小説NO.41 ~ 王の宮殿 ~
「こ、これが宮殿(((( ;°Д°))))!?」
朱音は鳥肌が立つのを感じた。
朱音は、宮殿といえば、映画に出てくるようなものしかイメージしていなかった。
しかし、ここは・・・違う。
真っ黒な建物。
城らしき形をしている部分はあるが、ぬめった紫色の液体がひたひたと垂れている。
両端にはそびえたつ2本の塔。
塔にはバラの棘のような鋭い針が絡み付いており、進入しようものならずたずたにされそうな
オーラを放っている。
「王は、どこにいるんだ?」
健司が尋ねる。
「わからないです。僕がいた頃の宮殿は、こんな邪悪な空気に満ちていなかったし、
形状も違ったから・・・」
シュリもさすがに驚いているようであった。
「ティングが造られたってことはさ、どっかに研究所もあるんだよな?
掴めないぜ・・・
もしかしたら、予定より早くついたことだし、少しづつ、進入開始したほうがいいんじゃねぇか?」
ルースがそう言うと、
シュリもそれに賛同した。
「入り口らしきものが、中央の扉くらいしか見あたらないんだ。
そこから入るか、地下へ繋がる通路をさがすか・・・どうするか・・・ε=(。・д・。)」
「地下へ繋がる通路。
あったとしてもあたい達が、簡単に入れるようなものじゃないと思うわ。
正面から進んでいくしかないんじゃないかしら?
敵だったら、地下だろうと、どこだろうと必ず現れるわよ・・・(`・ω・´)」
サラの一言が、珍しく(?)皆の心を動かした。
「よし、そうしよう!」
「サラの言うとおりだ!」
「そうね、そうしましょう。」
「俺は、それでいいぞ!」
シュリ、ルース、朱音、健司の意見も一致し、皆は真っ向から敵の宮殿に侵入する決意をした。
火の鳥は、傍に立つ、大きな枯れ木の上にふわりと着陸した。ここに緑など、ない。
「ありがとう。君と出会えて、本当に良かった・・・(´・ω・`)
あとは自分の人生を・・・一からやり直し、幸せになってくれ。」
シュリが火の鳥の首を抱き寄せると、火の鳥が・・・喋った・・・!
「あなたたちの健闘を祈ります。みなさん、こちらにいらっしゃい。
ひとりずつ、わたしのまつ毛と羽を抜いていきなさい。
戦う人によって、どちらが効くかわからないけれど、
あなたたちの役に立つときがくるはずです。」
火の鳥の声は、やさしく、女神を連想させるような声だった。
抜くのは申し訳なかったが、次の人生に旅立とうとしている者が言ってくれた言葉。
全員、ありがたく「まつ毛」と「羽」を頂戴した。
まつ毛の少なくなった瞳を瞬かせると、火の鳥は、天に向かって飛び立った。
いや、天に吸い込まれていったというほうが、正しい表現かもしれない・・・。
火の鳥としてではない、新しい、未来へ・・・。
シュリ、朱音、ルース、サラ、健司はそれをしっかり見届けると、枯れ木の上で、
暫く沈黙を保っていた。それぞれが様々な想いを胸に抱えているのだろう。
「行くか!前に進まなきゃ、はじまらねぇよ(^ε^)♪」
健司が皆の肩をポンっとたたく。
「そうだな。おっちゃんの言うとおりだp(^-^)q!」と、ルース。
「うん!あたいもそう思う(・ω・)/」と、サラ。
「そうですね(o^-')b」と、シュリ。
「父さんもたまにはいいこと言うのね(σ・∀・)σ」
朱音も最後にそう言い、皆は枯れ木から飛び降りると、門に向かって歩き出した。
前へ。
前へ・・・!
-詩- 天気 OF ココロ
こころのさ。
天気。予報なんて。
あてにしないで、さ。
自分の空模様を。
すすもうよ。
止まったら、苦しいよ。
だから、ね。じょじょに、でいいの。
かめさんなみに、でもいいの。すすもう、ね。
後ずさりも、ありだよ。
発見、あるかも。
快晴の人に台風。
曇天の雲がきれる。
あるよ。
きっかけ。考え方、で。
空が自分に投げかけた天気。
受け止めるんだ。
そっと心の窓。開けてごらん?
開かなかったら壊せばいい。
今の気持ち。
晴れてる「あの人」にぶちまけて。
ときにその言葉は刺さるけれど、
そしたら違う空の言葉も聞こう?
