ドイツのFrankenフランケン地方のQ.B.A、Q.m.P.のワインにはBocksbeutelといわれる扁平の瓶が使われています。

この名前の由来として、多くの解説書に、その瓶の形からBocksbeutel [Bocks=雄山羊、Beutel=袋、陰のう]と言われていて、実際に山羊の陰のうがワインの入れ物に使われていたと説明がありますが、どうも信じられないでいました。

Jancis Robinsonジャンシス・ロビンソンのOxford Companion to WINE(ワインの百科事典)やその他を参考にすると、、 『Bocksbeutel は、ドイツ北部で祈祷書などを持ち運ぶ袋の名前Bücherbeutel(本を入れる袋)[Bücher=本の複数形]から出たもので、その形からFrankenのワイン瓶にこの名前が付けられている。』という説があります。
さて、どちらが真実なのでしょうね。セミナーなどでは後者の方が説明しやすいです。

なお、このBocksbeutelという瓶の名前は、規定でFrankenでしか使用できないが、同じ扁平型の瓶は、Badenバーデン地方の
Bereich Ortenauベライヒ・オルテナウの4つの村;Neuweierノイヴァイヤー、Umwegウムヴェーク、Varnhaltファルンハルト、Steinbachシュタインバッハ、と
Bereich Tauberfrankenベライヒ・タウバーフランケンでも使用されているそうです。

ワイン売場では、この扁平瓶でFrankenのワインを見つけやすかったのですが、最近FrankenのQ.B.A.でも扁平ではなくて丸型の瓶も見るようになりました。ワインセラーでワインを保存する時には、確かに扁平型瓶が混ざると揃えにくいことはありますが、印象的な形なので愛着があります。



昨日のワインの色の識別をしやすい写真を掲載します。

左がBardolino Chiaretto “l’Infinito” D.O.C. 2005 Santi 

右がMontepulciano d’Abruzzo Cerasuolo “Palio” D.O.C. 2005 Citra

ちなみに、
(1) “Chiaretto” と呼ばれるタイプを産するD.O.C.は、
   ピエモンテ州:Monferato
   ロンバルディア州:Garda、
             Riviera del Garda Breciano/Garda Breciano

(2) “Cerasuolo”と呼ばれるタイプを産するD.O.C.は、
   アブルツォ州:Montepulciano d’Abruzzo



ソムリエ協会の教本では、「cerasuoloは、色調の濃いロゼワイン。chiarettoは、明るいロゼ。」と説明されています。

更に、ヒュー・ジョンソン著、辻静雄料理教育研究所訳のポケットワイン・ブックでは、「cerasuolo:Montepulciano d’Abruzzoモンテプルチャーノ・ダブルッツオのロゼ版につく名前
chiaretto:ロゼ、特にガルダ湖岸で産するもの。」

The New Sotheby's Wine Encyclopediaでは、「cerasuolo:チェリー色の赤。鮮やかな色合いのロゼ。chiaretto:非常に明るい赤と本来のロゼの間の色をしたワイン。」

ある受験参考書には、「cerasuoloは、色調の濃いロゼワイン。chiarettoは、赤ワイン同様の醸造工程で造られるロゼ、」

また、あるワイン用語のwebsiteでは、「cerasuolo:さくらんぼの赤色。chiaretto:濃い目のロゼ。」
とあり、結局本当のところはどうなのだとますます分からなくなりました。

Bardorino chiarettoとMontepulciano d’Abruzzo cerasuoloの色を比べてみました。

写真の左がBardorino chiarettoです。右がMontepulciano d’Abruzzo cerasuoloです。
教本の説明の通り、左の方(chiaretto)が右(cerasuolo)より明るい色をしています。

