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小泉八雲と「怪談」

ドラの関係で小泉八雲を扱ったテレビ番組が目白押しだが、少し前に放映されたNHKの「英雄たちの選択」は面白かった。特に、学生に人気があったという東京帝国大学講師時代のエピソードは興味深かった。

 

松江へは一度だけ出張で行ったことがある(2006年6月)。スケジュール的にあまり余裕がなかったが、小泉八雲記念館だけは見てきた。

 

ついでに、隣の小泉八雲旧居の庭先を覗いてきた。

 

 

ちょうどこの頃、小泉八雲に興味を持っていて、E・スティーヴンスン 『評伝ラフカディオ・ハーン』とか小泉凡 『民俗学者・小泉八雲 日本時代の活動から』などを取り寄せていた。

 

 

 

当時のWEB日記を見ると、「ラフカディオ・ハーン(=小泉八雲)が日本的心性をどのように受け止めたか、興味がある。」(2006-07-03)などと書いていた。また、こんな文章も。

 

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2006-07-10
『怪談』


DVD 「怪談」(1965年)
 監督:小林正樹。 出演:岸恵子, 仲代達矢, 中村嘉葎雄, 丹波哲郎, 中村翫右衛門ほか。 音楽:武満徹。

  「黒髪」、「雪女」、「耳無芳一の話」、「茶碗の中」4篇からなるオムニバス作品。カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作。
     
 この映画の映像の美しさは特筆に値する。しかし、本来の「怪談」が内包していた人間存在の哀しさに対する洞察が描けていない。特に「黒髪」がそうだ。原作は『影』の「和解」。立身出世のために妻を捨てて別の女と結婚した男が、元の妻を忘れられず、彼女を置いてきた京の家に戻ってくる。荒れ果てた家屋。しかし、その奥には昔のままの美しい妻がいた。己の仕打ちを詫びて妻への想いを打ち明ける男。男への変わらない思いを語る女。しかし、かつてのように仲睦まじく一夜を過ごし、目覚めた男が見た物は、黒髪と白骨となった女の姿だった。原作では、男が近所の家の者から、妻が捨てられた後、気落ちのために程なく病を得て死んだことを聞かされる。幽霊となった女は男に復讐する様なことは決してしない。だからこそ女の哀れさが際立つのだ。ところが、この映画では、男は女の屍体を見て驚愕し、家から逃げようとするが、黒髪にまとわりつかれて恐怖の余り精神が崩壊してしまう。男は己の仕打ちの報いを受けるのだ。しかし、これでは余りに凡庸ではないか。 

 

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なんだか、若かったせいか肩肘を張ったような文章だが、この評価自体は、今も変わっていない。

「雪女」のエピソードなども、最後の場面(特に雪女の表情)の詰めの甘さに、「もったいない」と思ったことを今も覚えている。

 

 

…口直しに。

 

YouTube:

佐井好子「雪女」

 

佐井好子は、1975年にアルバム「萬華鏡」でデビューしてから計4作のアルバムを残して1979年に音楽活動を停止した。1999年には、過去のアルバムが2種類の2枚組CDという形で再発売された。私が持っているのはこれら再販盤。(持ち物自慢♪)

 

彼女の歌のタイトルを見ると、「胎児の夢」(夢野久作)、「鏡地獄」(江戸川乱歩)、「紅い花」(つげ義春)など世界観の背景が明瞭に窺えるものがあるが、「雪女」はやはり小泉八雲だろうか。

 

彼女はその後、周りの支持に背中を押される形で、詩集『青いガラス玉』(2003年復刊、CD付き)、オリジナルアルバム「タクラマカン」(2008年)、「萬華鏡」のフランス盤(2024年)をリリースし、再び注目されるようになってきた。特に最近ではネット配信の影響が大きく、海外に熱烈なファンが生まれているそうだ。ちなみに、最近の姿はディスクユニオンのYouTubeチャンネルで見ることができる。

 

 

 

付録の風景写真は雪の風景。本題とはあまり関係ないが、雪女に寄せたということで…。

 

猛吹雪の石狩浜。

 

 

札幌芸術の森野外美術館。