ずっと雨。
そんなこと、絶対にない。
負けないで。
負けたら自分が「雨降らし」になっちゃうよ。
スマイル。
降ってくるから。
耐えて、待つんだ。
動くんだ。
こころと、からだで。
私は、もう。負けないと決めた。
ある日から。
飛ぶんだ。空たかく。
つよく。つよく。
大地を、蹴って、ね。
小説NO.40 ~空の旅・現われし宮殿~
火の鳥に乗っての空の旅は、戦い前とは思えないほど、和やかなムードに包まれていた。
恐らく、飛行しながら火の鳥がメロディのような鳴き声を奏でていたからであろう。
皆、すやすやと眠っていた。皆、といってもシュリ以外、ではあるが・・・
(この戦いに勝てば朱音には別れを告げねばならない。
この戦いに敗れれば、今ここにいるみんなは、実験台や処刑など、
悲惨な目にあうことになる。
人と人とのぶつかり合いは、どうして血や涙を、流さねばならないのだ…)
シュリは朝冷えの寒さを防ぐため、火の鳥の羽毛に身をうずめた。
そして、彼も知らぬ間に、眠りに落ちていた。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
その頃、王の宮殿ではNO.1(ティング)~NO.5までの兵に集合命令がかけられていた。
「ぼうや」ももちろんそこにはいたが、相変わらず培養液の中で遊んでいる。
体は立派に育ち、もう「ぼうや」と言うのもどうか・・・という姿にまで、なっていた。
「皆の者。2日後の夜、こいつら5人がここへ侵入しに来るであろう。」
王は水晶玉に映る、火の鳥に乗る5人の姿を天井に映し出し、説明を始めた。
「こいつがシュリ。クズのような、わしの息子だヽ(`Д´)ノ!必ず殺せ!
そしてこいつがルース。シュリのような罪人の命を助けたふとどき者だ。
こいつも即死させろ!あとはよくわからんやつらが2人。
しかしこいつ、朱音という女は生け捕りにしろ!
こいつを研究所で我が仲間たちにふさわしい思考に変化させ、世界征服に利用するのだ。
方法はどうでもよい。とにかく4人殺し、1人生け捕りにすればいいのだ。
わかったな?!」
「了解いたしました!」
一同は声を揃えて王に応えた。
「ぼうや」はキャキャっと笑い声を上げた。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
シュリたちが目を覚ますと、雲の渦の中を飛行している最中であった。
「ここを抜けると宮殿だな(`・ω・´)」
ルースが真剣な顔つきで言う。
どうやら予定より少し早くつきそうだ。
当初の予定は、満月の前日の晩到着であったが、このままつけば前日の午後にはつけるはずだ。
(早い分にはかまわないだろう。誰がどこに潜んでいるかも分からないし、
そう言うやつらも結局は倒さねばならないのだから・・・。
王と面会するとき、サラが狼化できれば・・・それがベストだ。)
シュリはそう計画した。
弓矢も使えるようになったサラならば、人の姿でも充分戦える。
そのとき、雲が開けた。
ついに、目の前には宮殿が・・・。
小説NO.39 ~ 火の鳥に乗って・・・ ~ いざ、出発
火の鳥の瞳は、まつげが長く、本当に「やさしさの塊」といっても過言ではないほどであった。
朱音はその瞳がすこし母親と被り、思わず、一目散に「火の鳥」の背に飛び乗った。
(ああ、あったかい。懐かしいような・・・香り(´▽`))
続いてサラが首元にちょこん、と座り、ルースは朱音とサラの間に、
健司が朱音の後ろ、シュリは一番後ろに飛び乗った。
「よろしくな(°∀°)b !」
ルースが火の鳥の肩を撫でて言う。
飛ぶ大変さ、は、彼が一番分かっているから・・・。
火の鳥は、優しい瞳で微笑んだように見えた。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
王が培養スペースを去った後、「ぼうや」とティングは2人きりになった。
似た者同士の「造りモノ」。
「一体、君は何を考えている?
王から反感かうのだけはやめろよ?不信感丸出しにして。」
ティングは水槽のようなガラス張りの培養スペースに手を触れた。
「アハハ・・・アハハ・・・仲間ノニオイ。ア、オニイチャン?」
無邪気に笑う「ぼうや」。この笑いには純粋さが感じられた。
「ワタシの血も半分入っているからなぁ。オニイチャンかもな。だから、こんなに心開いてるのかい?
まぁ、ワタシ自体、6人の命を奪って、その「魂」から造られているから…似た者同士、だな。
でもなぜだろう。君、王に対しての敬意が感じられない。
笑ってしまいそうなほどに。
いいか?せいぜい、王の気分を害さないよう、うまくやってくれ?
『似た者同士?』からのアドバイスだ。」
ティングは水槽のような壁に手を触れた瞬間、
気づいてしまったことがあった。
(これは、おもしろい。)
そう感じたが、今の時点では誰にもいわないことにした。
しかしティングがあることを考えたついたのは、事実である。
「気が向いたら、でてきなよ。「弟」よ・・・。」
それだけ言うと、ティングはその場を去った。
遠くで響く、王のイビキを鼻でわらいつつ・・・。
(そろそろTOP5に招集もかかるのだろう。)
帰り際ティングは、ふと、そう思った。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
キューーン・・・!!