この点では教本の説明どおりでした。

しかし、cerasuoloが色調の濃いロゼと言われている一方で、chiarettoが濃い目のロゼと解説しているのがあり依然すっきりしませんでした。

またイタリアに問い合わせた結果、下記の通りの説明を受けました。

『イタリアソムリエ協会では、ロゼワインを明るいのから濃い順に下記の通り分類している。
tenue:明るいピンク(桃の木の花)
cerasuolo:少し濃いピンク(さくらんぼのciliegiaからきた言葉で、ある種のさくらんぼの果肉色)
chiaretto:殆ど赤に近いピンク、明るいルビー赤色。
実際のところ、Bardorino chiaretto D.O.C.は、cerasuolo色であり、Cerasuolo di Vittoria D.O.C.G.は明るいルビー色の赤ワインであるので、これらのD.O.C.(D.O.C.G.)の名称とワインの色の分類表現とは矛盾してくる。
結論として、D.O.C.のcerasuloloとかchiarettoの名称とワインの実際の色合いは結びつかないと考えた方が良い。』

でも、私の飲んだPlanetaのCerasuolo di Vittoria はとても明るいルビー色といえない色合いでした。

結局、D.O.C.での名称と実際のワインの色合いが関連しないことは納得しました。

歴史のあるイタリアワインのこといろいろ論理的に説明できかねることもあるのでしょう。

なんだか分かりにくい話ですが、呼称試験を受ける方は、一応ソムリエ協会の教本通り覚えておいて下さい。



まず、cerasuoloとは何でしょう。

ソムリエ協会教本2006年度版の287頁にcerasuoloは、「色調の濃いロゼワイン」と説明されています。

同じ教本の「イタリア州別D.O.C./D.O.C.G.一覧表」293頁に、Montepulciano d'Abruzzoのワインタイプは、R(rosso)とCe(cersuolo)となっています。これに関しては、2004年の一次試験にも出題されましたが、このDOCのロゼはcerasuoloと呼ばれます。

更に、同じ一覧表の294頁に、Cerasuolo di VittoriaのワインのタイプはCe(cerasuolo)とあります。

このCerasuolo di Vittoiraは、2006年6月にDOCGに昇格し、2005年ヴィンテージより適用されることになったことは、昨年受験された方は当然覚えていらっしゃいますね。シチリアで今のところ唯一のD.O.C.G.です。

品種は、Nero d'Avolaネロ・ダーヴォラ 50~70%、Frappatoフラッパート30~50%です。ということは、Nero d'Avolaが50%以上あることです。

このワインを飲まれた方は気が付かれていると思いますが、cerasuoloといわれていてもワインの色はロゼでなく、やや濃いルビー色をしています。

では、Cerasuolo di Vittoriaは、赤ワインなのに何故cerasuoloと言われているのかが私の疑問でした。

Consorzio di Vittoriaの協会にe-メールで問い合わせましたがno-replyです。このたび、このD.O.C.G.の生産者の一つPlanetaのwebsiteで説明を見つけました。

「このワインはロゼではなくて、美しい赤いチェリー色をしている。昔の生産者が、スキンコンタクトを短くして、テロワール、ぶどうそして醸造方法との組み合わせで非常にアロマのある色の薄いワインを造っていてこれをcerasuoloという言葉で表したというのが正しいところである。」と、いうことでした。

写真で両者のワインの色を比較してみて下さい。
左が、Cerasuolo di Vittoria D.O.C.G.。 右が、Montepulciano d'Abruzzo cerasulolo D.O.C.。  


D.O.C./D.O.C.G.一覧表(ソムリエ協会教本2006年度版288頁にもあります)を見ると、凡例にSc = Sceltoというのがあるのに興味を持ちました。

Trentino-Alto Adige州のD.O.C.Caldaro(Kalterer)/Lago di Caldaro(Kalterersee)のタイプの一つにScと言うのがありました。

イタリアにも問い合わせ色々調べた結果下記の通りとなりました。

D.O.C. Caldaroカルダーロ(Kaltererカルテレール) 又はLago di Caldaroラーゴ・ディ・カルダーロ(Katererseeカルテレールゼー)はアルト・アディジェ州内のドイツ語圏の方でKaltererというドイツ語のD.O.C.名もあり、BolzanoボルツアーノとTrentoトレントのカルダーロ湖の周りの産地のワインである。
{lagoとseeはそれぞれイタリア語、ドイツ語で湖の意味}

