シンガポール航空321便
ロンドン発シンガポール行き
機材はボーイング777型機
旅客211名
パイロット・CA18名
飛行時間14時間35分
到着地シンガポールまであと1時間前後
そこに猛烈なタービュランス
負傷者は70名前後
心臓発作の旅客が亡くなった
機内は物が散乱でグチャグチャ
天井がへこんでいる
多くの旅客がはね飛ばされたのだろう
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240523/15/tokyocrewclub1/e2/2d/j/o1512201615442363674.jpg?caw=800)
その後のニュースでは
18人が入院、12人が病院で治療
タービュランスが起きたのは
タイの左側ミャンマーの海域
下の図では
Thailandと書いてある左側の少し下
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240523/13/tokyocrewclub1/2b/06/j/o0375027815442334397.jpg?caw=800)
Flightrader24より 通常のルート
ここら辺の空域なら
昔何度か飛んだことがある
巡航高度に入れば
あまりタービュランスが起きない空路の印象
といっても積乱雲が多い地域
上昇中や降下中に
積乱雲に遭遇することはあった
空港へのアプローチ中
機長はできるだけ避けている
だけど積乱雲の近くを
飛行せざる得ないこともある
そんなときはど~んとはねられる
昔、マニラへのアプローチ中に
思いっきりはねられた
でも今回は巡航中(高度1万2千メートル)
かなりの高々度で飛行中に
タービュランスに遭遇
日本の冬場の上空と違って
ジェット気流はそんなに吹いていない
もしかしたら
CB(積乱雲)が立っていたのかな
よほど大きな積乱雲だったのかな
CB・・・Cumulonimbus
そんな高度まで届く積乱雲
あまり聴いたことがない
ただ積乱雲の雲は見えなくても
そのはるか上空で
すごい上昇気流が起きていたのだろう
そして飛行機は機体が柔軟
主翼も揺れる
尾翼も揺れる
揺れているとき
客室前方から最後尾を見ると
クジラの尾っぽみたいに
機体後部が上下している
タービュランスのときに
思いっきりはねられるのも
客室後方になる
タービュランスに備えてか
旅客が天井に頭をぶつけたら
へこむよう素材で作られている
ギャレーの天井もへこむ
だけどそれ以外の設備は
とにかく硬いものばかり
打ちどころが悪ければ命にかかわる
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240523/16/tokyocrewclub1/da/29/j/o0614032815442393946.jpg?caw=800)
急激な揺れのとき
どこかつかまるところがほしい
とにかくつかまり
飛ばされないようにする
食事カートが収納されているところに
取っ手が見える(写真)
とっさのときにはここにつかまる
ギャレー回りには
こういう取っ手があちこちにある
CAは自分で自分を守ることも必要
今回、多くの旅客が
シートベルトを外していたもよう
そのため負傷者も多く出た
とにかくシートベルトは
飛行中締めておいてほしい
CAもデッドヘッド(便乗)やプライベートで
飛行機に乗ることがある
着席中はシートベルトをかならず着用している
ベルトを外したままでは
突然の揺れが怖くて
飛行中居眠りもできないからなのだ
30数年の乗務で
はね飛ばされるほどのタービュランスに
遭遇したのは2回ぐらいだったかな
T・K ♂
以前のブログ
「揺れとの戦い…梅雨どき」
追記
フェイズブックで今回のタービュランス直後の機内写真が回ってきた。これほどまでの惨状は見たことがない。負傷した旅客、CAも写っていた。
もう一つのブログを始めました
「男の家事日記」