そう鳴くと、火の鳥はぶわっと空へ羽ばたいた。
しなやかに舞い上がる。
5人を乗せているとは思えないほどに・・・。
激しく羽ばたくわけでもなく、ただ風に身を任せているわけでもないというのに、
火の鳥は柔らかく・しかしすごい速さで空を駆け抜けた。
「ありがとう。火の鳥。そして、魔術師のおばあ様・・・。」
シュリは火の鳥の羽が体をかすめるたびに、その生命力と温かさを感じ、
感謝の気持ちでいっぱいになっていた。
仲間。そのすべてに・・・。
~詩~ IN MY ROOM or OUT DOOR
IN MY ROOM
おちつく。
時に心に風が吹くけれど。
ひとりの部屋。
でもね、
IN MY ROOM
心に風が吹くと、余計出たくない、の。
壁がガードしてくれるから?
誰も入ってこないから?
わからないよ。
わからなくて。
こころがマーブル模様。
ぐるぐる、だから、さ。
IN MY ROOM
いるのやめてみようかなって。思ったんだ。
視線を下にやりながら、
OUT DOOR
こんなにも
世界はまばゆいのか。って。
顔をあげたよ。目が、痛い。
気づいたら、何時間も散歩していたんだ。
何も探していない、こころのままに。
いいね。
外も。
いいね。
家も。
BOTH OF OK!
わたしの世界は、ひろがった、よ。
小説NO.38 ~出発の日~
朱音とシュリにはこういったことがあったとはいえ、何とか全員、一日を有意義に使い、
出発当日を迎えることができた。
さすがに全員、表情がピリピリとしている。
これから始まる戦いのために、これまで苦労してきたのだから・・・。
集合がかかるまでの間、皆、精神をひたすら集中させていた。
研ぎ澄まされた空気が、シュリの城の中では流れていた。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
その頃、王は焦っていた。
なぜか・・・。
「なぜだ゛(`ヘ´#)?なぜ、こいつは出てこない!うまれるまであと3日とティングから聞いてから、
もう5日が経とうとしているではないか(゙ `-´)/!
もうでてこれるんだろ?
そうなんだろ?ぼうや?!」
王は不満を漏らした後、出来るだけ優しく培養液中の「ぼうや」に話しかけた。
「ぼうや」はくくくっと笑うものの、出て来ようとする気配は無い。
ティングは口を開いた。
「こいつ。もう完成している。出てこない、のは、こいつの意思。
恐らく誰かと戦う事態でも起きない限り、こいつ、は、出てこない。
こいつ、おそろしい。意思、持ってる・・・。
無理に出す、よくない。」
王はティングの言葉に軽く舌打ちしたが、
「ま、もうすぐあの腐ったシュリがくるだろうよ。」
そう言うと自分の椅子へどかっと腰をおろし、水晶玉を覗いた。
中にはシュリが写っている。
「火の鳥」を掲げ、仲間に招集をかけるシュリの姿が・・・。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
王の水晶に映っていた通り、シュリは皆に招集をかけているところだった。
場所は屋上。
朱音、ルース、サラ、健司がそこへ集まった。
「みんな、そろそろ行こうか(`・ω・´)
火の鳥の準備は出来たよ。」
皆が頷くと、シュリは説明を始めた。
「火の鳥の柄を、みんなでにぎるんだ。握る順番は決まっていない。
僕がOKのサインを出したら、一斉に剣に「気」を込めてくれ。
出来るだけ強く、火の鳥の魂に届くように!
じゃあ、まず僕が柄頭を握る。みんな、つづいてくれ。多少手が重なっても、大丈夫だよ。」
シュリは柄の先端、「柄頭」をにぎった。
次にルース、サラ、朱音、健司が柄の空いた部分を握る。
それを確認すると、シュリは目でみんなに合図する。
皆もそれに目で応える。
「現れよ!火の鳥!!」
シュリがそう叫ぶと、みんな一気に手のひらに力を込めた。
周りの空気が渦を巻く。
ルビーのような色の羽がひらひらと舞い始める。
「もっとだ!もっと力を込めろ!みんな、頑張れ!」
シュリが叫ぶ。
皆、全身から汗を噴きだしながら、「気」を増大させた。
クィーン・・・!
泣き声が鳴り響く。
すると、
ボディが赤と黄、そして青い羽を持つ大きな鳥が、剣の真上に姿を現した。
その時だ。皆が握っていた剣は砕け散った。
柔らかに翼をウェーブさせながら、その鳥は屋上に舞い降りた。
優しい目をした鳥。
私たちに「乗りなさい。」と、いっているようであった。