このD.O.C.は赤、クラッシコ、スーペリオーレ、シェルトという4つのタイプを持っていて、すべてのタイプに対しSchiava Grossaスキアーヴァ・グロッサ、Schiava Gentileスキアーヴァ・ジェンティーレ、Schiava Grigiaスキアーヴァ・グリージア、15%以内のPino NoirとLagreinラグレインの品種が認可されている。
{Schiavaはドイツ語でVernatschヴェルナッチ、ドイツWürttembergヴュルテンベルクで多く栽培されているTrollingerトロリンガーのこと}

赤ワインが造られていて、クラッシコはカルダーロ湖の周りの幾つかのコミューネで造られ、スーペリオーレはオーク樽で熟成される。これらのすべてのワインは最低10,5%のアルコールを持っていなければならない。「選択された」という意味のSceltoシェルト( ドイツ語のAuslese)は最低11.5%のアルコール度が必要である。

このSceltoは、一度飲んでみたいワインです。
新しく講師の雑記をお読みいただくことになった皆さんへ!

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なお、文中の写真上でクリックすると写真が大きくなります。

『マッサンベ』の意味の説明を昨年6月8日の雑記で書いていますが、ご質問が多いので再度ここに掲載します。

私の講座名;Ecole Macambe du Vinの中のMacambeの意味をよく聞かれます。本当の綴りはMaçambéで、cの字の下にヒゲ(セディーユ)を、また、eの字の上に´(アクサン・テギュ)をつけていますので、発音がマッサンベとなります。マカンブではありません。フランス語を知っている人ほど意味を考えてしまうようです。フランス語に見えるようにしたまったくの造語でお騒がせしています。私の名前が正和なので、子供の頃、父親が私のことを「マッサンベ」と愛称で呼んでいました。即ち私の幼名ということになりますか。



第13日目
12:16 Tours Saint-Pierre-des-Corps駅TGVにて出発、
13:20 Paris Montparnasse駅到着
Hotel Scribe2泊

第14日目
Parisの町を散歩と食事

第15日目
19:05 Paris空港発帰国

長々と書き綴った旅行記もこれで終りです。飽きずに読んでいただいた方にお礼申し上げます。

写真は、ルーブル美術館の入り口。ルーブル美術館に初めに訪れたのは1960年でした。当時はまだ入場者が少なくモナリザなど有名な絵をのんびり鑑賞できました、今回で15回目くらいの訪問になります。その間オルセー美術館が完成したり、ルーブル美術館の入り口も変わってたりで時代の変化を感じました。



Huetを訪問後、畑を見終わって11時。Huetで買ったワインをホテルに置いて、Toursの町の中心街に向けて車を走らせ、約10分でロワール川の橋Pont Wilsonの、橋のたもとにある地下駐車場へ。

先ずは、昨年7月の第1回ロワールワイン ワインアドバイザー・コンセイエコンクールで私を優勝に導いてくれた(と私が勝手に思っている)サン・マルタンが祀られているBasilique Saint Martin de Toursトゥール・サン・マルタン聖堂にお参りに行きました。

サン・マルタンについては、9月13日付け「講師の雑記」を参照して下さい。

サン・マルタン聖堂は、火災やプロテスタントの破壊、フランス革命などで二つの塔を残すだけです。現在の聖堂は19世紀に建てられたものでオリジナルよりかなり縮小されています。

聖堂の中で、ろうそくに火をつけて静かに優勝のお礼の祈祷をしました。祭壇の地下のお墓にもお参りしました。30分位堂内でお参りして出るとき、出口に座っていた物乞いの前に置かれたお皿にお金を入れてあげましたが、物乞いは日に当って心地よく居眠りしていてこれに気がつきませんでした。

施しで気分も安らぎ、サン・マルタンのミュージアムにも入り、サン・マルタンが実はキリストであった乞食に自分のマントの半分を切って与えたという場面の絵画や彫刻が数多くあるのを見ました。

Tours訪問の主目的で、今回の旅行の最終目的でもあるサン・マルタンへのお礼参りを果たして、大変良い気分でした。後は、旧市街を散歩したり、ワインミュージアムを見たりしてホテルに帰りました。