルンルンでそこに居る、図々しい男。
( ̄_ ̄ i)
「シュリ・・・あれは、確かに・・・健司父さん、です;」
「な・・・?!」
いつも冷静なシュリでさえ、混乱を隠し切れない模様。
そりゃそうよね、こんなに突然で、わけの分からない事態・・・。
(朝起きて、あんなのがいたら、誰だって、びっくりもするわ・・・)
そこに、すっかり元気になったルースと、人の姿に戻ったサラも降りてきた。
「おはようございます(°∀°)b !」
「おっはよーう♪」
その後、2人が部屋の光景を見て、言葉を失ったのは・・・言うまでも、ない。
朱音は、今朝みていた夢と、父の事情について3人に話した。
健司は、満腹になり、満足げに朱音を眺めている。
(自分で説明してよ(-゛-;))
朱音がにらみつけるとそれを察した健司は、いつになく真面目な顔つきで、話し始めた。
「朱音の言ったとおり!死界から助っ人としてきさせていただきました!
朱音は、シュリ君が稽古をつけてやってくれれば、いい。
ただし、昨日のようなことがあった場合、もしくはシュリ君も実践特訓したいとき、
そんなときは、遣ってくれ、俺を。
俺もこの体で戦うのは初めて。慣れる必要がある。
ルース君やサラちゃんの、力を借りることもあるだろう。
だが、絶対に後悔はさせない!朱音を無事に現世に帰すのはもちろんのこと、
この世界の平和を取り戻してみせる!約束する!仲間に入れてくれ!」
健司はシュリの前に土下座をした。
こんなに本気の父をみるのは、朱音も初めてであった。
その言葉に、シュリは岩砕(健司のこと)に対して、尊敬の念を抱きはじめていた。
(目の前にいるのは、岩砕様。
しかし、岩砕様は、既に王ではなく、今は朱音の父になられた。
しかし、そうだとしても、何て謙虚なお方なんだ・・・。)
ルースもサラもそれは同じで、3人は互いに頷きあい、代表してシュリはこういった。
「岩砕様。ここでは健司様ではなく、岩砕様と呼ばせていただきます。
ご同行、こちらからもお願い申し上げます。」
朱音はホッと胸をなでおろした。
健司も笑顔で「ありがとう」と言った。
(「様」はいらないのになぁ・・・ε=(。・д・。)、と、思いながらも。)
「では、朱音。君も1時間後、屋上にいくよ。
今度は、地下じゃない。・・・じゃ、また後で来る。」
朱音にそう伝えると、自らの部屋へと戻っていった。
シュリは、さっき青ざめていたとは思えないほど、「冷静な自分」に切り替わっている。
「はい!」
(急がなくっちゃ、ご飯食べて、シャワー浴びて・・・・っとヽ(;´ω`)ノ)
焦る朱音の前には、気を利かせたサラが用意してくれたトーストが10枚。
ドカッと置いてあった。
「ありがと、サラちゃん( ´艸`)!!」
その枚数に全く驚く様子もなく、もさもさとそれらを全てたいらげた朱音。。
シャワーを浴び終え、準備が整ったちょうどその頃、
カチャ・・・という、義足の金属音と共に、シュリが現れた。
「さ、行こう。屋上へ。
今日から、君が自分の力をコントロールできるようになるまでは、
僕が、相手をする。」
シュリが天井に手をかざすと、ぽっかりと丸い穴が広がった。
いかにも吸い込む力が強そうで、ぐォングォンと渦を巻く、天井へと続く丸い穴の入口・・・。
朱音は剣を持つと、改めてその「重さ」に気づく。
重く、熱く、これからの特訓を、楽しみにしているように燃える・・・剣。
鞘がこわれたので、ルースが布を巻いてくれたのだが、それを透かして、
炎のよう輝きは、嬉しそうに波打っていた。



