今回、コロナ明け以来、4回目の国際線に乗った。
行き先はポルトガル。
リスボン到着後、まず最初、ロカ岬に向かった。
ひと昔前、村上春樹の『国境の南、太陽の西』を読み、初めてロカ岬を知った。
その岬に刻まれているルイス・デ・カモンエスの
『ここに地終わり海始まる』
の言葉が妙に記憶に残った。
ユーラシア大陸最西端の地。
このクールな言葉を調べてみたら、なんと宮本輝の小説『ここに地終わり海始まる』を知り、早速読んでみた。
私は同時期、村上春樹と宮本輝にハマリ、両者の作品をあさって読んでいたのに、この作品は読み落としていた。
久しぶりに宮本輝ワールドを楽しめた。
オマケのお話。
バックパッカーのバイブルである沢木耕太郎さんの『深夜特急』で
「そろそろ旅を終えてもいいかな」
と思ったのが、ポルトガルの岬。
しかし、ネットもない当時で最西端と思っていたのがロカ岬ではなく、サグレス岬だった。
夫が本棚からそれを出して確認。
もう一度、読み返してみよう。
名前の知らない黄色い花の群生が、よりこの地をドラマチックに演出していた。
ポルトガルの船が、この岬から西に広がる未知の大海原に乗り出したのは15世紀。
大航海時代の幕開け。
南アの希望峰に立った時と同様、帆をあげて航海に挑んだ勇敢な人々の姿の胸中に私は思いを巡らし、深く息を吐いた。
此処を訪れた記念に、それぞれの名前が美しくサインされた立派な証明書を戴く。
そしてこの名前は記録に残されるらしい。
次に向かったのはシントラにある宮殿。
13世紀末のディニス王の時代から次世代の王が増改築を繰り返し、完成に至った。
中でも感動したのは図書館。
あまりの美しさに言葉を失う。
次に、マフラの修道院へ。
初日のホテルはファティマ。
ここは聖母マリアが出現したと言われる巡礼の町。
夜にお祈りが始まり、ろうそくの行列が始まった。
宿泊先のホテルの室内の壁にも十字架が。
初日からいきなり深い感動を味わった。
しかし、この国の魅力は当然これで終わるはずもなく連日、胸踊る楽しいツアーとなった。
ポルトガルの旅、はじまり、はじまり…